積木の箱(下) (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101162119

感想・レビュー・書評

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  • 『こんな終わり方でいいの?』というのが読了時の感想。

    一郎が起こす数々の事件の罪をかばい、見逃す担任の杉浦悠二。
    一郎の将来を思ってのことだが、正しい対応だったとは思えない。悠二はもっと一郎と話し合いうべきであった。
    どんな理由であれ、一郎がしでかしたことは間違っている。それが中学3年生という多感な時期であったとしても、許されることではない。
    それを教えてあげられる大人がいなかったことが残念である。

    終始、みどりだけがまともな感覚だった。
    両親に嘘をついて訴える場面、人を思いやることができる彼女の優しさに涙が溢れた。

  • かつて、教育実習の指導教官に「すべての生徒に慕われるのは不可能だ。多くの生徒に慕われるよう努力せよ。」と言われた。本編も教師と生徒のすれ違いが、随所で発生する。思春期の体験が大きいがゆえに教師の態様が影響力大であり重要。2016.5.20

  • P378

  • 上巻に記載

  • 一気に読んだ。一郎の陰惨に傷付けられた心をほぐした和夫の素直な心。誰が悪いと指摘出来るのにしない悠二や久代。静かに待つ。

  • 下巻は一晩で2時間ほどで読み終わった。登場人物が多いのに、覚えておくのに苦労させない三浦綾子さんの書き方というのは本当に不思議。そして、大体いつもエロさも取り入れられているけれど、描写としては少なくて読んだ人に任せるといったようなかんじ。でもそこがまた書き方がうまくて想像が容易にできるという。
    家族関係が複雑で、こんな家庭は存在しうるのだろうかとも思うが・・・それもまた物語なのだから。
    個人的には「氷点」のほうがお勧めしたい。

  • 名作

  • たとえ罪を犯していても、
    だれもがひとしく罪悪感を感じるとは限らない、
    悪人は誰の目にも悪人に見えるとは限らない
    辛い事実も、受け止め方次第であり自分の人生は自分で決めるもの
    思いやりと思って行う行為が、必ずしも相手に響くとは限らない

    いろいろな現実の残酷さが盛り込まれていて…

    対極に、素直でやさしい人の「善」の象徴のような
    和夫少年の存在が物語を和ませる

    哀しい登場人物が救われることを求めて
    どんどん読み進んだが、最後まで救われない、、、
    「暗い」物語だった

    重々しい現実社会を考えれば
    「物語はハッピーエンドがよい」なんて言えないのかもしれない。
    どうにもならない現実をファンタジーでつくりかえるのは違うのかもしれない。

    が。
    少しの救いでいいから欲しくなった。

    山崎豊子の本を読んだ後に似ている・・・
    重厚と言えばよい言葉。
    娯楽にはちと重いです。

  • 旭川などを舞台とした作品です。

  • なんかすごく…気持ち悪かった…。

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著者プロフィール

1922年4月、北海道旭川市生まれ。1959年、三浦光世と結婚。1964年、朝日新聞の1000万円懸賞小説に『氷点』で入選し作家活動に入る。その後も『塩狩峠』『道ありき』『泥流地帯』『母』『銃口』など数多くの小説、エッセイ等を発表した。1998年、旭川市に三浦綾子記念文学館が開館。1999年10月、逝去。

「2023年 『横書き・総ルビ 氷点(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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