教場 (2) (小学館文庫 な 17-3)

著者 :
  • 小学館
3.55
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本棚登録 : 1701
感想 : 121
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094064797

作品紹介・あらすじ

シリーズ50万部!警察学校小説、最新作!

●第一話 創傷(そうしょう)
初任科第百期短期課程の桐沢篤は、風間教場に編入された不運を呪っていた。医師から警察官に転職した桐沢は、ゴールデンウイーク明けに最初の洗礼を受ける。
●第二話 心眼
風間教場では、備品の盗難が相次いでいた。盗まれたのは、PCのマウス、ファーストミット、マレット(木琴を叩く枹)。単独では使い道のないものばかりだ。
●第三話 罰則
津木田卓は、プールでの救助訓練が嫌でたまらなかった。教官の貞方は屈強な体格のスパルタ教師で、特に潜水の練習はきつい。本気で殺されると思ってしまうほどだ。
●第四話 敬慕
菱沼羽津希は、自分のことを初任科第百期短期課程のなかでも特別な存在だと思っている。広告塔として白羽の矢が立つのは、容姿に秀でている自分なのだ。
●第五話 机上
仁志川鴻は、将来の配属先として刑事課強行犯係を強く希望している。元刑事だという教官の風間には、殺人捜査の模擬実習を提案しているところだ。
●第六話 奉職
警察学校時代の成績は、昇進や昇級、人事異動等ことあるごとに参照される。美浦亮真は、同期で親友の桐沢篤が総代候補と目されるなか、大きな試練に直面していた。



【編集担当からのおすすめ情報】
シリーズ50万部突破!
週刊文春「2013年ミステリーベスト10」国内部門
第1位『教場』続編!
警察小説に新機軸を打ち出したベストセラー!
白髪隻眼の鬼教官・風間公親は、今作でも健在!

感想・レビュー・書評

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  • R2.2.16 読了。

     今回もやっぱり面白い。「必要な人材を育てる前に、不要な人材をはじきだすためのふるい。それが、警察学校だ。」「ただし、警察官として見どころのある学生には目をかける。」そんな信念を持った風間教官は、学生達を観察し指導していく。大きなイベントは無くとも魅力的な文章から目が離せない。続編も読みたい。

    • トミーさん
      早く教場を読みたい!
      早く教場を読みたい!
      2020/04/23
  • 面白かった
    教場第二弾
    6作からなる短編連作ミステリー
    第一弾はちょっといまいちでしたが、こっちはよかった。特に奉職はぐっと来ました。

    ■創傷
    医師から警察官に転職した桐沢を退校させようとした真相
    ■心眼
    備品の盗難の裏側に隠されていた理由
    ■罰則
    においは記憶に残る、記憶を呼び起こす
    ■敬慕
    容姿端麗の羽津希。引き立て役に選んだ友人は実は..
    ■机上
    殺人捜査の模擬実習で本当に生徒に伝えたかった事
    ■奉職
    美浦の過去、そして、風間が教員を続ける理由

    これで卒業してしまったので、続編はないのかな..

  • 教場第2弾。
    構成は、前作と変わらず、警察学校のある期の学生さん達の卒業までを描く。
    「ごくせん」とか「飛び出せ青春」(古る!)とか学園ものの警察学校版になる?そんなにキラキラしてないけど。
    やっぱり、ミステリーではない気がする。まぁ、面白いからええけど。
    第六話 奉職なんか、グッときたもん。
    風間さん、ええ感じ!
    こんな教官なら、殴られても良いわ!(Mか!笑)

    追伸:
    一度、社会に出てから、再度、警察に転職って多いの?イメージ的には、学校卒業してすぐにってのがあったんやけど。

  • シリーズ第一作と同じく、警察学校の教官である風間と生徒たちのストーリー。
    一作目の最後に出てきた、「警察には文句がある」と言っていた美浦も出てくる。

    前作よりも風間の印象が薄く、少し物足りなさも感じた。わたしは一作目が好きかな。
    とは言っても風間の洞察力や観察力は劣っておらず、生徒のことはお見通し。
    その裏でお兄さん的存在な桐沢に救われた生徒もたくさんいただろう。

