ボトルネック (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
3.32
  • (556)
  • (1323)
  • (1794)
  • (685)
  • (159)
本棚登録 : 13817
感想 : 1484
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101287812

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 彼がいた世界といなかった世界
    1人の人間が、そんなにも周りに影響を与えるものかな。
    私がいようが いまいが、さほど変わらないと思う。
    まぁ中には、あの人に出会って人生が変わった。という人がいるだろうけど、その人がいなくとも別の誰かと出会ってまた違う人生になっていただろう。
    そもそもが、その人それぞれ個人の問題ではないかと。
    それを彼のせいだとしてしまうのは、あまりにも彼に影響力がありすぎる。
    そんなタイプでもないのに。
    ただ、彼は生きる事を選んだと私は思う。
    ダメ押しされてたけど、それでも。

  • 物語が動き始めてしばらくはゼロ年代のエロゲみたいなダウナードラッグ的読み物で楽しかった。
    ワンアイデアの一発勝負感が強く、後半に差し掛かると物語的な必要性の薄いミステリ要素が取ってつけたように投入され焦点がぼやける。もっと主人公の内省に力点を置くか、姉(?)や(元)彼女との関係を掘り下げるか、どっちかに振って欲しかった。

    違いを見つけるというところから、軽いノリで結びつけた「間違い探し」のメタファーのもうひとつの側面「間違い」の部分がじわじわと効いてくる流れはかなり意地が悪く、めちゃくちゃ上手い。

  • 「鬱小説だ」、「後味が悪い」などと散々言われているが、個人的には別にそこまでだった。「主人公は色々頑張ったのに状況が悪くなった」わけではなく、「何もしなかったから状況が悪くなった」なので、割と自業自得である。前者なら、だいぶ鬱だったと思う。サキと言動 / 性格が完璧比較される上に、自分自身が否定されるわけだし。

    ストーリーは爽やか系? エンタメ小説としては良くできていると思う。一気読みしたので余計に辛くなかったのか、もしくは前に読んだ小説(『盤上の向日葵』)が割と骨太系鬱小説だったので比較論でしんどくなかったのか、よくわからないが爽やかだった。刺さる人には刺さるのかな? 内容を覚えられないほどあっさりしているわけでもないが、強く感情を揺さぶられるほどではなかった。

    全体的に読みやすい。圧倒的に読みやすい。ラノベ系の中でも、文体が読みやすかった。桜庭さんの本は逆にラノベ系でも読むのが辛かったので、好みだと思う。

    個人的にはもう少しノゾミに関して掘り下げて欲しかった。こういう系の小説って、「辛さ」に納得感がないといけないと思うんだけど、それがあんまりない。設定でゴリ押しされてる感じ(他の鬱小説と言われている本にも多い)があったので、もう少しそこを読みたかったかな。

    概ね満足。米澤さんの他の小説も読んでみたい。というか予約しているので、そのうち読みます。

  • 爽やかな表紙の欝小説。

    どんなに努力してもどうにもならない、存在自体が悪になることがある。
    それが自分だったら…?

    すごくつらくなる。

  • 結末には色々な考察がありますね〜。面白かった。米澤穂信さんはあまり読んだことないのですが、他の作品も読んでみたいと思いました。タイトルの意味がわかった時にはぞっとしました…。

  • 鬱小説って聞いて読んだ。そこまで鬱になるものではなかったけど、確かにこの違和感の根源はそこだよなぁ。ミステリ風だけどミステリではない。

  • 正直、あんまり自分の中に落とし込むことができなかった、(共感できない、理解できない箇所がいくつかあった)作品かもしれない。。。(自分の読書力の稚拙さに反省です)
    自分がいた世界といなかった世界を比較して、自分の存在意義を疑い絶望の淵に陥ったところで物語は終わる。
    そんな、なんでも自分の行動次第で物事は変わるわけじゃないし、他人の責任なんだからって軽い気持ちで考えればいいのに!って。
    でもそう思えない。そう思わせない原因があるのに。なんなんだろう。環境のせいにしてもいいのにな。

    自分は常に何事も受け入れながら生きていた、そこが逃げ道だったのに、唯一の自己防衛の方法が、サキの存在によって塞がってしまって、死にたくなるところは辛いなって思いました。
    一体なんのためにあの世界にワープしたんだろ、、、。

  • 自分のいる世界といない世界の差に気づいていくにつれて雰囲気が薄暗くなっていくのと、ラスト一行が与える読後感の悪さがとても良い

  • 辛い……辛かった……。
    主人公リョウの性格もあってか、終始雨が
    降りそうな空のような暗く淀んだ雰囲気。

    サキの存在が明るい太陽のように感じた。

    自分を責め過ぎてしまいやすい人や、
    気持ちが落ち込み過ぎる人にはおすすめしにくい
    ですね……(リョウに同調してしまいそうで……)

  • つらかった

全1484件中 71 - 80件を表示

著者プロフィール

1978年岐阜県生まれ。2001年『氷菓』で「角川学園小説大賞ヤングミステリー&ホラー部門奨励賞」(ヤングミステリー&ホラー部門)を受賞し、デビュー。11年『折れた竜骨』で「日本推理作家協会賞」(長編及び連作短編集部門)、14年『満願』で「山本周五郎賞」を受賞。21年『黒牢城』で「山田風太郎賞」、22年に「直木賞」を受賞する。23年『可燃物』で、「ミステリが読みたい!」「週刊文春ミステリーベスト10」「このミステリーがすごい!」でそれぞれ国内部門1位を獲得し、ミステリーランキング三冠を達成する。

米澤穂信の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×