- Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
- / ISBN・EAN: 9784094065220
作品紹介・あらすじ
温かな涙を誘う、思い出のおやつ
祖母の死を機に田舎から街に引っ越して、父親と弟との三人暮らしを始めた女子高生の香月。だが、転校先では友達ができず、母親代わりの家事もうまくこなせず、父親ともぎくしゃくして、居場所を見つけられないまま、寂しい気持ちを抱えて毎日を過ごしている。
ある日、隣の席にすわる男子生徒のノートを間違えて持ち帰った香月は、そこにいくつものデザートレシピが手書きされているのを見ておどろく。「あの間宮くんが、ケーキ作り?」
クラスの中心人物である間宮立海は、いかにも都会的な洗練された男の子。気後れするほど苦手なタイプの彼が、誰にも内緒で菓子作りをしているらしい。立海の意外な趣味を知った香月は、秘密を守る代わりに、菓子作りを教えてほしいと持ちかける。渋々ながらも、立海は香月の師匠役を引き受けてくれることに。
夜だけ開く喫茶店でデザート作りをする立海を手伝いながら、懐かしい祖母のおやつを思い出す香月。ホットケーキ、プリン、かぼちゃぜんざい。誰かに認められるために、自分なりの味を作ろうと気負うけれど……。
思い出の味は、きっと幸せの味。切なくて優しい青春ストーリー!
感想・レビュー・書評
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自分の居場所、か。香月はずっと探していたけれど、おじいさんが言うとおり、自分でつくってしまえばいいのかもなぁ。香月も風希もお父さんも、相手を思いやってるからこその衝突がもどかしかったけど、最後はきちんと言葉で伝え合えてよかった。
いいよさんの書く女の子は、読み始めはあれ、あんまりこの子好きじゃないかも、って思わせるんだけど、最終的には好きになるんだよな〜。立海くんとのくらげ喫茶でのやり取りもよかった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
藍色とレモン色
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香月の気持ちがわかりすぎて、だけどもう大人なのでお父さんの気持ちもわかりすぎて。何か自分でもわからないくらい涙が出た。立海くんとの関係も甘酸っぱくてほほえましい。心がほっこりした。
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香月が凄く意固地で頑な。そしてびっくりするほど周りが見えない。あまりにも子供でハラハラしながら見守りました。終わりのほうでやっと成長してくれて一安心です。
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青い、青すぎる!
海の青と、夜空の青、そして青春の青‥恥ずかしい(汗) -
若いっていいなぁ。前向きで良かった。
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主人公の香月は、祖母が亡くなったことをきっかけに、三重県の海の近くの田舎から奈良県の町中に引っ越してきて、父親、中学生の弟との3人暮らしを始めた女子高校生です。転校先の高校のクラスに馴染めず、孤独な毎日を送っていて、友達ができないことを父親にも弟にも隠しています。そんなある日、隣の席の人気者の男子生徒、間宮立海のノートを間違えて持って帰ってしまいます。中を開くと、スイーツのレシピがたくさん書いてありました。立海は夜だけ開いている喫茶店でスイーツを作っていることを内緒にしていました。立海の秘密を知った香月は、立海にスイーツの作り方を教えて欲しいとお願いします。祖母が作ってくれいていたおやつの思い出を胸に、自分の居場所を探す暖かい物語です。父親や弟との心のつながりや家族のあり方などに触れ、涙しました。