楡家の人びと 第一部 (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101131573

感想・レビュー・書評

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  • 本日読み終わりました。楡家の人々の人生を描いた本。楡家は精神病院てことで、付近では有名だったけれど、歴史から見たら小さな存在(こんなことを言ったら院代に怒られそうだ)。でも一人一人にはものすごいドラマがあって、そういう営みが社会を作っている。人間の営みは小さいけれど、大きいと思った。思わず、東日本大震災のことを考えた。
    人の営みを偉い、偉くないといった、評価はできないのではないか。皆、懸命に生きてるんだものね。
    人物が個性的で、楡ワールドにどっぷり漬かってしまった。

  • どくとるまんぼう以来、二作品目。

    舞台は第一次大戦後の日本。

    風変わりな楡病院の人々。

    楡基一郎が死ぬところまでが第一部でした。

    まず、凄く表現が細かい!

    登場人物みな個性的なキャラクターなのですが、とても繊細に表現されていて、まるで知古の友人のように感じます。

    感情移入はしにくいけれど。

    続きが楽しみです。

  • 父の本棚から抜き取って読み始めたのは中学生の頃か高校生になってからのことか定かではありませんが、その頃読んだ本は立派なケース入りの分厚い単行本でした。つい最近逝去された北杜夫さんのマンボウシリーズも楽しく読みましたが、この「楡家の人びと」に代表される純文学といわれる数々の作品も愛読していました。本屋さんの店頭には”追悼北杜夫”の帯がついた文庫本が並んだので早速買い求め懐かしく読みました。
    この小説は、大正末期から昭和にかけて東京の青山にあった楡病院(精神病院)を舞台にした物語です。院長の楡基一郎が一代にして築き上げたその病院には楡家の家族はもとより、従業員から患者さんまで大勢が混然一体となって過ごしています。その活気ある病院が関東大震災を経て、暗い時代に同調するように傾いてゆく様子がこの第一部ではかかれています。何といっても院長の楡基一郎のキャラクターが秀逸で、その子供たち特に三人の娘たちが三者三様の人生を歩む姿が印象的でした。

  • 企画コーナー「追悼- Steve Jobs・北杜夫」(2Fカウンター前)にて展示中です。どうぞご覧下さい。
    展示期間中の貸出利用は本学在学生および教職員に限られます。【展示期間:2011/11/1-12/22まで】

    湘南OPAC : http://sopac.lib.bunkyo.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=1604136

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著者プロフィール

北杜夫
一九二七(昭和二)年、東京生まれ。父は歌人・斎藤茂吉。五二年、東北大学医学部卒業。神経科専攻。医学博士。六〇年、『どくとるマンボウ航海記』が大ベストセラーとなりシリーズ化。同年『夜と霧の隅で』で第四三回芥川賞受賞。その他の著書に『幽霊』『楡家の人びと』『輝ける碧き空の下で』『さびしい王様』『青年茂吉』など多数。『北杜夫全集』全一五巻がある。二〇一一(平成二三)年没。

「2023年 『どくとるマンボウ航海記 増補新版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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