かんじき飛脚 (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (571ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101213439

感想・レビュー・書評

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  • 何事も人力に依っていた時代に、江戸と加賀の間をつなぐことが、どれほど困難だったか。貴重な情報と物の行き来を担う飛脚と、それを支える人々の、迸る情熱と誇りに圧倒された。
    特に、雪の中の息を呑む戦闘シーンは圧巻。

  • (古本を購入)
    読み始めた(4月20日)〜読み終わった(5月2日)

    まず『三度飛脚』は江戸と金沢を月に3回(1.5往復、約1,500km)走れるとは驚異的。
    先に『べんけい飛脚』を読んでしまい、順番としては逆になってしまったが、それはそれで帰納法か、演繹法の違いだけかと思う。

    評価はいつも難しい。
    文書を書く能力がそれほど無い読者(私)が直木賞作家の作品をとやかく言えないし、文書にも上手く書けない。
    山本一力氏の作品を連続して読んでいることから、かなり興味を持ち、性に合っているということは間違いない。
    これ以上は『あらすじ』を書くだけになるので、書くのは止めるが、解説を寄せているのは俳優の児玉清氏であるのは注目に値すると思う。

  • 長編でしたが、老中松平定信の陰謀から加賀藩の内室が病床にあることを知れるとまずい状況に陥り、それを打開するために加賀から病の特効薬である密丸を江戸に取り寄せるために、総勢16人の飛脚が大雪、荒波、刺客に立ち向かいながら奮闘して、密丸を江戸まで運び届ける様が良かったです!
    飛脚たちの粋な様や絆、飛脚を愛して支える女性陣が清々しく描かれてました。
    また龍虎という激痛の特効薬に悶絶する姿も面白かったです。

  • 山本一力の小説久々に読んだが、やっぱ上手いなぁと思う。古き良き昭和演歌的な人情風景を描かせたら天下一品。少々昭和が鼻につく(笑)部分があるにはあるが、それを臭みととるか味わいととるかで、評価分かれるかもなぁ。
    俺は、体調エエ時なら好みです。

    小説としても十分オモロいが、長距離ランナーのウンチクが詰まっているのも良い。江戸時代的カーボローディング、タンパク源をたやさないこと、極力身体を冷やさないこと、熟睡が疲労回復には欠かせないこと、少量飲酒の効果…、今走ってる人(俺なんかもそうだけど)にもなるほどと思わせることが結構出てくる。

    猪汁やブリアラの粕汁なんかも美味そうだが、明日からでもできそうな玉子を落とした根深汁で炊き立てご飯っての、エエなぁ~

  • 2015/07/22ブックオフオンラインにて購入
    2015/09/15読み始め
    2015/09/24読了

  • 始まりは微妙・・・でも読み進めていくうちにどんどん面白くなってきました。
    臨場感溢れる描写とか流石!

  • 加賀藩の「三度飛脚」が、藩の危機に密命を帯びて江戸と領国を往復する。で、それを阻止せんとする幕府隠密との対決。

    いやー、飛脚っていうヒトたちは凄かったんだなぁ。
    はじめて知りました。
    で、その任務の重要性と過酷さを人々は知っているものだから、すごく手厚く扱われていたのですね。
    厳冬の時期の交通の難所の描写も、昔の旅の命がけ具合がよくわかりました。

    猟師さんたち、ナイスガイ!

  • 本書は山岳小説ではないものの、マタギの知識などがふんだんに入っているので取り上げました。
    『かんじき飛脚』は、江戸時代の三度飛脚が主人公に物語が展開する。
    時代は、『銀しゃり』と同じ時期で、棄捐令が出されたときだ。加賀藩と土佐藩のつながりも面白いし、風景が目に浮かんでくる描写が凄い。
    飛脚を助ける猟師たちの知恵もとても参考になります。

  • 解説の児玉清が書いている通り。江戸時代のディテールが目の前に浮かび上がると同時にサスペンスと人情話が突き混ぜられて、読みやすいエンターテインメントに仕上がっている。

著者プロフィール

1948年高知市生まれ。都立世田谷工業高校卒。旅行代理店、広告制作会社、コピーライター、航空関連の商社勤務等を経て、97年「蒼龍」でオール讀物新人賞を受賞。2002年『あかね空』で直木賞を受賞。江戸の下町人情を得意とし、時代小説界を牽引する人気作家の一人。著書多数。

「2023年 『草笛の音次郎』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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