作品紹介・あらすじ
展開白熱! ナズナのもとへ駆けろコウ!
「君は吸血鬼を何も知らない」
吸血鬼を殺す探偵・鶯アンコの登場によって
衝撃の一夜を経験したコウの決意は揺らぐ。
「お前、吸血鬼になって何がしたいんだ?」
マヒルの説得、探偵の策略、そしてナズナの告白…
人として生きるか、吸血鬼になって殺されるか__
めまぐるしく移ろう夜ふかしの中で、コウが見つけた答えは!?
感想・レビュー・書評
絞り込み
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コウとナズナの真実の気持ちが表出する。
楽しいだけの関係に変化が生まれるのか⁈
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色々きな臭くなっているけど、遂にラブコメ始動!?な巻。
ただ楽しいだけの世界なんてない、けどそんな世界でも楽しむことは出来る、そんなことを思った巻でもありました。
◆袋小路の二択
吸血鬼になってどうするか。
人を騙して血を吸うか、我慢して苦しみながら死ぬか。
どちらを選んでもダメっぽい、袋小路の二択ですね。
昔(特にセカイ系)で繰り返されてきた問いですが、本作はさらりと抜け出したように、こういった質問者の恣意性アリアリな問いは、もう強く効果を発揮しない時代なんだなぁと感じました。
個人的には、とても良いことだなぁと思います。
◆ラブコメ発動
遂に来たかー。コウ側で発動すると物語終わっちゃうし、そりゃそうなるかー、うーむ良いものだ。
主人公の回答が最後に行われる物語って、セカイ系(悩んで選べない)とか、昔のラブコメ(寸止め状態で取り巻きのヒロインが延々と増える)とか、まどまぎとか、色々ありました。
けど、本作はまた違った趣なのが良いですね。
主人公の選択を求める話ではなく、心の裡から立ち現れる「好き」という感情にフォーカスしている。
いずれまた「じゃあ、本当に吸血鬼になるの?」というところに辿り着くと思いますが、選ばない状態をキープするより好きな構造だなと思います。
さて本題ですが、吸血鬼になろうとナズナの近くにいることを選んだコウに対し、これまでひょうひょうとした態度を崩さずに来たナズナ。
彼女がついに変わろうとする――。
んですが、実は最初からコウの前で楽しく在ろうとしていた、という話で。
良き良き。
ところで、最初からラブコメだったかはさておき、吸血鬼の人たちは、誰かと関わる時大体楽しそうなのがなんか良いなと思いました。
◆ハツカ
ハツカの在り方って、なんかいかにもな「支配者としての吸血鬼」をデフォルメした感じがして、面白いですね。
古い物語の見方をすると、一種の家族を構築しているようにも見える(なんか家族にトラウマありそうだし)。
支配者としての吸血鬼とその眷属でありつつ、眷属たちが支配者の心を守る砦にもなっているような。
まぁ砦としての機能が発動するのは支配者(ハツカ)が追い詰められた時なので、あまり見たくない展開ですけど。
古い見方だし多分間違っているとは思うのだけど、今後そのあたり掘り下げられることはあるのかな。
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5巻は40〜49話を収録。
ナズナちゃんからコウへうっすらと向けていた気持ちをナズナちゃんが自覚するシーンがめっちゃ良かった。
コウを惚れさせるためにどうアプローチしようか悩むナズナちゃんが可愛い。
探偵さんは「吸血鬼を殺す方法」を持っているみたいだけど、今まで出てきた吸血鬼たちの誰かが死ぬのは悲しいからみんな生き残ってほしいな。
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不眠症&不登校になった中学生男子が夜散歩で出会った純情女吸血鬼との交流記第5巻。幼なじみの憧れの人がまた別の吸血鬼だったの巻。二人の関係性は変わらないけど、吸血鬼社会を描く話にシフトしてきているような。
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新しい世界観。
引き込まれる。
日常の中の非日常。
色々と考えさせられました。
ナズナちゃん好き。
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危険の香る巻。
ナズナを想って走り出すコウが胸に来る。
ただ、やっぱりそれってあつい友情的なものなんだろうな。それでもいいのかもしれないけど、吸血鬼にはなれないんだよね。
ナズナも今までの飄々とした調子がなりをひそめ、あえて見せなかった吸血鬼の寂しい部分をコウに語ったり、コウを落とすために行動を起こしたり。心を開いてきたってことかな。
ハツカのことも明かに。眷族に支配的なのって、ハツカの嗜好なのかな。合理的な考えをしてるみたいだけど、感情も分かるし優しさもあるみたいなんだよな。そんな洗脳しちゃうハツカと仲良くできる、吸血鬼とかコウすごい。
確かにキクってわかんない…マヒル、どうなるんだ~!
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学校での事件を乗り越えて、お互いへの意識がぐっと増してきたコウとナズナ。「吸血鬼になる」「吸血鬼として生きる」とはどういうことなのか。難問にぶつかりつつも、重くなりすぎずしっかりラブコメ道に踏み込んでいくバランスがいい感じ。バラエティ豊かな吸血鬼娘たちもさることながら、吸血鬼を憎む探偵・鶯餡子がどういう役割を果たしていくのかが気になります。
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男の娘は、海外ではトラップというらしい。初めて、まさに罠にかけられるような体験をした。
コトヤマ先生の描く女性は皆魅力的で、今回は特に「うわ、表紙かわい!」と思ってワクワクしながら読んだら、男だった...お前のその腰つきは無理あるだろ...良いキャラしてたけど。
そういうことがあったけど、本編はマジで大満足だった。自分の心の在り方を、じっくり探っていくような恋愛漫画が凄い好きなんだけど、本作もまたその領域に入ったと思う。
4巻の暴走する吸血鬼との遭遇を経て、あらためて「どうして自分は吸血鬼になりたいのか」という問いに深く沈み込んでいくような、第5巻。夜なのに明るい、コトヤマ先生らしいテンションは保ちつつも、一筋縄じゃいかない恋愛へと一歩踏み出してくれた良い巻だった。
色々謎は残るし、マヒルくんが危ない感じするけど、次はどうなることやら...。
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