白蝶花 (新潮文庫)

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感想 : 60
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  • Amazon.co.jp ・本 (366ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101285726

感想・レビュー・書評

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  • いやー、もう本当に好きだ。
    壊れちゃいそうに切なくて悲しいのに
    なんて美しくて強い、女たち。

    情感に溢れる描写と、理性的な文章の骨子
    何より作者の、人物に対する眼差しが優しくて
    泣きそうになるほど、みんな愛おしい。

    凌霄花のお話がときめきすぎて
    萌えましたすみません……。
    でもどの話も好きだよーー。ぶわっ。゚(゚´Д`゚)゚。

  • 第二次世界大戦を生きる2人の女性を題材にした二つの話。
    一人は姉妹で女衒に売られ、一人は知事の家に奉公に上がる。
    どちらも厳しい時代を強かに生きる様子に心打たれます。

  • 宮木あや子さんの文章は綺麗ですごく好きです。短編小説かと思いきや、ひとつひとつが繋がっていて長編小説のようです。明治、大正、昭和の女性って題材がもともと好きなので楽しく読めました。

  • 図書館で借りた物を読みたくなったので文庫を購入。

    やっぱり庄内弁は安心する。だって酒田なのに山形弁使っている小説・ドラマが結構あるんだもん。
    きちんと調べたあや子お姉さまを尊敬します。

    そして女の絆。宮木さんの持ち味はやっぱりここでしょう。たまにエロい空気(官能描写以外でですよ)漂うのもいいわぁ。蝶々のりんぷんのとこ好き!

    ああ、実家帰ったら聖地巡礼しようかしら……。

  • どろどろだけど、美しいお話だと思いました。
    短編かと思いきや、連作で、こういうのが好きなのでわくわくしました。
    菊代さんと雛代さんは結局…と気になります。
    女性は強い。

  • 大正末期、昭和初期、平成を舞台にした連作集。女の強さ、美しさ、したたかさ、残酷さ、物悲しさ、切なさ、そのどれもがみっちりと詰まってる。体温や吐息が伝わってきそうなほどの濃密なつながりにうっとりと酔う。

  • 大正〜平成。それぞれの時代を生き抜く3人の女たち。官能も、ただ単に肉体的な官能だけでなく心の官能が丁寧に書かれてました。宮木さん大好き。

  • 天人菊(てんにんぎく)・凌霄葛(のうぜんかずら)・乙女椿(おとめつばき)・雪割草(ゆきわりそう)の4つの章から成る恋愛小説。天人菊・・・姉妹の有馬芸妓の菊代と雛代の複雑な確執とそれが溶けるにいたる経緯を綴ってある。許されぬ関係と分かっていながら黒田との逢瀬は乾ききった菊代の心を熱く燃え上がらせる。互いの身を滅ぼす恋に、菊代は落ちて行く。凌霄葛・・・父の残した借金の方に三島章太郎の愛人となったうら若き乙女である如月泉美は妾宅でその息子吉明に惹かれて行く。

  • 大正、昭和、そして平成。
    時代を通して当時の背景と女性の生き方が描かれていました。

    ただ単に『話』として読むだけじゃなく読んだ後、今現代を生きる我々の自由さを改めて考えさせられる。
    ただの恋愛小説では片付けられない。
    しっかり読者の今を考えさせてくれるとてもシリアスで深い内容だと思いました!
    その作者、宮本あや子さんの年齢を見て脱帽!
    まだお若いのにここまで時代をしっかり把握されていて、描写も飛び抜けて素晴らしく書けるなんて。

    花宵道中も素晴らしい作品だと痛感した後に白蝶花を読ませて頂いたのですが
    二作読ませて頂いて、こんな素晴らしい本と出会う事が出来て幸せだと。
    思いました。

    巷に溢れている恋愛小説、携帯小説はもう読めなくなるくらい。

    話の繋ぎ方や、書き方も大好きです。

    書き手の自己満足で書かれた小説が多い中、宮本さんの作品は、読み手の立場に立って書いてくださっているのではないでしょうか!

    ストーリーに出てくる登場人物にも愛情を持って書いてらっしゃるんだなぁと感じます。

  • 心も、何もかもすべてを奪い去るような恋。
    宮木あや子さんの書く恋はそういうことなんだと思う。
    それがたとえふしだらとか呼ばれたとしても。

    というわけで、がっつり恋したいです。愛じゃなくて恋。切実に。

著者プロフィール

1976年神奈川県生まれ。2006年『花宵道中』で女による女のためのR-18文学賞の大賞と読者賞をW受賞しデビュー。『白蝶花』『雨の塔』『セレモニー黒真珠』『野良女』『校閲ガール』シリーズ等著書多数。

「2023年 『百合小説コレクション wiz』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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