夕映え天使 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101019260

感想・レビュー・書評

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  • 短編集。
    表題作「夕映え天使」と「丘の上の白い家」が残ったかな、という感じ。
    理由とか原因とかが触れられない小説は多いけれど、不愉快な謎として残るのか、どうでもいいか!と思わせてくれるのかは技量次第なのかなあ、と。
    今回はその振れ幅が大きかった気がします。
    でも人間ってこうだよなあ、とも思わせてくれる作品。

  • やるせない気持ちになりながらも、また、読み返してみたいような、不思議な短編集でした。
    「特別な一日」私も夏子のようでありたいと思いました。

  • 日本を代表する現役作家、浅田次郎。
    「そういえばしばらく作品を読んでいないなあ、特に短篇はご無沙汰だなあ」と思い立ち、この短編集を読んでみることにしました。
    6作品が収められています。
    それぞれのページ数は、40程度のものから70ページ近くのものまで、まちまち。
    そして、舞台設定から物語の展開、結末に至るまで、見事なまでにバラバラな作品が、一冊の短編集として集められています。
    しかしその中で例えば、戦後期を舞台にした作品では雑然とした情景が目に浮かび、そして警察官が主人公の作品ではひとつひとつの会話で緊張感が高まっていくといった感じで、読者をそれぞれの作品世界に浸らせてくれます。
    中には星新一ショートショート的??な展開を見せる作品もあったりして、「この作家さんには”壁”というものが無いのか?!」と、うならされてしまいました。
    そんな作品群を読み終えて、自分なりに共通項のようなものとして感じたのが、「過去との決別」。
    それぞれの物語の登場人物が、自らの過去と向き合い、そしてそれを飲み込む。
    自分自身を見つめ、その上で高めていくということの大切さを、この作品群を読んであらためて、学ばせてもらった気がします。
    浅田次郎作品、やっぱり面白いですね、また続けて読んでしまいそうです。

  • 浅田先生の短編。
    ・・としては、ちょっと物足りない気がしました。
    美しい文章は健在ですごく読みやすいのですが、グッと来ないというか。なんか浅田先生の筆疲れというか。「ちょっといい話書こう」という硬さが感じられてしまいました。

    本書は一時帰国の往き帰りの飛行機の中で読みました。なんか、前回も一時帰国のときに読んでいたのは浅田先生の作品だったなぁ。

    夕映え天使   ☆☆☆
    切符       ☆☆
    特別な一日   ☆
    琥珀       ☆☆
    丘の上の白い家 ☆☆
    樹海の人     ☆☆

  • 短編集。どれも昭和のノスタルジックな香りがする。
    「丘の上の白い家」が好きだった。自分の誰かと一緒に死にたいという夢に付き合わせて自分だけ生き残ってしまった、女性のその後に思いを馳せる。

  • 作風は様々でも、どの作品も一貫して「人の世の無常」を説いている。貧困や罪はもちろん、愛すらも無常と。
    我々は、日常つい上手くゆく結果ばかりを想像しがちだが、如何ともし難い現実、環境は存在する。それに贖うのが人生だ、と教えてくれる一冊。

  • 街中の普通に見える人々の物語

  • 自分にとっては安っぽいノスタルジーだった。浸れるほど自分が大人じゃない。

  • ノスタルジック短編集。浅田次郎、こういうの多いな。「琥珀」が結構好きだったかな。「特別ではない一日」は、この短編集の中では、異質だけど、よく出来てる!思わずもう1度読み直しました。

  • 可もなく不可もなく。
    浅田次郎のほっこり心温まる短編集はまともに読んだのは初めてだけど、長編の方がおもしろかったな。
    なんというか、中途半端。そこそこしか心暖まらないし、だから何なんだと聞きたくなってしまう。
    人に心を許すことの大事さが伝わる夕映え天使と、なにが自分にとって大切なのかを感じさせる琥珀はよかった。特別ではない一日もいい展開。

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著者プロフィール

1951年東京生まれ。1995年『地下鉄に乗って』で「吉川英治文学新人賞」、97年『鉄道員』で「直木賞」を受賞。2000年『壬生義士伝』で「柴田錬三郎賞」、06年『お腹召しませ』で「中央公論文芸賞」「司馬遼太郎賞」、08年『中原の虹』で「吉川英治文学賞」、10年『終わらざる夏』で「毎日出版文化賞」を受賞する。16年『帰郷』で「大佛次郎賞」、19年「菊池寛賞」を受賞。15年「紫綬褒章」を受章する。その他、「蒼穹の昴」シリーズと人気作を発表する。

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