フォルトゥナの瞳 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
3.63
  • (221)
  • (539)
  • (462)
  • (96)
  • (19)
本棚登録 : 5688
感想 : 391
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (496ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101201917

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 幼い頃、両親と妹を火事で失った青年。社会の厳しさを知りながらも、自動車塗装工として、堅実に働いていた。彼は、突然、その身体が透けて見える事で“他人の死”を知るーフォルトゥナの瞳ー能力を持つ事となる。
    他人の死に向かう運命を知る事に動揺し、悩み、その意味を考え続ける。
    病死も事故死もわかるので、事故の場合、その未来に関与できることになる。そして、関わった場合、自分自身の身体にダメージを受けるという設定になっている。
    自分の未来を優先するか、助けたい人が現れた場合は自己犠牲とするか。幾つかの、死ぬ運命を描いて、自分ならどうするだろうと考えさせられる。
    ラストのシーンは、塩狩峠を思い出しながら、フォルトゥナの瞳が無かったとしても、生死をかけて、救いたいと行動する人が多いのではないかなと思う。

    • Manideさん
      おびのりさん、おはようございます。

      特殊能力は、子どもの頃からの憧れですが、
      この能力は嫌ですね。

      人が透明に見えること自体が恐ろしいで...
      おびのりさん、おはようございます。

      特殊能力は、子どもの頃からの憧れですが、
      この能力は嫌ですね。

      人が透明に見えること自体が恐ろしいです。
      しかも、人の死がわかるなんて、もう、驚愕ですよね。

      ( ・∇・)…
      2023/03/10
    • おびのりさん
      Manideさん、こんばんは♪
      お疲れ様です。
      この本お読みでしたね。
      そうですよね、見えるだけで無く、操作できてしまうとか、ダメージあると...
      Manideさん、こんばんは♪
      お疲れ様です。
      この本お読みでしたね。
      そうですよね、見えるだけで無く、操作できてしまうとか、ダメージあるとか、嫌な能力でした。
      今日もたくさんいいねしていただきありがとうございます。
      良い週末をお過ごしください。
      2023/03/10
  • なんとなく結末が読めたので、読み終わりの爽快感は半減してしまった…

    金田さん、地味にええ人やん。

  • 死が間近に迫る人の身体が透けて見える力を持ってしまった慎一郎。
    死を避けることができるよう手を尽くすが、それが自らの命を削ることとなることを知る。

    驚愕のエピローグ。なんだか怖くなって涙も引いてしまった。

  • SF作品。オルフのカルミナブラーナを聞いたあとだったので、フォルトゥナという単語にひかれて手に取る。

    主人公はなぜ最後にその選択をしたのだろう。社会的なヒーローになれないのに、正義感だけでそこまで行動する動機はなんだったのだろうか。
    彼が子どもの頃に救えなかった家族への罪悪感なのかな。
    火事で家族を失い孤児として孤独な人生を送った主人公。大切な人の寿命を知る絶望より、寿命を知りたくない相手がいない方がより辛いと感じていたのに、幸せな未来より自分の中の倫理を貫く


    与えられなかった主人公は、自分は幸せになることなど許されないとどこかで思っていて、堕ちた元カノ?のことさえ自分のせいではないかと考えてしまう優しい人だと思う。
    できれば彼女との幸せな未来を選んでほしかったな。

  • おもしろかったけど、運命が見えるということを使って、もっと他の展開もできそうという気がした
    人の命を助ける以外の展開を

    葵の涙のところで、この人も目を持ってるとようやくわかった

    デスノートに似てるから新しさを感じなかったらのかも

    目を持った理由や娼婦のその後など気になった

  • 人の死が見える能力があっても、助けると自分の命が削られてしまう。。。
    そんな力あっても辛いだけ。
    辛い思いをして生きてきた木山を、なぜ更に痛めつけるのか。
    百田さんを呪った(笑)
    彼の選ぶ道は分かっていたけど、幸せになって欲しかった。

  • 三浦綾子の『塩狩峠』、或いは宮沢賢治の『グスコーブドリの伝記』のような物語なのだが、深みが無い。

    余りにも絵に描いたような不幸な生い立ちとサクセスストーリー、挫折と迷い、恋愛、自己犠牲が散りばめられ、どうにも好きにはいなれなかった。また、『永遠の0』『海賊とよばれた男』『影法師』のような面白さ、感動もなかった。

  • 先に映画館で映画を見て、しばらくしてから原作を読み始めました。「映画は良かったし、原作読むの楽しみだな、わくわく」。だがしかし!!まさかまさかの映画の方が面白い!!!人が透けて見えるという設定自体も実写にするとよりリアルで分かりやすくなり、何より映画の方が"はじまり"から"おわり"まで一本の線が真っ直ぐ引かれていて主題が明確。小説はちょっと最後急ぎ足になった感が否めませんでした。映画を見ていない方はぜひ一度鑑賞を!!ストーリーも少し違います。

  • やや盛り上がりに欠けるストーリーで、オチもなんとなく読めてしまう内容でした。ファンタジーの設定が少し苦しいのかなぁと感じた作品でした。

  • 興味深いタイトルと内容であった故にラストまでの展開の物足りなさを感じてしまいます。

  • 少し現実離れした
    死の近い人が分かる。という話。
    ただし、人を助ける度に
    自分の寿命はドンドン縮まるという・・。
    しかも、助けられた人から感謝されにくい
    まさに、奉仕の心が必要な話。

