きらきらひかる (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (213ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101339115

感想・レビュー・書評

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  • 充分気をつけてはいるのですが、それでもふいに人を好きになってしまうことがあります。
    あとがきの江國さんの文章。
    こんな 不確かな感覚を書かせたらさすがだなと思います。
    そして、ごく普通の恋愛小説を書こうと思いました、と。決して普通ではない恋愛小説です。
    アル中気味で精神的に不安定な妻、笑子。見合い結婚したのは、恋人がいるゲイの男性。
    お互い負い目の部分に納得した上での結婚。
    夫は優しい。手に負えない程感情的になる妻に寄り添う。その優しさは、夫婦だからか、家族だからか、負い目なのか。
    江國さんの小説に出てくる女性たちは、よく飲み、奔放。そこに純粋さがあるのかな。
    「正欲」が話題だったけれど、こちらの夫婦は、夫の恋人の存在を受け入れる形態にたどり着く。
    妻がうっかり夫を好きになってしまったからだと思うのだけど、案外、生きやすいかもしれない。

    • Manideさん
      私もおびのりさんの発言かと思って、びっくりしてました(^^)
      私もおびのりさんの発言かと思って、びっくりしてました(^^)
      2024/02/12
    • おびのりさん
      Manideさん、ご無沙汰です。
      きっと、新しいところで、頑張って忙しいんだろうなと、勝手に想像してました。
      私は、ご存知の通り、バレーコー...
      Manideさん、ご無沙汰です。
      きっと、新しいところで、頑張って忙しいんだろうなと、勝手に想像してました。
      私は、ご存知の通り、バレーコートに躍動する男子には、毎回うっかりですよ。
      あとで、選手一覧見て、やっぱり違ったなんて事は、無いはず。。。d( ̄  ̄)
      2024/02/12
    • Manideさん
      おびのりさん、こんにちは〜

      ありがとうございます(^^)
      そうなんですよね〜、新しいところで、悩みながら、もがいております。頑張ります。
      ...
      おびのりさん、こんにちは〜

      ありがとうございます(^^)
      そうなんですよね〜、新しいところで、悩みながら、もがいております。頑張ります。

      今回のおびのりさんの感想は、きっと、みんなドキッとしたと思いますよ。
      2024/02/12
  • Aesopへ香水を買いに行くという父について行ったらLGBTQIA+の文学作品を無償で持ち帰れるというイベントがやっていた。
    そこで持ち帰ったのがこの『きらきらひかる』

    とても読みやすくてさくっと読んでしまったけれど、感想…むずかしい…

    好きな人が好きなものも愛するって愛だなと。
    3人がそれぞれを大切に思いながら、睦月も笑子も紺も自分のことを大切にできるような予感がした。

  • 第一印象は、
    大人の小説だなって思った。

    大人だから、相手の気持ちを考えられるし、
    受け入れようと考えられるのだろう。

    自分の普通を、考え直す作業も
    必要なことなんだろうな。

  • 詩的で不思議なラブストーリー。
    著者が言うところの「シンプルな恋愛小説」ではないと思うし、文庫本の裏表紙にある紹介文「純度100%の恋愛小説」でもないと感じた。

    ゲイの夫と鬱病の妻の契約結婚のような結婚生活を描いたストーリーで、夫の恋人紺くんとの奇妙な三角関係が面白かった。

  • 知人におすすめされて。 

    いろんな好きがあっていい。
    いろんな夫婦の在り方がある。

  • 私が高校生の頃に、本好きな先生が勧めてくださった作品。
    アル中の奥さんと、同性の恋人を持つ旦那さんの視点で描かれる、結婚生活のお話。
    設定自体はとても奇抜だが、現実にもこういう人がいてもおかしくはないと、思わず感じてしまうのだから、江國さんは凄い。

  • 紺くんの「僕は男が好きなわけじゃないよ。睦月が好きなんだ」という台詞が、ストンと胸に落ちました。
    そうなんだよ。性別なんて関係ない。
    好きな人が好きな人だから好きなんだ。

  • 吉本ばななの世界観と似すぎていて吉本ばななを読んでるのかと錯覚しそうだった
    江國香織さんってこういう感じなのね

    でも吉本ばななの作品に出てくる女の人の方が破天荒だけど芯があって好きだな。(江國さんの本これしか読んだことないけど)この本の女の人はただの破天荒なやつだよ…。精神病と言われればそれまでなのだが。うーん、いまいち好きになりきれなかった。

  • 不完全で、儚くて、危うい生活。
    でも愛だけはある。
    読みやすくてよかったです。
    わたしが生まれるより前の作品だったことを知らずに
    ハラハラしながら読んでいました。

  • 終始読んでいて苦しかった。情緒不安定な笑子も、優しすぎて嘘をつきたくない睦月も、私には理解できないし、読んでいると、真綿で首を絞められているかのような気持ちになって、苦しかった。

    こういう物語を読むと、私はいつも思う。「本人たちが納得しているなら、それで良くないですか。それだけじゃダメなのでしょうか」と。本人たちが納得する形で愛し合っていて幸せなら、それで周りに迷惑をかけないのなら、それで良いじゃないか。
    でも、ダメだと口を出したくなる人たちはどうしてもいる。本人たちにとって、もっと良い幸せの形があるんじゃないか、と思いたい人たちだ。「普通」の幸せを願う人たちなのだ。

    笑子と睦月と紺の三人は、とても脆くて、壊れやすい関係性だ。それでも、互いを愛せずにはいられない。それは決して、「美しい」の一言で表せるものではないと私は思う。美しくも歪で、苦しくて儚い、そんな世界に没入できる作品だった。

著者プロフィール

1964年、東京都生まれ。1987年「草之丞の話」で毎日新聞主催「小さな童話」大賞を受賞。2002年『泳ぐのに、安全でも適切でもありません』で山本周五郎賞、2004年『号泣する準備はできていた』で直木賞、2010年「真昼なのに昏い部屋」で中央公論文芸賞、2012年「犬とハモニカ」で川端康成文学賞、2015年に「ヤモリ、カエル、シジミチョウ」で谷崎潤一郎賞を受賞。

「2023年 『去年の雪』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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