    今作では、風間の口から「死ぬなよ」「最後まで生きる望みは捨てるな」という言葉が生徒にかけられる。警察がいかに死と隣り合わせの職業か、嫌というほど分かっている風間から、というのが重い。
    "人に敬われる人間になることだよ。
    そのためには人間性や人格を磨くことは、常に怠らないでほしい。"
    厳しい毎日の中で過ごす生徒たちのことを思うと、ここの風間の優しさが嬉しかった。

    やはり卒業式の風間が一番人間味があっていい。
    「奉職」いい。今作は風間の笑う場面が多かったように思う。
    生徒たちが出来ないから厳しくしているのではない。憎いわけでもない。
    これからの警察人生をしっかり地に足ついて歩んでいけるように、潰されないように、あえてここで厳しくしておく。生徒たちが大切だから。生きていてほしいから。
    ヘマをしたらどこの教場出身か問われたりするということは、その逆もきっとあるだろう。風間はきっとそんな未来を期待しているんだろうとも思う。自分が育てた生徒たちが褒められたら誰だって嬉しいじゃないか。

  • かつて強行犯係の刑事で、怪物じみた切れ者だったという風間教官が、警察学校の生徒を相手に、その手腕を発揮する教場シリーズ第2弾。
    今回は、不要な人材をはじき出すためにと、ミスした生徒に「退校届」が渡されるという試練に、各生徒が悪戦苦闘する全6話。
    卒業式を迎えてしまったこのシリーズ、次はどうなるのか。

  • 長岡弘樹『教場 2』小学館文庫。

    警察学校を舞台にした『傍聞き』のような連作ミステリーの第2弾。どこか謎めいた警察学校教官の風間公親が生徒たちを指導しながら、彼らの本質を暴き、警察官としての成長を促すというストーリー。全六話を収録。

    散りばめられた伏線が最後に全て回収され、結実するというプロットの巧さは相変わらずである。しかし、中にはオチには少し無理を感じたものや捻り過ぎと感じたものもあった。それでも面白い。一つひとつの短編が練りに練られている。

    その中でも『第四話 敬慕』と『第六話 奉職』が特に良かった。

    『第一話 創傷』『第二話 心眼』『第三話 罰則』『第四話 敬慕』『第五話 机上』『第六話 奉職』を収録。

  • 教場がシリーズ物だと知って買った一冊。

    警察学校の話

    前作と同じで連作短編とかいう作りで話が進んでいった。

    相変わらず教官の鋭さはすごい。

    生徒のちょっとした行動や言動などから生徒の事を見抜く。

    ただ厳しいだけじゃなく、生徒の欠点をいい方向にもっていくようにする為に厳しくしている感じがした。

    前作も思ったが、なんかどの話も終わり方があまり好きではない。
    その後どうなったのかまで書いて欲しい。
    次の話の中にその後の事を書かれても、なんかあまりスッキリしない。

    まだ続きがあるシリーズ物なので、次が楽しみになる小説でした。

  • 少しずつ風間のことがわかっていく、
    話に共通しているのは、生徒たちをまっすぐに導いていく教官であること
    時に厳しく、きついけれども、ぶち当たっていくことで強くなる生徒ばかりでした

  • STORY BOX2014年9月号:創傷、12月号: 心眼 、2015年3月号:罰則、7月号:敬慕 、10月号:机上 、2016年1月号:奉職、の 6つの連作短編を2016年2月小学館から刊行。改稿して2017年12月小学館文庫化。警察学校小説。シリーズ2作目。風間教官が良いです。彼のセリフ「会えるからだよ。君のような学生に」がまた良い。育てて、育ってるんですねぇ。

  • 星3.5
    ドラマはキムタク。
    若過ぎでは?

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著者プロフィール

1969年山形県生まれ。筑波大学第一学群社会学類卒業。2003年「真夏の車」で小説推理新人賞を受賞し、05年『陽だまりの偽り』でデビュー。08年「傍聞き」で第61回日本推理作家協会賞短編部門を受賞。13年刊行の『教場』は「週刊文春ミステリーベスト10」の1位、「本屋大賞」6位などベストセラーとなった。他の著書に『線の波紋』『波形の声』『群青のタンデム』がある。

「2022年 『殺人者の白い檻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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