対話篇 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
3.72
  • (226)
  • (391)
  • (399)
  • (47)
  • (12)
本棚登録 : 2560
感想 : 314
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (244ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101351513

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 金城一紀さんの本はどれも勇気がもらえるので好きです。

    一話目で刑法を学ぶハードボイルド愛読者の主人公の男の子が

    『ー本当は小説を書こうと思っているんだ。読んだみんなが救われるような作品を書けたらって思うんだけどね。ー』

    と言っているのが、金城さんと重なってみえるような気がした。

    タイトル通り、三話とも男同士の対話で展開していく。

    金城さんらしい朝鮮や、政治的抗争、弁護士、病気といった個性的なキーワードがいくつも登場するが本当に言いたい事はそこじゃない。

    これは恋愛小説だ。

    本当に大切な人ができたら、その手を離してはいけない。(比喩的な意味だけではなく)

    と作者は言いたいのだと私は思う。

  • 友人が勧めてくれた本。春樹チルドレン・金城一紀初挑戦。うん。なかなかいい。読みやすくて2時間ほどで読めた。恋愛小説でもこんな淡々としてるのは嫌いじゃない。 2010/063

  • 題名『対話篇』。これにどの様な意味を込めたのか正確な理由は分かりませんが、対話に重きをおいた物語だと感じました。一般的なものに比べ、ややセリフの多い小説でした。多分。
    しかしその分、かなり読みやすく、人物の気持ちも汲み取りやすかったように思います。
    個人的には『花』が好きです。

  • 恋愛感に不思議と共通点のあるさん組の対話。
    すがすがしい作品と、耳に残るフレーズがよい。

  • 金城一紀の短編集。

    攻め方は違うけど、やっぱりタッチのしかたは同じ。そんな感じ。「忘れな草の花言葉」の下りは泣ける。

    でもやっぱりゾンビーズシリーズの方が好き。

  • そう。僕にとって、最高の恋愛小説は「GO」なんだ。

    死と恋愛と忘却についての短編小説が3作品掲載されている。

    「あした、死ぬとしたら、何をする」

    この質問に満足に答えられない僕は、
    圧倒的に想像力が欠如している。

    でも、やっぱり大切な人の手は絶対に離しちゃいけないんだ。

    ねえ、そうは思わないかい?

  • 友人の勧めで
    金城一紀初めて読みましたがいいですね
    各短編がそれぞれゆるやかに繋がっていて
    どれも恋愛をテーマにしたお話です

    俺は「永遠の円環」が好きです
    決してハッピーエンドというわけでは無いんですが
    また読み返したいです
    追い詰められた時に何を考えるかなんて
    自分にも分かりませんもんね

    「もし明日死ぬとしたら、あなたは何をしますか?」

  • まさに買って読んでない本;)

  • 映画篇がとてもよかったので読んでみたが、こちらはいまいち。

  • 愛と死、そして記憶にまつわる切ない話。
    3つの短編から構成されていて、連作かと思わせるような微妙に交わる人と場所。
    泣かされました。ま、題材からしてズルい気はしますけどね。
    訥々とした男二人の会話形式で、そこに思い出話が挿入されてくる、淡々と物語り。まあ、淡々としているため、印象薄めな感じはするのですがね。

    表紙後の挿絵、紫色の花忘れな草。3つ目の「花」を読み終わった後に、この絵を見ると思い出し涙が。

    いろいろ細かいところは書かれていないんですよね。若干消化不良気味だけど、あえて詳細は描かないということなんでしょうねえ。言葉を削ぎ落して、濃密な短編になっているとは思いました。

    「本当に大切な事柄は、言葉にしてはいけないのだ」氷の像と言葉のノミ。この表現に何故かズガンと来て涙が出てきた。物事を言葉に置き換える作家さんとは思えない表現だけど。

    もう一つの花言葉「私を忘れないで」・・・・もうボロボロ涙が。
    忘れるわけないじゃないか、と強く胸に響くのでした。

    「恋愛小説」の彼女がつぶやいた言葉はなんだったのか。答えが知りたい。

    階段から落ちてくる彼女、、、化物語?なんて思ったり(笑)
    月光浴の話もなかなか良かった。潮の満ち引き,狼男に影響するくらいなら自分の運命くらい変えられるだろう?なんて発想が良いなあ。

    金城一紀さん、初めての作家さんですが、レビューを見るとこの本は異質な作風みたい??機会があれば、他の本も読んでみるか。

全314件中 91 - 100件を表示

著者プロフィール

1968年埼玉生まれ。慶應義塾大学法学部卒。1988年「レヴォリューションNo.3」で第66回小説現代」新人賞を受賞。2000年『GO』で第123回直木賞を受賞。

「2020年 『映画篇』 で使われていた紹介文から引用しています。」

金城一紀の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×