狂気の偽装―精神科医の臨床報告 (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (316ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101305721

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  • 現代日本で急増する「心の病」―。マスコミは、新たな社会現象に合わせて乱造された「病名」を喧伝し、悲惨な事件が起これば被害者を「PTSD」だと安易に決めつけ、「心のケア」を気軽に叫ぶ。だが、それは正しい診断なのか?その患者は本当に精神疾患なのか?精神医療の現場を混乱させる「心の病」ブームの実態を、治療の最前線に身を置く現役の臨床医師が撃つ。渾身の告発リポート。

  • 読みやすい。要は、マスコミが騒ぎ立てることで心の病を意識するようになってしまった現代人へのアンチテーゼ。

  • 精神科医による臨床報告書。

    読みやすく、かつ学術的。的を得てる。

    引用も多く、他の本も読んでみよう思える興味の広がる本。



    第5章on the border はあたしにも当てはまりそう。

  • <>関連本を読むごとに、精神医学って本当に難しいんだろうなぁと思わされる。

  • 以前に読んだ『強姦の歴史』のように、精神的な傷ばかりか肉体的な傷まで無視された時代があったことを思えば「心の病」も無視してはいけない問題ではありますが、なんでもかんでも「心の病」としてしまう昨今、心のケアが叫ばれ精神科へかかるハードルが下がったことは本当に苦しむ人にとっては良かったと思う反面、マスコミに煽られた「心の病」の氾濫には疑問を感じていたところピッタリくる本がありました。
    「心の病」の実態を臨床医の立場から真摯に書いています。

    ブームにするだけではなく精神医学と関わる司法の整備は早急に必要だと思いました。

  • 現代日本で急増する「心の病」―。マスコミは、新たな社会現象に合わせて乱造された「病名」を喧伝し、悲惨な事件が起これば被害者を「PTSD」だと安易に決めつけ、「心のケア」を気軽に叫ぶ。だが、それは正しい診断なのか?その患者は本当に精神疾患なのか?精神医療の現場を混乱させる「心の病」ブームの実態を、治療の最前線に身を置く現役の臨床医師が撃つ。渾身の告発リポート。

  • 実に考えさせられる本。精神医学は曖昧性そのものであり、答えどころか"問題"そのものが曖昧だ。
    精神病理説について考えたくなった。
    人間は精神病と言う枠組みの中に嵌り込んで、自らを陥れているのではないだろうか。精神病そのものが人類を退廃させる―。

  • 心の闇が関わっていそうなことについて論理を展開するとき、精神の症状名や病名などを記述し、それが根本の原因であるかのように説明する書籍が多くあります。

    流行りの病名などを用いて説明されると、説得力が生じてしまい、それを鵜呑みにしてしまって本当のことを理解しようとする思考が止まってしまいます。

    思考停止によって本当の解決が妨げられないように、この本を読んでおくと良いと思います。

    特に1章〜4章が思考停止に陥らないようにするためのヒントになると思います。

  • 心の病がちょっとある方がカッコイイ的な
    そういう風潮はすごい気持ち悪いと思ってた。
    でもそんな軽い程度のうちに話しあえる場も必要かなとは思うけどね
    できればネットに固執せずさ……
    毒にも薬にもならない本だったかな。温かさはないな。

  • 面白かったです。

    学校で習ったこととか思い出しながら読みました。

    精神医学って、知っているようで、知らない領域なんだよなぁ…

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著者プロフィール

昭和大学医学部精神医学講座主任教授

「2023年 『これ一冊で大人の発達障害がわかる本』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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