コールドゲーム (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 3911
感想 : 464
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  • Amazon.co.jp ・本 (480ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101230313

感想・レビュー・書評

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  • 過去のいじめが題材
    復讐する側ではなく、される側の話。
    見てみぬふりも重罪だと確かに思わされた作品

  • 高校3年生の男子が主人公。
    夏休み中、中2のときのクラスメイトが次々と襲われる事件が起きてきることを知る。状況から推理すると、当時クラスでいじめられていたある同級生が犯人として浮上する。
    これ以上被害者を出さないために、主人公は元クラスメイトたちと見回りをしたり張り込みをしたりなどするが、次元は止まらない。

    いじめが悪いとか良いとか、復讐が悪いとか良いとかは言わず、いじめの加害者たちの言い訳めいたものを聞かされている気分になる。
    被害者は忘れたくても忘れられないのに、加害者はん簡単に忘れる。そして、当時のことも忘れていたことに対しても反省はしていない。
    ただそれだけのことが書きたかったのだろうか?

  • 最後の数十ページで急展開。結末はもう少し深く書いてもよかったような。
    ガラケーや今は使わない省略した言葉もいい意味で時代を感じます。

  • 最初はボチボチだったけど、最後のほうは畳みかけるようなスピーディな展開。途中でやめられなくて読み切った。なんだか怖かった。

  • いじめっ子側が視点で進むから、復讐する側が敵のような感覚に陥るし、いじめっ子側を応援したくなる。逆視点でも読んでみたい。
    復讐をされる側としては何もしなかった人が1番ストレスが溜まりそう。「何もしなかったのに」と「何しなかったから」がぐるぐるまわる。
    復讐をする側としては、まあ、ざまぁみろな結末。もっと痛めつけて心をえぐってもよかったのに。

  • 高三の夏、中二の時のいじめの標的だった廣吉によると思われる復讐が始まる。北中防衛隊として連み始める当時の主犯格の一人や何もしなかった光也たちのノリが死まで絡む陰惨な事件に対して軽く、過去も今も重く捉えていないことが苦しい。大人も子供も自分を正そうとせず蹂躙して、誰に感情移入して良いかわからなかった。

  • いや、今までと全く違いました。
    いつものユーモアを期待していたのですけどね、それは全く影をひそめ、陰湿ないじめとそれに対する復讐という、ひたすら暗い内容ですね。
    いじめの加害者側が主人公というのは、ちょっと変わった視点のようにも思います。しかしいじめそのものが主題では無いので、深く突っ込まれることは無い。
    次々に同級生を襲う恐怖。正体のわからない犯人。やはりサスペンスに分類される内容でしょうね。その分、(サスペンスに興味に無い)私の評価は下がってしまいます。確かに、背景、人物設定など良く出来ているとは思いますが。
    エンディングは荻原さんらしくスッキリしていて、そこに救いがあります。

  • 面白かったけど最後がなあ。ちょっとなあ。
    3分の2過ぎたあたりから子供向け小説みたいな気がして来たよ。ミステリーと見せかけて思春期少年少女向けの成長物語って感じ。これが主人公が大人だったらもう少し現実味を帯びてたんだろうけどなあ、、、作者も半ばやけくそだったんだろう。
    いじめとか受けた方は一生忘れないよね。一生かけて復讐しようとおもうよね(私はしたつもりです、軽いものだったけど、彼女たちの好きな男を奪ったり元カレとセックスしたり好きな男と親友になったりね)
    いじめってめちゃめちゃでかい罪だと思う。でも本当に本の父親が言ってたように、大人になったらそんなこと全部大したことなくなる、周りにどう思われたって一人でいくらでも楽しく好きに生きていけるようになる。なのにそれも分からずに命を絶ってしまうのは、許されないことだし、それにいじめられた方も悪いっていうのは本当だと思う、自殺は結局自殺で社会のせいでも他人のせいでもなくて結局自分のせいなんだよ、、、、いじめだけじゃなくて全てにおいて、自分で考えられる年になったら他人のせいにするのはやめよう、と改めて考えた。
    加えて、子供に対する親の愛ってものは揺るがないんだなあとおもった。
    日本人作家ってとこにいつも読まないから気をとらわれて批判的な読み方して、はあ?みたいなポイントちょくちょくあった。あと野球に絡める意味もわからないしコールドゲームってタイトルもなぜそうしたのか謎

  • 被害者の心の傷は生涯残る。加害者はそれを自覚してほしいな。自身の行動がどれほど残酷なものなのか。最後まで緊張感が続く、面白い一冊でした。
    あらすじ(背表紙より)
    高3の夏、復讐は突然はじまった。中2時代のクラスメートが、一人また一人と襲われていく…。犯行予告からトロ吉が浮び上がる。4年前クラス中のイジメの標的だったトロ吉こと廣吉。だが、転校したトロ吉の行方は誰も知らなかった。光也たち有志は、「北中防衛隊」をつくり、トロ吉を捜しはじめるのだが―。やるせない真実、驚愕の結末。高3の終らない夏休みを描く青春ミステリ。

  • イジメは当然悪なわけで、そのイジメも相当残酷なら報復も尚更である。トロ吉側を退治してハッピーエンドみたいな終わり方だったけど、それがやたらと複雑な感情をそそる。

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著者プロフィール

1956年、埼玉県生まれ。成城大学経済学部卒業後、広告制作会社勤務を経て、フリーのコピーライターに。97年『オロロ畑でつかまえて』で小説すばる新人賞を受賞しデビュー。2005年『明日の記憶』で山本周五郎賞。14年『二千七百の夏と冬』で山田風太郎賞。16年『海の見える理髪店』で直木賞。著作は多数。近著に『楽園の真下』『それでも空は青い』『海馬の尻尾』『ストロベリーライフ』『ギブ・ミー・ア・チャンス』『金魚姫』など。18年『人生がそんなにも美しいのなら』で漫画家デビュー。

「2022年 『ワンダーランド急行』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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