冥土ごはん 洋食店 幽明軒 (小学館文庫 か 50-1)

著者 :
  • 小学館
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本棚登録 : 150
感想 : 16
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  • Amazon.co.jp ・本 (235ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094065817

作品紹介・あらすじ

死者の無念は食べて解決。洋食異界ミステリ

匂いに誘われて入った「洋食店 幽明軒」で、無職の和泉沢悠人はアルバイトを始めることになった。厨房で働くのはシェフの九原脩平と妻・香子、フロアは娘の果菜子が担当している。悠人は果菜子に教わりながらバイト初日の仕事をスタートさせた。無事に営業を終えた午後8時、急に店内の温度が下がり、ドアからゆらりと現れたのは幽霊? 幽明軒は、現世に思いを残した死者が訪れる洋食店だった。
死者たちは、好きな洋食を一品オーダーし、それを食べることで過去のわだかまりを解消することができるという。悠人が初めて接客したのは、大正時代に交通事故で無くなった珠代だった。オーダーはライスオムレツ。結婚を誓い合った恋人と食べる予定のまま、些細なすれ違いから食べることの出来ないまま死んだ。シェフの脩平は珠代の話を聞きながら、恋人の本当の気持ちを導き出す(第1話「別れのオムライス」)。
「ナポリタンに込めた息子の気持ちとは」「私は誰に殺されたのか」死者たちが遺した思いに寄り添う“幽冥と顕世のはざまの”洋食店での人間模様を描く、全5話収録の食×異界ミステリー!

【編集担当からのおすすめ情報】
『鴨川食堂』など、
美味しいミステリーがお好きな方に、
ぜひ読んでいただきたいミステリーです。
お腹も心も温まります。

感想・レビュー・書評

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  • 死んだ人が幽冥に行く前に訪れて最後に食べたいものを所望する洋食屋。ほんとにあったら怖い、主人公のように。でも全体的にほんわかした話だ。この洋食屋でバイトをすることになった主人公も、最後の話では自分に関わる幽霊が出てくる。うんよかったね、って終わっちゃうぐらいの軽いお話集かな。

  • 私の大好きな”世にも奇妙な物語のラストの話の原作になりそうなお話”。主人公の和泉沢悠人はいい匂いに誘われてとある洋食店に入った。無職だった悠人はその店でアルバイトすることになるのだが、この店には珍しい客が来る不思議な店だった。
    幽明軒という洋食屋には、たまに死者の客が来る。好きな洋食を一品選んでもらい、最後の晩餐を楽しんでもらいながら、生前思い残したことを聞き、出来るだけ解決してあげる、という話。
    作中に登場する料理はどれも美味しそうで、寝る前に読んでいるとお腹がすく。文字の飯テロと言える作品だろう。前半は主人公よりも客である死者のほうが描かれている感じだが、後半になると主人公の生い立ちなどもわかって来る。もし続編が書かれるのならぜひ読みたい。

  • 思い残したことがある死者が訪れる洋食店。成仏できてないのとはちょっと違うのかな?好きなものを食べてもらって想い出の味を再現したり、誤解を解いたり。あっさりめ。

  • まず大前提として、ファンタジーである(^ ^
    「死者が成仏する前に食事に来るレストラン」
    という設定が、思いっきり(^ ^

    ただ、本作に登場する死者は、
    とても人間臭く扱われているので、
    特別なホラー感やファンタジー感はほぼ皆無。

    みな「自分がなぜ死んだか」だとか
    「死んだ後も気がかりなこと」などを、
    シェフに「謎解き」してもらい、満足して行く...
    イコール成仏するのかな?(^ ^

    レストランが舞台で、様々な料理が出て来るが、
    その薀蓄もまた楽しめる(^ ^
    必ずしも「すんげ〜おいしそう」なものだけでなく、
    死者の「思い出の味」によりそうのが主眼なので、
    一般的な「グルメ小説」とは趣を異にするが(^ ^;

    ミステリ小説にヒューマンドラマを加えて、
    グルメでトッピングしたような、贅沢な一作(^ ^

    主人公の影が薄いのがやや物足りないが、
    もしかするとシリーズとして続くのかも...
    と思わせる一冊でした(^ ^

  • コンセプトとしてはシンプルで、お話そのものも素朴。でも洋食にある種のノスタルジーを感じるからなのか、雰囲気はとてもいい。来店する死者達の時代がバラバラなのが、何気にこの作品の味を演出していると思う。
    この1冊で物語の輪は閉じてるけど、主人公の今後も含めて続編を読んでみたい。

  • 事情の聞き方が強引な気がするが、ここが蟠りを解消する場所ならまぁありなのかな

  • 亡くなった人が最後の晩餐を食べに来る洋食店。思い入れのある料理を提供し、店主は死者の話を聞いて心残りを紐解いてゆく。死んだ原因を探るとか犯人を探すとかじゃなく話を聞いてそれに対する解釈を伝える感じ。死者は話を聞いてもらうことで心残りが解消され美味しいご飯を堪能して去ってゆく。ご飯が美味しそう。

  • 死者の想い出の洋食。日常ミステリとしてすごく良かった。

  • 軽ーく読めた。

  • これは続編を狙う臭い!
    すぐに受け入れちゃうのとか
    謎解きは薄っぺらかった。

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著者プロフィール

1972年大阪府生まれ。公務員退職後、『パチプロ・コード』で第八回『このミステリーがすごい!』大賞優秀賞を受賞し2010年にデビュー。

「2017年 『散り行く花』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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