司馬遼太郎が考えたこと〈6〉エッセイ1972.4~1973.2 (新潮文庫)
- 新潮社 (2005年4月24日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (496ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101152486
作品紹介・あらすじ
'72年7月、田中角栄が総理に就任。国中が列島改造ブームに沸くが、これは地価高騰とインフレを促進する結果となった。このころ司馬遼太郎は『花神』を刊行。'73年、『国盗り物語』がNHK大河ドラマになり、「国民作家」の名が定着する。この巻は連載完結の感慨を綴る「『坂の上の雲』を書き終えて」の他、戦争時代の体験から日本の奇妙さに思いを馳せる「戦車の壁の中で」など39篇を収録。
感想・レビュー・書評
-
1972年4月~1973年2月の司馬さんの考えたことが掲載されています。最初が、起訴状を読んでということで、機密漏洩事件の西山記者のことでした。
起訴状を書いた検察のお品のなさを指摘、司馬さんらしい書き方でした。
後は、時々出てくる、日本の戦車のこと。そして、日露戦争のこと。
今回感銘を受けたのは、「馬齢と犬齢と猿」という民話の話でした。ハンガリー人トロクの数奇な運命の話。
最後、「司馬遼太郎と朝鮮」ということで、上田正昭氏の司馬さんの朝鮮に対する深い思いの分析が面白かったです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
17/11/10読了
-
玉石混交という感じの作品集。司馬翁の雑多な文章を時系列で並べただけという本だから致し方ない。
ただ、「人間が神になる話」「権力の神聖装飾」「ゴッホの天才性」「見廻組のこと」「馬齢と犬齢と猿」あたりは非常に興味深い話だった。
あと、いくつかの作品の中に司馬翁の戦争観がにじんでいて参考になる。 -
他の巻にも、ちょいちょい出てくる、旧日本軍の戦車の話は、本当に面白い。
-
09.2.15
-
物事に対する視点、切り口は流石の一語に尽きる。
-
買った本。
同時期に書いた司馬さんの文章を寄せ集めたもの。一つ一つは良い文章だが、本としてまとまりが無いように感じる。坂の上の雲を書き終えた時点のようで、それに付随して戦争の話が多い。