- Amazon.co.jp ・本 (179ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101312866
作品紹介・あらすじ
初めて恋人との正月を迎える貫多。だが些細な行き違いから険悪な雰囲気になり、大晦日の夜ついに爆発する。二人の新生活に垂れ込める暗雲の行方は――『寒灯』。いくら邪険に扱っていようと、秋恵への気持ちは微塵も変わっていなかった。しかし暴言や暴力は続き、ついに彼女は去ってゆく。そのあとに残されたものは――『腐泥の果実』。他二篇を収録する私小説集、待望の文庫化。
感想・レビュー・書評
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貫多ひどい奴。。折角のプレゼントのペン皿使えよなー。捨てるとは思わなかった。
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ひどい男の話
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読んでられないけど、読んでしまう。読みたくなる。
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読者にはお馴染みの「貫多と秋恵」の短編集といえよう。棘々しい題名と古典的で折目正しい文章、ユーモラスで軽快な展開は相変わらずだ。どの作品も、貫多の惚気→些細な不満→癇癪という王道の流れで締め括られる。著者は貫多を徹底的に偏屈者として卑下し、しかし作中では行為の正当性を主張することで、事象の滑稽さを際立たせ不思議と暗い雰囲気はない。純文学風の文体にカタカナ言葉がさらっと入り込んでくるあたり著者の実力を伺わせる。
とはいえ私小説家であることは理解しつつも毎度同じ「秋恵」話に些か食傷気味なのは否めないか。 -
私小説だから登場人物も変わらなく、飾りもない。そんな雰囲気が好きで、変わらない事を期待して読み、そして期待通りの空気感を味わえる。そう、期待通り作者は劣悪な性格で卑しく感情的。しかし可愛げがあり、どこか共感できる。だが大抵は、おいおいそこまで言うなよ、という感覚だ。
しかし、この私小説、どこまで実態を再現しているのだろう。作られたキャラだったら嫌だなと思いながらも、私小説を書くからには、主観的に自らの人生を切り抜くに、ここだ、というポイントがあるものではないだろうか。そう考えると、私小説には偽りは無くとも、編集があり、そら勿論、読み手を意識したカットや選別作業があるはずである。そうなればやはり、読み手に対して、こう見られたいという気持ちが働くものだ。この点が、私小説の限界ではないだろうか。というよりも、それも含めて、味わえば良いのだ。 -
完全に貫多中毒。また読みます。
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安定のクオリティ。だいたいオチは一緒だけどそれがいいんだよな。
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おもろい。笑った。
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相変わらず
最低野郎です。