    ただ、主人公の真面目で素直すぎる性格や
    他の登場人物の罠の無い優しさに
    最近残虐なミステリーを多く読んでいたので
    正直ほっこりした。

    不思議な能力という設定の割に
    刺激は少ないが安心して読み進められるし、
    ラストまで綺麗にまとまっている。

    ただなぁ~
    私ならどうするかなぁ~
    人を救う度に自分が死に近づくわけで。
    家族は別としてやっぱり若者や子供は助けるかも。
    でも、助けた後にネチネチ言いそう。
    助けてやったんじゃ!
    と何度も恩着せがましく。

  • あらすじ(背表紙より)
    幼い頃に家族を火事で失い天涯孤独の身となった木山慎一郎は友人も恋人もなく、自動車塗装工として黙々と働くだけの日々を送っていた。だが突然「他人の死の運命」を視る力を手に入れ、生活は一変する。はじめて女性と愛し合うことを知った慎一郎の「死の迫る人を救いたい」という思いは、無情にも彼を窮地へと追いやり…。生死を賭けた衝撃のラストに心震える、愛と運命の物語。

  • オチは読めたけど、おもしろい設定やなと思った
    感動とも、悲しいとも言えん
    表しにくい気持ちになった

    純粋で真面目で自己肯定感が極端に低い慎一郎の
    身を削った、命懸けの選択
    全て理解しとる人がそばにおってくれた彼女でよかった

    個人的にはフォルトゥナの瞳を持った外科医が
    透明な体を手術するっていう光景を想像した時が
    1番ぞっとした

  • 気になる部分もあるし、結末の大筋は読めたけど、概ね○ 映画は未観。

  • 読み終わった時胸が締め付けられるような感じがして、とても切なかったです。

    自分の生か、他人の生か、命の期限が見えてしまう能力を持ってしまい、それに苦しむ青年。
    できることなら葵ちゃんと幸せになってほしかったな。葵ちゃんにもっと引き留めて欲しかったな。

  • これで百田尚樹の小説を全て読破した。
    この作品を最後にしたのはなんとなく「自分と合わないような気がした」からだ。

    結果、やはり合わなかった。

    主人公に感情移入できない。その能力があるならば、いつかまた最愛の人が透けたときに使うべきだと思った。電車事故を防いだところで主人公の介入できない地域では同じような事故や事件がどうせ起きる。

    だから徹底的に無視でいいんだ。
    みんなそうしてる。そうやって生きてる。

    だから僕には合わなかった。
    それでも2日足らずで読破してしまうのは、やっぱり百田尚樹の本が好きだからだ。

  • 残り三分の1くらいでオチがきっとこうくるだろうな。って思ったのが全くのそのとーりで、まぁ、そうだよなあ、このページ数で終わらすのなればそれしかオチないよなぁ。

    と、思ったものの最初からグッと引き込まれます。

    どうなるんだろう、、、

    っていう先が気になる展開。

    もう一歩深く踏み込んでくれたら感動したけど。出会って1ヶ月とかの彼女との関係でそこまでなるんかな。っていう、読者の気持ちと彼の気持ちの落差があり、

    表紙の、感涙必至はちょっと盛ったな、と思う。

    一滴も出なかったよ。ただ、実写化してるみたいで主役が神木隆之介くんらしいから、なんとなく泣けそう。笑笑

    なんかうまく構成されれば泣けそうです。

    一番わたしが残念だったのは。解説。

    わたしは解説読んで、読後感を一緒に味わってる気になるんだけど、このどっかの書店の主任が書いた解説が全く言ってることがよく分からなくて、せっかく一緒に味わおうと思ったのにとてもとても残念。

    書評家とかが書いた解説はたまにそういうのあるんだけどね。やたら説明多いとか、背景とかそういうウンチクばっかだったり、表現硬すぎてなんて言ってるのか分からなかったり。

    解説。とてもとても残念。わたしの本の楽しみ半減。でした。

  • 優しく正直な人ほど長生きしてもらいたいのに優しい者ほど馬鹿をみる。これは現実世界でも一緒。
    フォルトゥナの瞳を持っていたら確実に病むわ。しかし私は自分が一番可愛いがために多くの人を見殺しにするだろう。

  • 映画につられて読んでみました。(映画は観てないけど)
    またまた違うタイプの百田作品。

    「他人の死の運命」が見えるという主人公、木山。
    なんとも苦しい能力を持ってしまって、
    純粋な彼はさらに苦しむという。

    純粋すぎて綺麗すぎて逆に感情移入できなかった。
    なぜそうなる??という選択や展開についていけず、
    結果も読めてしまった感じがちょっと残念。

  • 積ん読してたら映画化した。笑
    神木くん好きなので先に映画を観ていろんながっかりを回避。

    単体ではどちらもうーんって感じだけど、両方観ると補完されあってどっちも良く思えた。
    指輪とか。
    金田とか。

著者プロフィール



「2022年 『橋下徹の研究』 で使われていた紹介文から引用しています。」

百田尚樹の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
湊 かなえ
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×