深夜特急5-トルコ・ギリシャ・地中海- (新潮文庫)

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  • 新潮社
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レビュー : 301
  • Amazon.co.jp ・本 (247ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101235097

作品紹介・あらすじ

アンカラでは一人のトルコ人女性を訪ね、東京から預かってきたものを渡すことができた。イスタンブールの街角では熊をけしかけられ、ギリシャの田舎町では路上ですれ違った男にパーティーに誘われて。ふと気がつくと、あまたの出会いと別れを繰り返した旅もいつのまにか〔壮年期〕にさしかかり、は、旅をいつ、どのように終えればよいのか、考えるようになっていた。

感想・レビュー・書評

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  • 沢木耕太郎さんの深夜特急の旅はテヘランからイランの国境を越え
    隣国・トルコへと入りイスタンブールへと向います。

    沢木さんはこの当時26歳位だったかしらと記憶していますが
    少々無謀で無鉄砲かとも思える沢木さんの旅道中での行動や
    出会っていくものの一つ一つは、かなり危険なところをすれすれで
    切り抜けていっているようにも見えて、私には到底なしえない事を
    やってのけている沢木さんにはとにかくいつもハラハラドキドキ
    そしてわくわくさせられてもいます。

    とはいえ....沢木さんには不安だとか、恐怖心だとか心細いとか
    そういうことを感じることは少しも何もないのだろうか...。
    これは怖いもの知らずだからこそできる、若さがゆえんの
    若気のいたりなのかもしれないけれど...などと思った矢先

    "自分はどのような状況でも生き抜いていけるだろうという自信と
    それとは裏腹の危険に対する鈍感さの二つを旅が与えてくれた気がする"

    という沢木さんの気持ちが目に飛び込んできて、なんか通じた...?という
    驚きととともに(笑) あぁ..やっぱりそうよね...人間だもの....と安堵して
    肩の力が抜けてほっとした気持ちになりました。

    窮地に立たされた時に振り絞った勇気が自信へと繋がっていく一方で
    それも度重なると自信はマヒして過剰(鈍感)になってしまう....。
    これはほんの紙一重のことなんでしょうね...。

    沢木さんの旅はほんとその紙一重そのもののようでした。

  • この「トルコ・ギリシャ・地中海」の旅では旅に対する思いの人生に対するそれとの重なり方が大きくなり始める。
    香港マカオで始まった土地へ、そして人への興味にあふれていた旅が、いつのまにか訪れた地、出会った人々への感激が薄れていく。
    そしてそれは土地が変わったのではなく自分自身が変わったのでもなく、この旅そのものが変わったのだと著者は感じる。
    旅にも幼年期、青年期、壮年期、老年期があるとすれば何を経験しても新鮮で些細なことにも心を震わせていた青年期は終わっていたのだと。そして今はこの旅をどのように終わらせるかを考えるようになっている。
    読者である自分も旅と人生を重ねるというありがちな思いがシックリとしてくる。

  • シリーズ5冊目。ロンドンへの旅はトルコからギリシャへ、アジアからヨーロッパへと進む。
    イスタンブールで出会ったハナモチ氏によると、茶の国からコーヒーの国へ、「茶」を「C」で発音する国から「T」で発音する国へ、ということになる。

    今回印象に残ったのは、スパルタやミストラの遺跡を「死んでいる」「潔い死」「空虚」などと表現し、だからこそ美しいとする見方。滅びたものは滅びるに任せてしまい、未練がましく残しておくことはないといった感性。
    今後観光などをする際には、大きな影響を受けていることだろう。

    そして著者は、現代にシルクロードを甦らせているのは、ただの「道」として歩き、旅をする若者かもしれないと言っている。
    著者も若者も、美しい風景や歴史遺産を見るために旅を続けているのではない。若者たちは自分自身を見るため、著者は……最終巻を読んでから感じたいと思う。

    旅が終わりに近づいてきたことから、著者の“旅とは何か”という考えがテーマとなってきている。旅が人生に似ているといったことや、生涯があるといったことなど、実際に旅をしないと感じられないことだ。
    著者はこの旅をどのように締めくくるのか。次巻が楽しみではあるが、終わってしまうのは少し寂しい……。

