- Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101157337
感想・レビュー・書評
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止まりません。三冊目
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シリーズ第3巻。全7話を収録。
秋山大次郎の元に、かつて寄寓した道場主から救難の手紙が届く「東海道•見附宿」
隠宅再建中に仮寓している料亭•不二楼の亭主を強請りから救う「赤い富士」
根岸の和泉屋の寮に帰宅した佐々木三冬が何者かに襲われ、秋山大次郎が急場を救う「陽炎の男」
小兵衛は、料亭•元長の近くで旗本•村松伊織を助ける。そして、香具師•辰蔵の娘との間を取りもつ「嘘の皮」
囲碁仲間の小川宗哲の同業者•村岡道歩の娘が誘拐される。小兵衛のかつての弟子•内田久太郎との出会いが描かれる「兎と熊」
大次郎の大坂修行時代の友人•浅岡鉄之助が、逆恨みから命を狙われる。その事に気付いた大次郎の活躍を描く「婚礼の夜」
枡酒屋の金時婆さんは怪力の持ち主。婆さんに怨みを抱いた譜代家臣らを小兵衛が懲らしめる「深川十万坪」
次第に登場人物同士の関係性がこなれてきて、各話が相互に関連し合っている。著者お得意の"美味しいもの"の記述も増えてきて嬉しい。
…しかし、タイトルだけでは話の内容と全く結び付かない作品も増えてきた。(ブクログにあらすじや感想を記載していてよかった!) -
▼収録されているのは以下。
東海道・見付宿
赤い富士
陽炎の男
嘘の皮
兎と熊
婚礼の夜
深川十万坪
▼全般、長期シリーズに向けて「味」がましてきた印象。「東海道・見付宿」では大治郎がひとりで難事件を解決。「陽炎の男」では三冬主役回の趣向で、三冬と大治郎の恋愛先行きを匂わせる。「赤い富士」や「嘘の皮」では小兵衛の余裕ある大岡裁きが楽しい。
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「池波正太郎」の連作短篇時代小説『剣客商売(三) 陽炎の男』を読みました。
『新装版・梅安針供養 仕掛人・藤枝梅安(四)』、『剣客商売(一) 剣客商売』、『剣客商売(二) 辻斬り』に続き、「池波正太郎」作品です。
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老剣客「秋山小兵衛」とその息子「大治郎」が悪に挑む!
累計2400万部突破の大人気シリーズ。
若衆髷をときほぐし、裸身を湯槽に沈めた「佐々木三冬」に、突然襲いかかる無頼の浪人たち。
しかし、全裸の若い女は悲鳴もあげず、迎え撃つかたちで飛びかかっていった。
隠された三百両をめぐる事件のさなか、男装の武芸者「三冬」に芽ばえた「秋山大治郎」へのほのかな思いを描く表題作。
香具師の元締のひとり娘と旗本の跡取りとの仲を「小兵衛」がとりもつ『嘘の皮』など全7編。
シリーズ第3作。
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面白くて、どんどん次が読みたくなる『剣客商売(けんかくしょうばい)』シリーズの第3作… 1973年(昭和48年)に刊行された作品です、、、
「大治郎」の成長が感じられ、父「小兵衛」に近付いてきた感じがしましたね… そして、それに合わせるかのように「三冬」の恋の対象も変化が見られました、今後の行方が愉しみです。
■東海道・見付宿
■赤い富士
■陽炎の男
■嘘の皮
■兎と熊
■婚礼の夜
■深川十万坪
■解説 常盤新平
「大治郎」が剣術修行のために諸国をまわっていた際、遠州・浜松で世話になった「浅田忠藏」から本人の筆跡ではない手紙が届く… その手紙の内容から「浅田忠藏」が命の危機にあることを知った「大治郎」は大急ぎで東海道・見付宿に下り、「浅田忠藏」が土蔵に閉じ込められていることを知り、救い出すために行動する『東海道・見付宿』、
不二楼の亭主「与兵衛」が、女遊びが原因で脅されていることを知った「小兵衛」が事件を解決… 「小兵衛」は、欲しくて欲しくて仕方のなかった「与兵衛」の持っている赤い富士の掛け軸を手に入れることに成功する『赤い富士』、
「三冬」が根岸の寮で入浴中に襲われるが反撃して追い返す… 「三冬」を襲った目的は?この根岸の寮のもともとの持ち主である「井村松軒」という医者が隠していた三百両に関わる事件を解決する『陽炎の男』、
香具師の元締「鎌屋辰蔵」の娘「お照」に手を出してしまい、子分たちにいたぶられていた「松村伊織」を「小兵衛」が助けるが、相手が相手だけに事件はそう簡単には収まらなかった… 「小兵衛」が知恵をしぼって円満解決に導く『嘘の皮』、
町医者「小川宗哲」の愛弟子「村岡道歩」の娘「房野」が攫われ、娘を返す条件として毒薬を調合しろと迫られる… 「小川宗哲」から相談を受けた「小兵衛」がお家騒動に絡む事件を解決する『兎と熊』、
「大治郎」は、自分を訪ねてきた「浅岡鉄之助」が何者かに狙われていることを知り「小兵衛」に相談するが、「今回のことは「大治郎」の友人のことであるから」と、「小兵衛」は解決を「大治郎」に委ねる… 「大治郎」はどのように解決をするのか?「大治郎」の成長が感じられる『婚礼の夜』、
近所では評判の怪力婆さん「おせき」が侍を軽くあしらっている様を、偶然通りかかった「小兵衛」は目にする… その後、屈辱を受けた侍たちが「おせき」の営む升酒屋を襲うが、別人に成りすまして宿泊していた「小兵衛」が撃退、人の手本となるべき武家の侍たちの所業であることを知った「小兵衛」の怒りが炸裂する『深川十万坪』、
本作品も、どの物語も外れがなくて面白かったですねー 読めば読むほど、『剣客商売』ワールドに深く深く沈んでいってます、、、
イチバン印象的だったのは、「小兵衛」の怒りが炸裂してカタルシスを大きく感じる『深川十万坪』ですね。
次も本シリーズを読もうと思いますが、第4作は書棚に揃ってないんですよね… 次は、ちょっと飛んで第7作になりそうです。 -
地味ながらも味わい深い話ばかりという印象の三巻。剣術は強いが人生経験はまだまだといった風情だった大治郎が、「東海道・見付宿」「婚礼の夜」でだんだん父のような段取りの良さと遊び心を身につけていくのが楽しい。そして、そんな息子にまだまだだと言わんばかりの父・小兵衛の粋な活躍ぶり。特に「嘘の皮」で見せた計らいが良い。登場する市井の人々も、筋を通す人物、どこか憎めない人物など味のある登場人物ばかりなのが魅力。
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全国七編、それぞれが味わい深く、面白い。
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再読、どころか何度も読んでいるけれど、秋山親子は良いですね~。人は老成するとあんなに悟れるのでしょうか?
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2回目