蒼路の旅人 (新潮文庫)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (380ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101302799

感想・レビュー・書評

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  • ◆十五歳となり、生気溢れる若者に成長したチャグム皇太子は、新ヨゴ皇国内の改革派の期待を一身に集めながらも、帝派からは疎んじられていた。そこへ、タルシャ帝国と交戦中だというサンガル王国からの援軍の要請がくる。周辺国との同盟を提案し帝の怒りを買ったチャグムは、罠と知りながら、罠と知りつつ大海原に飛びだし、祖父トーサ海軍大提督とともにサンガル王国へむかうこととなる。
     トーサを失い、虜囚となったチャグムは、逃亡をはかるもタルシュの密偵ヒュウゴに捕まってしまう。ヒュウゴに連行された先には、タルシュ帝国の第二王子ラウルが待ちかまえていた。兄である第一王子と帝位をめぐって争うラウルは、チャグムを利用して戦をせずに新ヨゴ皇国を掌中にしようと画策していた。
     圧倒的な力の差に愕然としつつも、チャグムは故国と民を救うため、単身危険な賭けにでる。──幼い日、バルサに救われた命を賭け、己の身ひとつで大国に対峙し、運命を切り拓こうとするチャグムが選んだ道とは?
     国々の動きと人々の思惑がせめぎあい、うねりとなって『天と地の守り人』へつながっていくシリーズ第七巻。


    (^^)<Comment

  • 蒼路というタイトルどおり、海上で話が進む。しかも楽しい船旅ではなく、辛く苦しい旅(゜゜;)宮の中の生活しか知らないより、チャグムのように諸国を渡り歩き、下々の生活をして、他人の気持ちが解る人が帝になれば最高の国になるのに!(>_<)と思う今日この頃(^^;)でもバルサとの別れのシーンを思い出すと、最後にチャグムがとった行動は応援したい‼p(^-^)q

  • 2016.9.17

  • 20160904読了

  • 20160903

  • 用心棒バルサの守人シリーズ6。皇太子チャグムの物語。
    あらすじ
    隣国サンガル王国から手紙が来た。大国タルシュ帝国に攻められたため、チャグムたち新ヨゴ皇国へ助けを求めるものだった。罠だと指摘するチャグムを疎んじて、父である帝は、わざとチャグムに援軍として航海を命じる。しかし、向かった先で、チャグムはもっと多くの思わくが渦巻いていていることを知り、国を助けるために大きな行動に出る…

    チャグムは成長したなー。でもまだ若いから、潔癖だし、行動が性急だ。その中で、どうしたらベストを尽くせるのかを考えての行動。うまく行きますように。

  • 虚空の旅人が本当に素晴らしかったので、本書でもチャグムの成長ぶりにまた感動するのだろうと期待に胸を膨らませ読み始めるが、これがなかなかのプロローグ!しかしながら、これを読まなければ、チャグムの真の旅が始まらない訳で、やはりかけがえのない物語なのだ。

    第二皇子か産まれ、帝派との対立にまた苦しめられる日々、サンガル王より野蛮なあの南の大国タルシュ帝国からの侵略への援軍を求める手紙が届く、サンガル王家とは親しいチャグム、カリーナ王女からの意味ありげな密書を得、チャグムは自らタルシュ帝国の捕虜となるべく、南への長い航海の旅に出る…

    この航海の間にチャグムを取り巻く人々、帝の盾で、かつてはチャグムを暗殺しようともした、しかし命を救ってくれたジン、サンガルの海賊船頭のセナ、ヨゴ王国を追われ、タルシュの鷹となったヒュウゴ、このヒュウゴとのやりとりが、チャグムをさらに強い皇子へと成長させてくれる。

    この後に続く、天と地の守り人3部作への大事なプロローグに過ぎない巻だけれど、海洋を挟んだ南北の国々のそこに暮らす、暮らした人びとの暮らしを垣間見られる、粛々とした、けれど重要な物語だった。

    とにかくこの後の3部作が楽しみだし、また長い長い物語への熱を上げさせてくれた。次早く読みたーい(・∀・)

  • 守り人シリーズ7巻です。
    また一歩チャグムが成長し、頼もしいと思うと同時に、ほとんど無邪気な子供時代を過ごせなかった彼の過酷な運命をおもい、あらためて涙しました。
    本作は皇太子という立場の葛藤、父子の確執、国どおしの争い駆け引き・・・などなど問題山積みですが、今までよりは分かりやすい義が正しい形でしっかりあるので、(私の)気持ちが揺れ動かない分読みやすかったです。

    また、ラストシーン、まさしく蒼路へと旅立つ場面は鳥肌が立ちました。
    圧倒的不利な状況下でチャグムはどこまでやれるのか。今後バルサとの接触はあるのか。
    ドキドキです。

    そうそう、ラウム王子との駆け引きは意外とあっさり終わってしまい、そこだけが心残りでした。
    チャグムの真摯さも、ラウムの頭のキレのよさも使い切れてなーい!

  • 手強い相手を前に悩みもがき苦しんで前に進んでいくチャグムの姿っていいわぁ〜!一気に終章に向かうカンジに仕上がってワクワクします。

  • なんて魅力的なんだチャグム…!
    次巻が早く読みたくなるようなラスト。わくわく。

    解説にもあるように、これは架空の国の時代小説だ、と思った。
    絶対の視点がない物語、というあとがきの言葉もとても印象的。
    守り人シリーズは解説やあとがきがいつもよい。

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著者プロフィール

作家、川村学園女子大学特任教授。1989年『精霊の木』でデビュー。著書に野間児童文芸新人賞、産経児童出版文化賞ニッポン放送賞を受賞した『精霊の守り人』をはじめとする「守り人」シリーズ、野間児童文芸賞を受賞した『狐笛のかなた』、「獣の奏者」シリーズなどがある。海外での評価も高く、2009年に英語版『精霊の守り人』で米国バチェルダー賞を受賞。14年には「小さなノーベル賞」ともいわれる国際アンデルセン賞〈作家賞〉を受賞。2015年『鹿の王』で本屋大賞、第四回日本医療小説大賞を受賞。

「2020年 『鹿の王 4』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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