フラグメント (新潮文庫 こ 36-1)

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  • Amazon.co.jp ・本 (395ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101182315

感想・レビュー・書評

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  • 親友の自殺に関与していると思われる不良グループや担任教師とともに大地震に巻き込まれ,ビルの地下に幽閉され,密室化した暗闇で事件の起こる話。
    序盤の時間軸の分かり難さと,人物関係の分かり難さが読みにくく感じたが,終盤はしっかりとミステリだった。

  • う~ん・・・・このパニックな状況下で、こんな冷静(?)に
    殺人が行われるものなのかなぁ・・・・・。
    やたら大人びた高校生たちの描写も何だかリアリティに欠ける気がするし。
    重苦しさや後味の悪さだけが売りの暗澹たるミステリか・・・・

  • 震災当日地下駐車場に閉じ込められた高校教師と生徒6人。
    当事者の内の1人が新聞記者にようやく重い口を開く。
    あの時何があったのか・・・。
    最初に平成12年に刊行され、
    震災は架空の「東海大震災」となってます。

    親友の自殺の原因を明らかにしたい少年と加害者とされる少年。
    救助がいつになるか分からないという意識の中、
    たまたまドリンクホルダーに挿してあったペットボトルの水や、
    車のヘッドライトやライターの火など、
    限られた資源を前にしてお互いを窺う緊迫感。
    そんな中で生徒の1人城戸が死体となって見つかります。
    余震による事故なのか、見えない犯人による殺人か。
    親の力を笠に着てやりたい放題だった城戸。
    居合わせた全員が疑わしい。
    しかし暗闇の中、足跡が響く地下空間で一体誰がどうやって?
    何処へ導かれるのかまったく分からないまま、
    どんどん引き込まれて読みました。
    そして最後に新聞記者が導き出したどんでん返しの結論。
    やりきれないやら、怖いやら。
    いろいろ考えさせられるテーマも入っていて、
    心に重く残る話でした。

  • 「少年たちの密室」を加筆.修正・改題

  • 古処作品は登場人物を頭に入れるまでにしばらくかかるが、走り出したら一気に読んでしまう。これもそんな一冊。
    個人的に戦モノでない古処さんは初めて読んだが、問題提起とそこへの切り込み方はさすが。2005年の作品だが、震災、日本の“教育”と、2012年を予知していたのでは?と思えて仕方ない。
    面白かったが、つい先日読んだ「ニンジアンエ」を☆3つにしたのでこれは2つ。

  • 特殊なシチュエーションのクローズドサークルもの。
    途中で情景や会話にぴんとこないところもあったが、閉じ込められた担任と生徒達の関係が絶妙で、話が進むにつれ過去の事件の真相も紐解かれていく様がおもしろい。
    そして事件後に見えてくる問題になんともすっきりしない読後感だった。
    ちなみにタイトルは改題前のほうがよかったかも。

  • 色々と居た堪れなくなるような内容だった。
    普通にミステリーとしても面白いが社会の中にある理不尽さに真っ向から挑んでいる作品でもある気がする。
    とても「Rock」な印象を受けました。

  • よくできたミステリだが、非常に重い作品でもある。どんでんを返すたびにひとつまたひとつと人間の醜さが明らかになっていく。途中で「もう、やめてくれ!」と叫びたくなるくらい。

  • 極限状態で高校生と教師はどうするのか。
    地震が場所作りにしか活かされていない気がする。
    実際閉じ込められたらもっとパニックになってもおかしくない。
    あと状況描写がいまいちわかりにくかった。
    塩沢のキャラ付けと真相は巧み。

  • 真相の裏の真相、「どんでん返し」なんて言葉じゃ
    とても足りないラストはさすが。苦いラスト。

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著者プロフィール

1970年福岡県生まれ。2000年4月『UNKNOWN』でメフィスト賞でデビュー。2010年、第3回「(池田晶子記念)わたくし、つまりNobody賞」受賞。17年『いくさの底』で第71回「毎日出版文化賞」、翌年同作で第71回「日本推理作家協会賞(長編部門)」を受賞。著書に『ルール』『七月七日』『中尉』『生き残り』などがある。

「2020年 『いくさの底』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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