コンスタンティノープルの陥落 (新潮文庫 し-12-3 新潮文庫)
- 新潮社 (1991年4月29日発売)
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感想 : 219件
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Amazon.co.jp ・本 (304ページ) / ISBN・EAN: 9784101181035
みんなの感想まとめ
歴史の転換点となるコンスタンティノープルの陥落を、詳細かつ生き生きと描写した作品です。多様な登場人物の視点から、冷徹なマホメット2世の作戦や、ビザンチン帝国の奮闘が描かれ、戦争の新たな様相が浮き彫りに...
感想・レビュー・書評
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何度も重複して買い増していた「コンスタンティーノープルの陥落」を、やっと読んだ。
複数の登場人物の立ち位置で陥落までを追っていく。
マホメット2世の冷徹なまでの作戦実行でコンスタンティーノープルは落ちるのだが、ジェノバとヴェネチアとの確執や、正教とカトリックの合同騒ぎでまとまらない中、ビザンチンはよく戦った。
トルコが大型大砲を使用したことが、今まで鎧を身に纏い、馬に跨り剣を振り翳していた騎士の無力さを浮き彫りにした。また、マホメットの領土拡大の行動が、ジェノバの東の拠点を壊滅させ、それがきっかけとして、ジェノバの船乗りが西に目を向け、大航海時代が始まる。この戦いが、中世と近世を分つキーになっていることが、よくわかる。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
タイトルの通り、コンスタンティノープル(現イスタンブール)の陥落をとてもわかりやすく詳細に書かれている良書の作品。
1000年以上続いた東ローマ帝国の滅亡で地中海は西洋からトルコが支配もあるが大砲を大胆に使用する事で戦争のやり方、城壁の作り方などあらゆる物が大きく動いた時代の転換期であった。
陥落したのは15世紀だが14世紀にも周りの都市が次々と陥落して危機的状況があった。そのトルコ軍の勢いを消しとめた軍勢が東からのモンゴル軍だったという事で上には上があると感心した。
本書はコンスタンティノープル攻撃前の両者の駆け引きも書かれており、圧倒的軍事力の差の中での話し合いは無意味であるという教訓が今の私たちに訴えている様に感じた。
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2025年最後の読了は塩野七生先生になりました。
当時の人たちが日記などに書いたものを元にしているためか、登場人物たちの心情や行動の考え方が活き活きと書かれています。登場人物が多いので最初は少し混乱しましたが、区別つくようになってからは一気読みでした。
タイトルが「陥落」なので、コンスタンティノープルにいる人達は最後トルコ人に蹂躙されることは分かってるのでどうなってしまうのか、日記を残した人は生き残るとしても他は殺されてしまうのか…とハラハラしながら読みましたが流石のムスリムの方々そんなことはなかったですね。「十字軍物語」でも目にしてたことでしたが一番残忍なのはカトリックの人たちでしたね。。それより味方の兵隊もろとも大砲で吹っ飛ばすマホメット2世の冷徹さの方に寒気がしてどうしても好感が持てませんでした。ネトフリでマホメット2世を扱ったドキュメンタリーがあるみたいなので機会があったらこちらを見てみようかと思います。
「十字軍物語」といえば、1巻に出てきたビザンツ皇帝アレクシオス1世がなんとも嫌なやつでしたが、こちらの皇帝コンスタンティヌス11世は高潔で公平な人でした。途中で「民と共に死にたい」とか言ってないで皇帝が退去して降伏すれば全てが丸く収まるのでは?と不謹慎なことを思ってしまいましたが、最後まで読み終わってみると好感しか残らない方でした。皇帝とは一国の主人とはこういうものなのかと思えて、千年以上続いた東ローマ帝国(ここではビザンツとは呼ばず敢えて東ローマと呼びたい)の最後の皇帝が立派な方で、この人で良かったです。
塩野先生の海戦歴史絵巻は他にもあるようなので、そちらも読んでみたいと思います。 -
塩野七生の地中海三部作の一冊にトライしてみた。ヴェネツィアを扱った『海の都の物語』や『十字軍物語』を読んでいても、あらためて楽しめる。
軸は「二人の主人公」の対比なのだが、それを取り巻く人物の描写がまたよい。ジェノヴァの傭兵隊長、ヴェネツィアの商人、キリスト教世界の再統一を信じる宗教者ら。これらを冒頭に紹介していく構成の妙には感心した。
さて、主人公の話。オスマン・トルコのスルタン、マホメット(メフメット)2世は21歳。自分の代からトルコ伝統となる弟殺しを始め、野心と知略をもって父の帝国を引き継ぎ、コンスタンティノープル攻略に向けて準備を整えていく。対するビザンツ皇帝コンスタンティノス11世は49歳。千年の歴史を背負い、援軍を求めて西欧に使者を送り続けるが、応答はほとんどない。キリスト教世界の正教とカトリックの確執がそれを阻み、地中海の経済覇権をにらんだ政治的な思惑も絡む。昇龍のように上昇する者と、孤立の中で踏みとどまる者。この非対称な構図とその落差のドラマを彼女らしい筆致で描く。今もこんな世界ありそう。
