増補版 九十歳。何がめでたい (小学館文庫 さ 38-1)

著者 :
  • 小学館
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094067668

作品紹介・あらすじ

128万部突破ベストセラーが待望の文庫化

2017年「年間ベストセラー総合第1位」(日販・トーハン調べ)のエッセイ集が待望の文庫化。新たに本書が売れに売れた後の「怒濤狂瀾の日々」を綴ったエッセイや、旭日小綬章を受章した際の爆笑記者会見の模様、畏友・瀬戸内寂聴さんの解説を収録しています。

小学生からお年寄りまで世代を超えてゲラゲラ笑いころげる面白さで、各界の著名人も笑って泣いて大絶賛!

◎安藤優子さん
「とにかく痛快でした。言いたいこと言って、縦横無尽に切りまくる。でも不思議なくらい温かい」

◎瀬戸内寂聴さん
「彼女の表現にはユーモアがあって、笑わせますよね。全28編、それぞれ必ず1回か2回は、思わずゲラゲラ笑ってしまいました」

◎辻村深月さん
「読み終えて本を閉じ、思わずにはいられなかった。九十歳、それでもやっぱりおめでたい、と」

◎又吉直樹さん
「本を読んで、久しぶりに笑いました!」

2018年に亡くなった落語家・桂歌丸さんは「この本は年寄りの教科書。佐藤さんの“角張った生き様"は老い先短い自分がどこに向かうか考える上で、とても参考になりました」と仰っていました。



【編集担当からのおすすめ情報】
単行本は驚くほどたくさんのかたに読んで頂けて、編集部には2万通をお超える読者ハガキが届きました。久しぶりにゲラゲラ笑って元気になった、親や祖父母の気持ちがわかった、自分も佐藤さんのようになりたい……1冊の本が世代を超えてたくさんの方に楽しんで頂けたことをとても嬉しく思っています。

『九十歳。何がめでたい』というタイトルには、佐藤さん曰く「ヤケクソが籠っています」。一度は断筆を宣言し作家人生の幕を下ろした佐藤さんが再び万年筆を執って綴った本書には「暴れ猪」佐藤節が全開。自分の身体に次々に起こる「故障」を嘆き、時代の「進歩」を怒る、その硬軟織り交ぜた文章には人生を生き抜く「金言」が満載です。

今の世の中を一言でいえば「いちいちうるせえ」――という本書の言葉は大きな反響を呼びました。単行本発売から4年、平成から令和へと時代が移った今、佐藤さんの言葉は古くなるどころか、ますます光ります。単行本を読んで下さった皆さんにも手に取ってもらいたいと思って今回、文庫化にあたって、佐藤さんのインタビューや『九十歳』のその後の原稿も新たに収録しています。ぜひお楽しみ下さい。

感想・レビュー・書評

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  • オーディオブックで無料公開されていたので、試しに読んでみた。

    この書籍は書店で見かけたことがあり、90歳の人の描く文章かぁ、面白そうだなぁとは思っていた。

    しかし表紙のほんわかとしたイラストとは裏腹に、エッセイの中のおばあちゃんはぶち切れまくっている。

    「90歳おめでとうございます!次は100歳を目指してください」と言われても、「何がめでたいんだ!」と筆者はブチ切れてしまう。まさしくタイトルの通り。

    最初はそれを新鮮に感じて面白く聞いていたんだけれど、どうしても理不尽な怒りみたいなものを感じてしまって途中からしんどくなってきた。

    スマホが発達しすぎているとか新幹線が速くなりすぎているとか、そういう苦言を呈するのだけど、 テクノロジーの進歩に冷水を浴びせるような物言いに、自分はすごく苦手なものを感じた。

    人生を90年生きたからといって、必ずしも深く円熟した良識みたいなものは育まれないんだなぁと、とても残念な気持ちになった。

  • ハイセンスな言葉で痛烈&軽快に ご自身の生活や人生 そして時代を語る

  • いやあ、こういう90歳の方がたくさんいるなら高齢化社会も悪くない!って思うくらいスカッとズバッとしててすき!
    お話してみたいとも思うけど、たぶん話したところで一刀両断されてしまうこと間違いなし。笑
    文庫本は、老眼でも読めそうな字の大きさにしているのもおもしろい。笑
    元気出ました!
    もう半分死んどるようなもんっていってても、赤の他人は勝手なことを言ってしまうもので、元気でいてほしいなっておもいます!

    _φ(・_・
    人はみな多かれ少なかれ、自分の人生を自分なりに満足いくものに作るために目に見えぬ血を流している
    当たり障りのない人生なんてぬるま湯の中で飲む気の抜けたソーダみたいなもの

  • ウイットに富んだ文体と、年齢を感じさせない文章の確かさがすごい。退屈な回がなく、どれもおもしろい。

  • 2021.11.24 #041

  • パワフルなおばあちゃん!いや、おばあちゃんという感じがしない。どう思われるか気にせず自分の意見を言えて痛快やなぁ。
    いたずら電話の撃退策なんかも、やられたらやり返す精神とかも長生きの秘訣なのかな?!

  • 山田太一編「生きるかなしみ」(ちくま文庫)に30年前60代の頃のエッセイが収録されていて、それを読み、この秋で百寿をむかえた著者がその後どのように歳を重ねたのか知りたいという気持ちで買ってみた。

  • 佐藤愛子という人間の人柄が出ており、エッセイの面白さがとても感じられた。どう思われるかなど他人の目を気にしない文章が潔かった。何がめでたい、という題名に、うんざり感が出てていいと思う。

  • 図書館で。びっくりするぐらい活字が大きくて読みやすい。読んでいる層への配慮なのかな〜なんて思いました。

    自分も前の職場で読売新聞を取っていたので、休憩時間人生相談読んだな〜なんて懐かしく思いました。相談自体がオイオイって思うときもあるし、相談者の回答にそういう回答なのか〜ってツッコミ入れたくなったり面白いんですよね。

    まぁでも晩年になっても仕事の依頼があり、金銭的に不自由のないのは良いなぁとしみじみ思いました。まぁそうなるまでが大変だった、という事なんでしょうが…

  • 最初の方は、今はー昔はーって言っててうるさかったけど、途中から別の切り口の話が聞けて面白かった

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著者プロフィール

大正12年、大阪生まれ。甲南高等女学校卒業。昭和44年、『戦いすんで日が暮れて』で第六十一回直木賞を受賞。昭和54年、『幸福の絵』で第十八回女流文学賞を受賞。平成12年、『血脈』の完成により第四十八回菊池寛賞、平成27年、『晩鐘』で第二十五回紫式部文学賞を受賞。平成29年4月、旭日小綬章を授章。近著に、『こんな老い方もある』『こんな生き方もある』(角川新書)、『破れかぶれの幸福』(青志社)、『犬たちへの詫び状』(PHP研究所)、『九十歳。何がめでたい』(小学館)などがある。

「2018年 『新版 加納大尉夫人 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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