  • 旅がしたい。

  • とうとうトルコからギリシャに抜けヨーロッパに到着します。とは言ってもイギリスまではまだまだなのですが、著者自身はヨーロッパに入れば旅も終わりだと感じているようです。私自身、3月から仕事の内容が変わって、分からないことだらけ、慣れないことだらけで、通勤時間は伸びたけれど、本を読んでるとすぐに寝てしまうという状態が続きました。だから、生物の本とか読んでいても、ほとんど頭に内容が残っていない。それで、「深夜特急」です。さすが、集中して読めました。眠くならない。これはすごい。トルコでクマを連れたおじさんと出会うシーンとかすごかったなあ。トルコ・ギリシャの国境を通るシーンも。そして、地中海の上の船から、海にお酒を注ぎこむシーンも。すべてが頭に映像として浮かんでくる。本当に自分もその場に居合わせたような気がしてくる。でも、自分の身に何も危険は及ばない。安全地帯にいて、いろいろな体験ができる。読書の魅力。けれど、ときにはリアルな体験もしてみないとなあ。

  • 旅はいよいよヨーロッパ圏へ。

    やはりアジア圏のお話と比べると淡泊になっている印象。
    もちろん面白くないわけではない。
    著者のメンタル的な部分に触れるシーンが多くなってきている。
    高揚感は少なく、美しい街並みを淡々と伝えているが、
    町を案内してくれた少年、誕生会に招いてくれたおじさん、のくだりは美しかった。

    もうすぐ旅が終わると思うと寂しい。

  • 五巻は、エルズルム、トラブゾン、黒海、アンカラ、イスタンブール、テサロニキ、アテネ、ペロポネソス半島のミケーネ、スパルタ、オリンピア、アルゴス、パトラス、地中海の旅です。

    酔狂なだけの旅の、ただひとつ目的らしいものとして、アンカラでひとりのトルコ女性に会い、「使者として」の役割を果たすことがありました。そんな目的があったことを初めて知り、驚きました。

    アンカラでは、目的どおり、ゲンチャイという女性を訪ねます。“今朝、センセのことを思ってた(p85)”、勘の鋭い人で、魅力のある女性でした。

    ペロポネソス半島では、“スパルタは死んでいた(p182)”のですが、徹底して潔い死の美しさというものを、実際に行って見てみたくなりました。ミストラも、徹底的に破壊されている廃墟の町だが美しい町だと知り、行ってみたくなりました。

    それでも、“私はこのような美しい風景を見るために旅をしているのではない。(p186)”とあるのを読んで、では何故旅をするのだろうと不思議に思いました。

  • 前半のアジア辺りがとても面白かった。
    文章が読みやすいので他の作品も読んでみようと思う。

  • 1994年(底本1986)年刊行。全6巻中の第5巻。

     トルコからギリシャ、そしてアドリア海からの手紙である。面白いんだが、私が著者のインドの旅の熱に当てられたのか、3・4巻よりもずいぶん薄く感じてしまう。

  • 旅行者のバイブル。何度読んでも飽きない。

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著者プロフィール

沢木 耕太郎(さわき こうたろう)
1947年東京生まれのノンフィクション作家、小説家。横浜国立大学経済学部卒業。大学卒業後、ルポライターとして活動、注目を集める。
浅沼稲次郎暗殺事件で刺殺された浅沼と、その犯人である少年を描いた『テロルの決算』で第10回大宅壮一ノンフィクション賞を受賞。以後、バックパッカーのバイブル『深夜特急』をはじめ、スポーツや旅などを題材にした多数のノンフィクション作品、小説などを発表。2000年に初めての書き下ろし長編小説『血の味』を刊行し話題となる。
2003年これまでの作家活動で第51回菊池寛賞、2006年 『凍』で第28回講談社ノンフィクション賞、2013年 『キャパの十字架』で第17回司馬遼太郎賞をそれぞれ受賞。

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