包囲戦の経過も読ませる。ハンガリー人技師が開発した巨砲による城壁の突破、艦隊の山越えによる金角湾の制圧など、マホメットが生み出したトルコの戦術は中世の常識の外にあった。歴史の転換点とはそういうものか、という思いを新たにする。最後は剣を手に城壁へと消えたコンスタンティノスの最期も余韻が残り印象的だ。
コンスタンティノープル陥落は単なる帝国の終わりではなかった。東方の拠点を失ったジェノヴァの船乗りが大西洋へ目を向け、大航海時代の遠因となり世界史はまた別軸で動き出す。さらにいえば、あの時代オスマン帝国の版図に入ったヨーロッパはいまだに政治的に不安定だ。第一次大戦の引き金になり、ユーゴスラビア解体後には宗教、民族間の紛争も起きた。いまにもつながるストーリーだと思っても読むとなお深みが出てくる。 -
1000年超続いたビザンチン帝国(東ローマ帝国)の最期の戦いが、その前の駆け引きや、その後の登場人物まで含めて描かれています。今の国々の歴史思い浮かべると1000年てかなり長いとあらためて思います。生き残った方々の記録、日記等を元に書かれているので、感情移入もしやすく、また、た戦争でつきものの、たられば、も随所で浮かんできます。ヴェネチア、セルビア、アルバニア、ギリシャ・・。少し違っていれば、どんな現状になっていたのか、、、。はたまた変わらないのか。良著です。
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ビザンチン帝国の首都、コンスタンティノープルがトルコ帝国によって滅ぼされた当時の記録をもとに書かれた ノンフィクション本。
たくさん人が出てきて、それが ビザンティン帝国の人か トルコ帝国の人かビザンティン帝国を助けたベネチア人か中立を保ったジェノバ人かを理解するのが難しい。途中からメモをしながら読んだ。
これからイスタンブール(この本で言うと コンスタンティノープル)に行くので歴史を知りたいと思い、読み始めた。
ラストの陥落時に聖ソフィア大聖堂(今のアヤソフィア)で祈りを捧げる人がいたり、トルコ支配後に聖ソフィア大聖堂がモスクに改修されたりということが書かれていて、570年以上も前に歴史の大舞台となった場所に これから行けると思うとワクワクして、読んで良かったなと思いました。 -
トルコに行く予定があるので、読んでみました。歴史を物語として読むことができてすごく楽しめました。戦いはどのように進んでいくのだろうとワクワクドキドキ。
イスタンブールの地名も登場するので楽しい!
行く前にもう一度読みたい!
マホメッド2世と同い年!! -
東ローマ帝国の滅亡が西欧においていかなる意味をもたらしたか、が理解できる。同時に、戦争における白兵戦の重要性が薄れ、かわりに「大砲」という兵器がその後急速に普及するきっかけをもたらしたのがこのコンスタンティノープルにおける戦いであった
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15世紀後半の東ローマ帝国とオスマントルコ帝国の攻防を描いた本。日本人にはあまり馴染みのない時代、場所なのですが、読み出すとぐいぐい引き込まれてしまいます。東ローマ帝国皇帝、オスマントルコ皇帝、ヴェネチア、フィレンツェ、ローマの商人や医師、軍人や枢機卿、市井の人々などさまざまな国、立場、階層の人々が登場し、それぞれのストーリーが最後のクライマックスで終結。手に汗にぎる、ドキドキ感が味わえる一大歴史絵巻です。コンスタンティノープル(イスタンブール)や地中海地方の旅のおともにぜひ。
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2011/07/01
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Netflixでオスマン帝国を観て興味を持ち、文字でも読みたくてこちらを。世界史に疎い自分もこれは小説のようで楽々読み進められた。(国名や人名などの表記が若干異なるので少々戸惑ったがすぐ慣れた)
軍医、商人、側近、小姓、留学生、それぞれの視点からコンスタンティノープルが落ちていく様子を詳細に記録している。
歴史的な転換点となった出来事の中身もかなりドラマティック。単純に、オスマン帝国のマホメッド2世がビザンチン帝国の都・コンスタンティノープルを手にする物語と一言では言えないような、登場人物全員に敬意を払いたくなるような、そんな感じ。
本当に登場人物全員に感情移入してしまう。なかでもビザンチン帝国のコンスタンティヌス11世。建国から1,100年の歴史、歴代の偉人たちの想いを背負って(重すぎるよ!!!)、運命を受け入れる覚悟を決める場面が泣けてくる。人格者な彼についていく側近がいるのも分かる。カリスマ性があるし。散り方が潔く美しい。武士みたい。
それぞれの立場で役割を全うした全員に拍手。こうやって歴史は語り継がれるのね〜と分かった本。 -
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人みなコンスタンティノープルへ
