ウェルカム・ホーム! (新潮文庫)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (251ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101325200

感想・レビュー・書評

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  • 解説の三浦しをんさんが全て物語ってくれてると思う。多様性?の時代だから色々有って良い。
    自分なりのフツーで生きて行けたらそれで良い。

  • 初期の短編「帰れぬ人びと」を読んでとても良かったので、手に取ってみた。初期とは雰囲気が変わっていてビックリしたけれど、切実さとユーモアが共存する文章に惹き込まれ、最後にはあたたかな結末。とてもすてきな2篇だった。
    「家族」の在り方を問いながら「ホーム」という言葉で、自分の居場所、拠りどころ、赦しを提示する感性が好き。著者は「帰れぬ人びと」を最期にきちんと帰したんだよな、著者にとっての「形のある何か」は作品であったのかな、などと思うといっそう切ない。

  • 再読。血の繋がってる家族だけが家族じゃないというメッセージを強く受ける二編。「渡辺毅のウェルカム・ホーム」仕事も家も妻も愛人もすべて一度になくした渡辺毅が、家はあるが妻をなくして小さな子を抱えた親友と同居するが、その子がうちには二人のパパがいて…という作文を書いてるのを見てしまい。オトコの沽券にふりまわされ、自分の怒りがくだらない男の沽券から来ていることを悟り、最後にはふっきれて。「不安なわけよ、お前以外の人間にノリを預けんのは」にはグッと来た。オトコとかオンナとかもう関係ない、誰もフツーじゃないし、誰もフツーじゃないんだから、逆にみんながフツーなんだよ、ってあたりが肝だなあ、と思いつつ。「児島律子のウェルカム・ホーム」はもう何度も読んで筋も話の展開も台詞もだいたい頭に入っていて、それでも何度も読めてしまう、惹きつけられてしまう魅力。今回はやはり、「もういいんだよ。よく帰ったね。お帰りなさい。」のところがよかった。

  • 2章目の途中で断念。今の自分には没頭できないため。

  • フツー、とされる家族の形でない、2つの短編。
    それぞれが気にしたり、思ったりすることと、相手が気にしてるところの違いを上手に表していて面白い。それぞれの個人がパーフェクトではない、後悔もあったり、やり直したり。暖かい気持ちになれる。

  • 初めて読んだ
    この時代にもう多様性というか、色々な家庭のあり方をテーマにしてるのかと思った
    自分が知らないだけかもしれないけど

  • 適切なキャストでテレビドラマ化してほしい

  • 笑ってるのに泣かされたり、泣いてるのに笑わされたり忙しくも楽しい読書でした。ココロはとても大満足。温かくなりました。

    血の繋がりのない親子のお話2作。

    親友の親子の家に住み家事全般を受け持つタケシパパのお話と、夫の連れ子の娘に愛情を注いだのに、別れてしまったことを後悔しているバリキャリの律子さんのお話。

    どちらもじーんと胸にきました。実は初めて読む鷺沢萌さん。解説の三浦しをんさんの文章も素敵です。

  • R2.4.6 読了。

     いろいろな家族の形がありますね。一緒に暮らしたいと思える相手に巡り合えることは、幸せなことなのかな。

    ・「『ウェルカム・ホーム!』を読むと、『おかえりなさい』と告げる強く優しい声が聞こえる。ここが、帰りたかった場所。帰るべき場所なのだ。血縁や制度や常識に基づくのではなく、人間同士が、互いの心によってのみ結ばれる場所。本当の意味での家族とは、単位になりえない多様さを持つものだし、真の自由と幸福は、そういう人間関係のなかにあるのだ。…(三浦しをんさんの解説より)」
    ・「自分が向いていない分野のことは、向いてるヒトに任せる。その代わり、自分は自分が向いている分野で役に立つ。それでいいんじゃないっすかね。」

  • 1万円選書でやってきた1冊。
    フツーじゃないことがフツーだと感じられる温かい人たちで成り立つ家族の話。
    周りと比べるのではなく、自分のできることを役割として一生懸命やることって良いなって思えたし、いろんな考え方があるなって思えたし、なんだか憎めない人たちに共感できてほっこりした。

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著者プロフィール

鷺沢萠(1968.6.20-2004.4.11)
作家。上智大学外国語学部ロシア語科中退。1987年、「川べりの道」で文學界新人賞を当時最年少で受賞。92年「駆ける少年」で泉鏡花賞を受賞。他の著書に『少年たちの終わらない夜』『葉桜の日』『大統領のクリスマス・ツリー』『君はこの国を好きか』『過ぐる川、烟る橋』『さいはての二人』『ウェルカム・ホーム!』など。

「2018年 『帰れぬ人びと』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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