笑う月 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (172ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101121185

感想・レビュー・書評

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  • 17の「夢」の話。安部公房のヤバさがたまりません。

  • うーん、これには唸らされる。創作についての話も興味深いが安部さんに夢そのものを描かせたらいつもにも増してシュール。特に後半には圧倒された。取りあえず「蓄音機」「自己犠牲」「空飛ぶ男」「鞄」「公然の秘密」がお気に入り。何度も繰り返し読み返したくなる面白さが詰まっている。すでにいくつかはそうなっているし・・・、夢物語を捕えるつもりが、こちらが捕えられたか(笑)・・・・かなり完成度が高いものもあると思う。

  • 夢とは何だろうか。ただの想像力の膨満による産物ではない。
    なにが夢を夢たらしめているのだろうか。
    安部公房作品のふわふわとした感覚は、夢のようだけれど、こういう創作過程から産まれたものだからなのだろうな。すきです。

  • 同時代に生きていたかった

  • ぱっくりと口の裂けた月がニヤニヤ笑いながら追いかけてきて、ドアを閉めてもその隙間からにゅっとあらわれる。そういう世界だそうです安部公房が夢を見たのは。夢のおはなしというけれど、安部公房の圧倒的な想像力に唖然。なにかの暗示かと思ったらそうでもないところも怖い。

  • 「笑う月」も含めて17作の短編集。

    多くは夢でのお話。
    どこからが夢でどこからが現実か、その境界が曖昧で
    今この現実ですら、ほんとは夢なんじゃないかと考えてしまう。
    夢という理屈とか常識とかが通用しない世界だからなのか、結局どういうことなのか書かずに、スパンと終わってしまう話も多い。

    読んだ後、なんだか背筋がスっとする。
    けれどもそんな雰囲気が好きだ。

  • これから入ったのがいけなかっただけだと思う。所々なるほど…とかあぁ確かに…って思う部分はあるものの、何というか結局夢の話だからなぁ…何とも言い難い



    中島らもも言っていたけど他人の夢の話ってつまんないな、という印象です

  • 睡眠と夢についてのメモ的掌編。
    帝国大学にて医学を学び、医師としての一面も持っていた安部公房独特の、夢についての見解は非常に興味深い。
    また、安部公房ファンであったならば、例えば『燃えつきた地図』『箱男』といった作品へと繋がっていった、断片的なメモに、興奮するんじゃなかろうか。

    夢については、あたしも現在大いに興味がある。
    高校時代は枕元に置いた携帯電話のボイスメモに、起き抜け、夢を記録していた。

    安部公房、やはり、面白い。

  • 「公然の秘密」が教科書に載っていたのを
    何となく思い出し、購入。

    創作メモらしいのだが、
    どこからが夢で、どこからが本人の語りで、
    どこからが派生か全く分からなくなる。
    もしくは全て夢なのか、
    すべて作者の実際にあった事なのかも。

    面白いよ。
    他も読もう。箱男がよいな。

  • 夢を切り取った短編のようなものから、
    長編作品の素を記したエッセイまで、
    ページは少ないけど、安部公房のエッセンスが溢れる一冊。

    夢を言葉にしてしかも他の人が読んで面白い文章で書くなんて。

    見る夢からして次元が違う内容。

    長編に出てくるシュールな発想の源泉。

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著者プロフィール

安部公房
大正十三(一九二四)年、東京に生まれる。少年期を旧満州の奉天(現在の藩陽)で過ごす。昭和二十三(一九四八)年、東京大学医学部卒業。同二十六年『壁』で芥川賞受賞。『砂の女』で読売文学賞、戯曲『友達』で谷崎賞受賞。その他の主著に『燃えつきた地図』『内なる辺境』『箱男』『方舟さくら丸』など。平成五(一九九三)年没。

「2019年 『内なる辺境/都市への回路』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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