絶望的な状況の中でイタリア人達はコンスタンティノープルへ少数ながらも入る。
それは海洋国家というか島国の域を出ない日本人にはイマイチ分かりにくい感覚でしょう -
どきどきする。
こんなに登場人物に接近して緊迫感を書ききる作家の創造力(想像力と表現力という意味で)に感歎します。 -
自らはきっと手に取らない種類の歴史小説。時代的にも、地理的にも興味の対象にならないところなのだけれど、訳あって、読んでみることに。毎度のことながら、最初、登場人物に親しむまでに時間がかかり、付箋まで投入して読み進め始めたものの、物語が動き始めると、面白くて、自然に人物たちが形作られ、立場もわかって面白かったです。トルコ軍が巨大帝国になる礎となった戦いなのですよね。史実にあることの小説化にあたり、塩野さんはそうとう資料を当たられたとお見受けします。戦いの様子、状況の変化が刻々とわかり、後半は一気に読んでしまいました。
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さすがの塩野さんである。
日々を暮らす、様々な職、年齢、立場の人々が紡ぎ出して来た歴史を、こうした臨場感を持って世界史授業でも伝えたいのだよなぁ。 -
(イタリアルネサンスの原本)
塩野七生氏の著作は「国家の経営」がテーマ
イタリア・ローマの歴史を描きながら、その目は「日本の国家経営=政治」がより良くなるようにとの未来へ向けられている
コロナ禍にあって日本の国家経営が厳しく問われている
単なる批判ではなく、より良くする英知を集めよ
歴史は人物の評価を一変させる力を持っている
コンスタンティノープルの陥落は
マホメット二世を英雄に変えた
最後の皇帝は高貴
人は己以外の者のために、死を受け入れる覚悟が必要
ベネチアのガバナンス
国政を担う「貴族」 政治の権利と国難に向かう義務 -
コンスタンティノープル陥落というと、マホメッド2世の勝利物語というイメージでしたが、これを読んでから、コンスタンティヌス11世と当時のヴェネツィア共和国により興味を持ちました。陥落後の主人公たちの人生に、ある程度のページが割かれていて、より悲哀が増し、作品を美しく魅せています。
イスタンブール行きたくなりました。
金角湾に鎖をかけるシーン…もっと詳しく書いて欲しかった。よくトルコ軍入って来なかったよなぁ。(笑) -
イスラム教の国トルコによって、1100年以上続いたビザンチン帝国の首都コンスタンティノープルは陥落します。
滅びゆく優雅な文明を体現するかのように、名誉を尊びながらもおだやかな性質の、49歳の洗練された紳士、最後の皇帝コンスタンティヌス十一世。
国民を愛し、また皆に愛されています。
それに対してトルコのスルタン・マホメッド二世には思いやり、愛、情けといった感情はまったくありません。
私がどちらを応援するか、明らかでしょう。
結局マホメッドが勝つということがわかっていながら、一生懸命読んだのは、この塩野七生女史による地中海三部作を読みたかったから。
早く『レパントの海戦』に行きたいから。
無敵艦隊がその後イギリスに敗れるのを知っているけど、いいの、イスラムを倒してくれれば。
海外に何度も行った人たちと話すと、多くが「一番良かったのはトルコ」と言います。
親日だから。安かったから。食べ物がおいしかったから。
私はそれらに惹かれることはなかったけど、
この本を読んで、コンスタンティノープルに行ってみたいと思いました。景色を見たいです。 -
若きスルタン、マホメッド二世によるビザンツ帝国首都コンスタンティノープル征服のお話です。
コンスタンティノープルがイスタンブールとなってからも変わらないのが、西欧、東欧、アジアの通商交通の拠点であり、東ローマ世界における最重要都市であることです。
経済的要所に加えて、東方正教会の総本山でもあります。
この都市の征服を実直に進めるトルコを止める力は、既にギリシア世界にもカトリック世界にもなかったのです。
斯くして、コンスタンティノープルはコンスタンティノス11世と共に滅びることになります。
その時代に翻弄される人々が生き生きと描かれた一冊。 -
それぞれの立場の要人たちの視点から描いたコンスタンティノープルの陥落。一つの大戦をここまでコンパクトに、かつ俯瞰的に描き切るのは見事。こんなふうに歴史を捉えられたら楽しいだろうな。
ヴェネツィア海の都の物語を読んでいたので繋がる部分もあり面白かった。 -
トルコ、東ビザンツ帝国、ギリシア、ジェノバ、ヴェネツィア、色々な立場の人たちを証言者として物語が進行していく。
現代にも続くキリスト教国どうしの連帯感というのは、これを読んで多少頭では理解できた。日本人にはない感覚だろうな。
それにしても東ビザンツ帝国の皇帝は人間味があり素敵だった。気品、気さくさ、温かさ、反目する国からも、この皇帝だけは敬意を持って迎えられていたようだ。
領土拡張のための戦争が当たり前の時代。兵士はただの駒。死んで悲しいとかはなく、ただ兵力が減ったと思われるだけ。何千年も続いてる、これは人間の本能なんだろうな。
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塩野七生の作品
