津軽百年食堂 (小学館文庫 も 19-2)

著者 :
  • 小学館
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  • Amazon.co.jp ・本 (349ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094085822

感想・レビュー・書評

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  • 青森県が定める「百年食堂」の定義は「3世代、70年以上続く大衆食堂」とのこと。そもそも「百年食堂」という用語があること自体、私は本書で初めて知ったが、著者の森沢さんは10軒の青森にある「百年食堂」を取材した上で本書を執筆された由。10軒あれば、10軒分の「後継者」に纏わるドラマがあるのだろうと推察する…さらにそれが少なくとも3世代となると最低でも20回の「代替わり」のストーリーがあるということ。そんな取材を経た上での小説となると重みを感じる。小説の舞台は弘前にある3世代続く津軽蕎麦屋さん。その蕎麦屋を継ぐとしたら4代目に当たる20代男性・陽一が主人公。蕎麦屋の後を継ぐことへの思いを抱えながら弘前から東京へ出た陽一。森沢さんの書く小説はどうしてこんなに温かいのだろう。特に陽一の父と陽一の遣り取りから分かる息子を思い遣る父の姿にぐっと来る。周りへの感謝の気持ちを改めて持つ大切さを実感しながら、優しい気持ちにさせられた。

  • 桜の花びら舞う津軽の地で、百年の刻を超え、受け継がれてきたものとは…。

    大森食堂3代目の事故から始まり物語は過去へ現在へと移ろう。
    初代の賢治と4代目候補の陽一の二人の物語がどこかシンクロしていて不思議な感覚にとらわれていく。
    色んな視点からそれぞれの気持ちが伝わってくる。こんな形好きだ。

    地元を離れた事のない私は陽一や七海が抱える孤独と不安に驚いた。離れたからこそわかる故郷への想い。
    私は娘が頑張っている町の空を憶う。寂しくしてないかな。
    親の気持ち、子供の気持ち、人に気持ちを伝えるのは難しい。好きであればあるほど。

    森沢さんの作品も4冊目。どれも美しくて優しい。

    • azu-azumyさん
      けいたんさん、こんにちは~♪

      この本、読まれたのですね!
      森沢さんの作品、ほんとどれも優しくて良いですよね~
      私はまだ3冊目。
      ...
      けいたんさん、こんにちは~♪

      この本、読まれたのですね!
      森沢さんの作品、ほんとどれも優しくて良いですよね~
      私はまだ3冊目。
      もっともっと読みたい!と思う作家さんです。
      2016/02/23
    • あいさん
      azu-azumyさ〜ん、こんにちは(^-^)/

      森沢さんらしい作品でしたね〜♪
      もうすぐ桜の季節。
      今年はこの作品を思い出しな...
      azu-azumyさ〜ん、こんにちは(^-^)/

      森沢さんらしい作品でしたね〜♪
      もうすぐ桜の季節。
      今年はこの作品を思い出しながら桜を楽しみます(*^^*)♪
      私も次は何読もうかな〜
      きらきら眼鏡を読もうかな。
      2016/02/25
    • 杜のうさこさん
      けいたんさん、こんばんは~♪

      >杜のうさこさん頑張ったね!
      そっか~私、頑張ったんだよね。
      一人暮らしの経験はないけれど、転校はキ...
      けいたんさん、こんばんは~♪

      >杜のうさこさん頑張ったね!
      そっか~私、頑張ったんだよね。
      一人暮らしの経験はないけれど、転校はキツかったから…。
      親が厳しくて、そんな風に褒めてもらったことがなくてね…。
      いい歳して子供みたいなんだけど、
      すごく嬉しいです。ありがとう(#^^#)

      そして、ベスト3♪
      どうしても3つに絞り込めなかったの…。

      『避難所 』
      『ニュータウンは黄昏れて 』
      『あなたの人生片づけます』
      『夫のカノジョ』
      『リセット 』
      の5作品かな~。

      垣谷美雨さん、作品数が多くないのに、これじゃ参考にならないよね。
      優柔不断でごめんね。
      あ、唯一『if』だけは、う~ん…でした。

      ただね、どの作品も読みやすいです。
      読後感もいいものが多いから、おススメ♪

      それと、警察モノ。
      私もね、あの縄張り争いはイラッとします。
      今野敏さんの『隠蔽捜査』シリーズが大好き♪
      水戸黄門の印籠が出てくる場面に、
      鳥肌立てて喜んでいた子供でした(笑)
      警察モノじゃないね。あはは~。
      2016/02/26
  • 青森三部作の一作目

    青森にはまだ一回も行ったことがなくて
    それでも青森といえばリンゴ!でしたが、ここに出てくる津軽蕎麦も食べてみたいと思える本でした

    代々続くお店
    昔の味を守っていくのは大変なことで、苦労も多い
    家族の想いや周りの想いをつないでいって
    愛される場所になっていくんだなと

    つながりが感じられる本です

  • 図書館で借りたもの。
    ふるさと「弘前」を離れ、孤独な都会の底に沈むように暮らしていた陽一と七海。ふたりは運命に導かれるように出逢い、惹かれ合うが、やがて故郷の空へとそれぞれの切なる思いを募らせていく。
    青森県が、三代、70年以上続く大衆食堂を百年食堂と名付け、観光の目玉の一つとしたことから生まれた作品だそう。

    “大森食堂”の代表的なメニューは津軽蕎麦。
    「食べてくれたお客さんが優しい気持ちになれる味」を守り続けている。
    津軽蕎麦食べてみたい。

    語り手がころころ変わる話は好きじゃないんだよね。。
    食堂メインの話じゃなくて残念。
    初代パートをもっと読みたかった。

  • 物凄く大きな感動はないものの、温かい気持ちになれる一冊。
    津軽そば食べたいなぁ。

  • 両親のなれ初めを聞いているような不思議な感覚がした。

  • 陽一と七海みたいな恋人っていいな

  • 弘前市にある蕎麦店の3世代を跨がる家人と、東京にすむ4代目?とその彼女の日常。それぞれの章が人の名前になっていて、その人の視点で章が構成されてる。その人の感情が語られるので、視点はコロコロかわるけど、忙しさも感じず、心の動きとかが自然に理解できた。世代に渡って繰り返されるエピソードとか、弘前市の情景とか、過去と現在の繫がりとかがストーリーの中で組み合わさってる。穏やかな読後感がある。

  • 100年続く食堂の初代~3代目、また彼らの家族の視点から描かれた物語。
    初代の話が少なかったのがとても残念。彼の時代の描き方がとても良かったし、
    自然に世界観に入っていくことが出来た。その分、現代編での物足りなさがあって点数は3点。

  • 「虹の岬の喫茶店」、「あなたへ」に続いてこの1ヶ月で3作目の森沢。あいかわらず、優しくてあたかかくなるストーリーだけど、もうお腹いっぱいって感じかな。こんなの読み続けたら、いい人になってしまいそうで怖い。

著者プロフィール

1969年千葉県生まれ、早稲田大学卒業。2007年『海を抱いたビー玉』で小説家デビュー。『虹の岬の喫茶店』『夏美のホタル』『癒し屋キリコの約束』『きらきら眼鏡』『大事なことほど小声でささやく』等、映像化された作品多数。他の著書に『ヒカルの卵』『エミリの小さな包丁』『おいしくて泣くとき』『ぷくぷく』『本が紡いだ五つの奇跡』等がある。

「2023年 『ロールキャベツ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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