- Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101006161
感想・レビュー・書評
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表題作、「老ハイデルベルヒ」「誰も知らぬ」あたりの佳作に、作品としては破綻の様相ながらも作者の葛藤が垣間見える一冊。この本とは関係ないけど、途中で気になって「黄金風景」を再読。何度読んでも素晴らしい。
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さちよってどんな女性なんだろう・・?
太宰治の作品はついていけないところがよくあるけど、個人的に好きな作家です。 -
「火の鳥」が衝撃的だった。
三人称で、視点移動をしながら綴られる、女優高野幸代についての話。太宰には珍しい構成だったと思う。
構成だけじゃなくて、ひとも、太宰にしてはつかみにくいというか、性格の飛躍がある気がして、そこから太宰が何を表現したかったのか、本当に気になる。
物語が助七の思惑通り進む気もするし、あれだけ意味深に絡んでおいてその辺に転がってるだけみたいなのもらしい気がする。まったく予想できない。火の鳥ってタイトルを見ると、助七の思惑通り進んだと見せかけて、みたいになる気もするけど、やっぱりわからない。
題材たる高野幸代についても、「男は弱いもの」「陰から支えて、支えたことに気づかれないでいい気分にしてあげたい」みたいな考え方を持ってるのに、舞台で脚光を浴びて、しかもその事を自分自身醜いと感じてる。それで自分を軽蔑してくれた人に答えを求めたりする。高須と幸代の対話が見たかった。
三木さんも、人づてのこととはいえ、「君が評価されるのは君がうまいからでなく、周囲が下手だからだ」とか言っちゃって、幸代がそれをどう処理するのか気になる。
もうとにかく未完なのが惜しまれる。箇条書きでも続きを見せて欲しかったです本当に。
それ以外だと、「愛と美について」でろまん燈籠の五人兄弟に会えてうれしかったり、「女生徒」の主人公が書いた体のお手紙が読めてうれしかったりで、にこりとしたくなった。
あと「懶惰の歌留多」も結構好き。私は物語を通さない太宰自身の言葉をあまり楽しめないんだけど、懶惰の歌留多は、創作と愚痴が交互で、最後までさらりと読めて、怠ける太宰のおまおれ状態に楽しく笑えた。 -
再読。始めに手に取った時は『愛と美について』の兄弟に癒されました。仲良し兄弟かわいいです。他にもお気に入りの作品がたくさんある短編集です。
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言葉ひとつひとつを感じて読んでいたら、すごく時間がかかりました。とにかく、火の鳥が好きです。そして、やっぱり太宰が好きです。
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「愛と美について」「花燭」「I can speak 」が個人的に面白いと感じました。「愛と美について」は続編として「ろまん燈籠」という作品があるので、そちらもぜひ読んでみたいところ。
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山梨などを舞台とした作品です。
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またしても、時間かかりすぎてしまった。。。
新樹の言葉はすてきだった。
創作5兄弟と、ジャピィの女生徒の再登場(あれ?どっちが先?)には感動いたしました。
美少女にはくすりとしてしまいました。やっぱり、エッセイテイストな短編が面白い。 -
中期のものだったかなー。太宰作品ではわりとゆったりしている。刺激しなけりゃホントは結構いいやつなんじゃん、治ちゃん。