日無坂 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (251ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101342344

感想・レビュー・書評

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  • 波2007年1月号〜2008年1月号掲載のものに加筆修正を行い2008年6月新潮社刊。2010年11月新潮文庫化。疎遠のまま亡くなった父のことを調べる伊佐次は偽薬絡みの事件に巻き込まれて行く。安住ワールドの友五郎親分も登場し、そのサスペンス風な展開に思わず惹き込まれます。自然な会話から感じられる人々の想いがうまく描かれていて、心に残りました。読後、伊佐次の行末が気になりましたが、春告げ坂に登場すると気づいて安心しました。



  • 心地よい憂いに満たされる感じ。いや、この表現があっているのか良いのかわからないが、なかなかどうしてほっこりするのだよ。父との確執を失ってから省みる。するといろいろ見えてくるモノがある。
    個人的には友五郎親分が好み。足を洗った伊佐次のこれからも読んでみたいくらいだ。

  • 「本の雑誌」で取り上げられていたので、読む。良い本だった。ほどほどの推理もある。季節、風、匂い、色、明るさなど五感に訴える描写が多く、水の都「江戸」の肌触りがある。始めの方の主語が後に来る文は、あえてと思うが理由は良く分からなかった。

  • 文章のキレのよさと行間の余韻。
    こんな文章が書けるようになりたい。

  • 2011-015。
    絆を感じる本。
    丁寧な描写。

  • 初めて読んだ安住さんの本。
    文章がとても良いです。

    移動時間や空き時間に読むより、部屋でじっくり読みたい本です。

  • 収穫。通勤で読み始めたのを後悔するぐらいお見事。
    でも、ゆっくり読書の時間とか生活にないけれど。
    頁数短いけれど、内容濃く重い。
    章立てもお見事だけれど、最後に第一章を再読すると、感慨もひとしお。
    庄太にも一部重なり、違いも。

  • 生本屋でふと見かけて購入。
    何やら時代小説全盛ともいうべき出版状況ですが、なかなか良いものは少ない。その中で、縄田一男さんの「宝石のごとき・・・」の帯文句を信じて。。。

    解説に乙川優三郎、藤沢周平についての言及があります。こう書けば時代小説好きの方にはどういう傾向の作品か判ると思います。

    父親の死にまつわるミステリ仕立てではありますが、主題は理解しあえなかった父子・家族の後悔の物語。いかにも「下町もの」と言えるしっとりした情緒にあふれる作品です。
    そして、なんといっても素晴らしいのが、入念に吟味され推敲されたのであろう見事な描写です。

    著者の安住さん、残念なことにどうも寡作の作家さんのようです。
    でも、寡作でもいいですから、こうした本を書き続けて行って欲しいものです。

  • 35   2/26-2/28

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安住洋子の作品

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