死刑でいいです―孤立が生んだ二つの殺人 (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101387116

感想・レビュー・書評

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  • 犯人の生育環境に色々問題があって気の毒だった。
    カッコ悪いところを意地でも見せたくないって思いが強すぎて周りに虚勢張ったり心を開かない様子がしんどそうだと思った。
    山地を支えてくれた人はいたけれど結果的には楽観的だと思う判断が多く爪が甘いと感じた。

  • 腑に落ちない……といった感想を持ったのが正直なところですねぇ…社畜死ね!!

    ヽ(・ω・)/ズコー

    結局、これを読んでも山地の内面に迫れなかったのがしっくり来ない原因でしょうかね…彼は弁護士と度々接見? を重ねていますが、どうも本心を話しているように思えないんですなぁ…

    それで結局そのまま死刑になっちゃった、みたいな…社畜死ね!!

    ヽ(・ω・)/ズコー

    でもまあ、彼の生い立ちなどを知れたのが良かったですかね。後半の、何やら精神科医やらその手の”専門家”が登場してくる紙面は要らなかったかな…必要なことなんだろうけれども、一読者としては退屈でしたねぇ…社畜死ね!!

    ヽ(・ω・)/ズコー

    アダルトチルドレンやらADHD? の人たちの集まりの会話は興味深いものがありましたけれども…

    さようなら…。

    ヽ(・ω・)/ズコー

  • ニコニコニュース(2019.10.26):「人を殺すために生まれてきた」母親殺しの出所から僅か2年後に強姦殺人、男の歪んだ死生観とは【社会を震撼させた死刑囚たち】 https://news.nicovideo.jp/watch/nw6103998

  • まことに気が重い
    どうしようもないくらいに気が滅入る
    それでも
    これは 確かな事実
    これは 実際に起こってしまった事件

    さまざまな凶悪な犯罪事件が
    耳目に入ってくる

    なぜ そんなことが起きてしまったのか
    なぜ そんなふうになってしまうのか
    なぜ その時に起きてしまったのか

    そして
    その後のことが気になる

    その凶悪犯罪の背景をとらえ
    その事件の それまでを考え
    そして
    その事件後の これからを
    考え続ける

    優れたルポルタージュは
    より良い 世の中にするための思考を
    我々に 強いてくる

    世の中の全てのことは
    自分とつながっていることを
    自覚させてくれる

  • 発達障害をもつ子どもを、親や周りの大人が愛情もって障害について勉強して育てていくことが大事なんじゃないかと思った。

    発達障害と事件はイコールではない。でも気を付けなければならないと思っている。発達障害をもつ人と関わる人が起こす事件についても、イコールではないが、気を付けなければならないと思っている。

  • 2018.04.16断念

    3分の2まで読みました。
    そこまでの内容は、犯人 山地の行動描写、心理描写が少なく精神科医や専門家による
    公汎性発達障害(アスペルガー症候群)と人格障害についての分析記述が多く、とても読みにくくはっきり言って内容がつまらないため、その先に期待が持てず読了断念致しました。

  • 『反省なき更生』という考え方は日常でも活かせると思った。

  • 発達障害者が加害者となり処罰される。そこに至る成育歴は被害者と言える。漸く法整備されつつある病であるが、社会的理解と支援が必要。2017.5.15

  • 2005年に起きた大阪姉妹殺人事件の犯人を題材に、広汎性発達障害を抱える人がどういう状況下に置かれると犯罪に至ってしまうのか、また、そうしないためにどうすべきかを考察した本。
    複数の専門家の意見を取り入れながら、内容としては分かりやすくまとまっている。

    犯罪の背景にある問題の提起が主目的の本には、あまり興味が無い。そのような問題を考えるのは、私の役割ではなく、それを仕事とする個人や社会組織の役割だと思うから。
    事件ルポに対して読み物として求めているのは、「どのようにして至ったのか」の部分なのだろう。

  • 2013年(底本2009年)刊。◆実母殺害事件(少年)と姉妹殺人事件(成年)とをルポし、被告人が広汎性発達障害との判断(第一事件の少年院在院中)がなされた点を踏まえ、その処遇のありよう、再犯防止方法と少年院・少年刑務所での矯正教育の有り方、就業や福祉的な介入の必要性と現状などを叙述。◇広汎性発達障害が教育現場で議論されだしたのが2003年ごろ、行動療法などの具体的な対策や乳幼児期の診断の重要性、投薬などの危険性と必要性などが言われだしたのも2010年より少し前(しかも、対策や要因論も含め日々変容)。
    若干付言するが、広汎性発達障害やその近接領域の罹患は、軽度も含めれば、5%とも言われている。仮に1%だとしても、日本だけで100万人もの数字が予想され、社会との接点を持たずに生活させるとの想定は非現実的。また、何らの犯罪行為を犯しておらず平和裡に生活している疾病者との線引きも困難だし、かつ、当該疾病の類似症例として、例えば後天的な頭部外傷による高次脳機能障害も想定可。自らが罹患する可能性すら念頭に置くべきところ。ただまぁ、いくら指摘してもピンとこない人は存在し、社会的認知を広めるのは難しいなぁと感じる。
    広汎性発達障害における、認知の歪み(特性ともいえるが)は判ってもらいにくい。また、広汎性発達障害でも、根本的な要因が①短期記憶の困難さ、②ワーキングメモリーの不全、③入力情報の分別不全(頭頂葉の機能障害)、④情報の過剰入力など多様で、対策も後手後手に。加え、乳幼児期の診断が不十分だと、先天的機能障害のない愛着障害の可能性も残り、要因特定は不可能に近い。ならば要因特定よりも、再犯防止のメカニズムになるが…。本書の岩佐嘉彦弁護士の言のとおり、福祉との連携・出所後対応を含め、少年院・刑務所とも明らかに不充分。
    死刑判決となった本件は殺人既遂だが、例えば、傷害、傷害致死あるいは殺人未遂であれば、死刑という短絡的に社会から排除する方法論では全く対応できない(死刑の是非は一先ず置く)。また、発達障害者の大半は生きにくさを感じつつも、平和的な生活営為の下にある。かつ、本件の特殊性、中卒で親がいない点、生活保護すら受けなかったシングルマザーとの少年期、出所後の社会からの放逐等も見逃せない事情。本書が告発するのは、この機能不全のままの現代福祉社会の実情に他ならない。

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