コンセント (新潮文庫)

  • 新潮社
3.24
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感想 : 27
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  • Amazon.co.jp ・本 (367ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101412375

作品紹介・あらすじ

「その少年は、コンセントにつながったときだけ、動くことができるんだ」引きこもりの末に餓死した兄が残した謎の言葉。奇妙なビデオ映画。彼は私に何を伝えようとしたのだろうか。兄の死の謎を解こうとする私に、異世界への回路が開かれていく。それは、どこに繋がっているのか-。ベストセラーとなった小説デビュー作。現代を生きる人間の心の闇をリアルに捉えた、衝撃の長編。新装決定版。

感想・レビュー・書評

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  • 金融ライターの主人公。
    引っ越ししたばかりの部屋で腐乱死体として発見された歳の離れた兄。事件性はなく自殺とされたが、生きることを放棄したような死に方が主人公は気になる。そして兄の死によって主人公の精神に変調が現れる。心理学的、精神医学的に解決しようと試みるが、それは自分自身と向き合うことでもあった。

    終盤の方向が想定外かつ悪い意味で機体を裏切られてなんとなく薄っぺらく感じてしまった。
    結局この主人公はなんなんだろうかとよくわからなかった。発狂した挙句、落ち着く先は格安の娼婦。それをどう感じれば良いのかわからない。

  • 主人公がどんどん狂っていく?覚醒していく様がスリリングに描かれていて、ページを巡る手が止まらない。ノンストップで3冊読み切ったら違う世界が開そう

  • なかなか人前で読むのは、難しい…というか困ってしまう本。

    暴いてほしくない心の襞を開かれるようで、心地悪いのだが、読み進まずにはいられない感じがした。

    心理学というのは、知らないと綺麗だが、触れるとあまりにもドロドロするんだな、と思った。

  • なかなか衝撃的な内容。

    周りの人にシンクロ、一体化し過ぎてしまう人をイメージしたら良いのだろうか。お兄さんのように生きづらい人がコンセントを抜いてしまうのは理解できる気がする。でもやはりこの世界は誰かと繋がらないと生きていけないのか。

  • 途中まで引き込まれたが、
    オチがなんとも言えない。

  • コンセントという言葉に興味を惹かれたが、読んでいっても何もわからなかった。つまらない訳ではない。どんな展開になるのか気になって読んでいったのだが。

  • 途中まで面白くて入り込んで読めたけど、最後の方、なんやねんこれ。

    特に最後の一行。
    「結局○○○かよ!」ってツッコむと思うよ。
    みんな。

  • 2013*05*20
    エヴァンゲリオンの人類補完計画みたいな話だった。

  • 自分の想定範囲外の感覚な内容でした。

  • 頭おかしい人の話はわりと好き。
    結構ひきこまれて読んでしまいました。

    最後がイマイチだったけど。

  • ただただ気持ち悪い。本を読んでて気持ち悪くなったのは初めて。だけどこの狂った感じが中毒になりそう。

  • 読みやすいといえば読みやすい文体でするっと読めたのだけど、もうとかく不快指数が私にとってとっても高い本でした。

    こういう系が好きな人は好きでいいと思います。
    ちゃんと解決する話が好きな人には向かない。

    もうそりゃ底なし沼の方にずるずるずるずる落ちて行く主人公の様子がたまらなく不愉快。
    救いはない。

    兄の死に方もグロい。途中の挿話もそれぞれグロにちかいものが多い。犬の話なんかは可哀そうだったし。
    もう、いやーな話でした。合いませんでした。

  • てすと送信。

  • 2012/5/1読了。

  • 久しぶりに生々しいパワーのある小説を読んだ気がする。カオスのパワー。18禁、娘には未だ読ませたくない描写あり。村上龍を想起させる感もあったが彼は絶賛していたらしい。「できればムカつかずに生きたい」に感銘して読むが期待通り凄かった。

  • 色情狂の話…つまらなかった

  • 他者の感情や欲望に感応し、それを満たそうとする行動は、優しさと呼べるのだろうか?また、その行動は自己実現になりうるのだろうか?

  • 「たぶん知識というものは、自分を越えていくための道具なんだ」

  • 他者の感情や欲望に感応し、それを満たそうとする行動は、優しさと呼べるのだろうか?また、その行動は自己実現になりうるのだろうか?

  • 09/02/11

  • ---2008.11.01

  • 単純な話なのか複雑な話かわからなく
    なるときがあった。
    主人公は繊細で弱いからそう生きるのか、
    それとも強いから繋がれるのかわからない。
    作品が好きかはわからないけど、
    共感するところも少しだけあった。

  • 前々から田口ランディの3部作?を読みたいと思ってて、新装されたのを気に購入。

    私は私の人生しか知りえることはできないのです。となにかで書かれてたランディさんらしく自身の経験に基づいて書かれた作品。
    最後の終わり方には…閉口。まあ、著者も色々な批判があったし、覚悟もしていたとあとがきにかいてるが…な〜んか、それまでの作品のよさが押しつぶされた感じ。
    だから、5個じゃなく4個

  • 衝撃を受けた。

  • 2001年に幻冬舎文庫で読んだ作品が、2007年に新潮文庫で新装版出版。

    最近彼女の短編集『富士山』を読み、やっぱり彼女の代表作は『コンセント』だよなぁ…と思い出していたら、ちょうど良いタイミングで新装出版されたので購入。

    デビュー作とは思えない力作です。
    村上龍が賛辞を送ったこのデビュー作ですが、それもわかるなってテーマ設定、ストーリー展開です。

    主人公の兄貴が引きこもった末に餓死するって話。兄貴の死体の横には、コンセントに繋がったままの掃除機が放置されていた。

    そんな設定で始まるが、この設定は実話。
    実際の著者の兄貴の話。
    そっからはフィクションになるわけですが、妙にリアリティーがあるのもそのせい。

    同じくひきこもり文学の代表作といえる村上龍『共生虫』は、この引きこもりと言うテーマ設定にインターネットを組み合わせて小説として完成させたわけだが、この『コンセント』はそのネットの部分を今流行の「スピリチュアル」、つまり精神的なアプローチを行って小説として完成させている。高いレベルで。

    ただ、やっぱりこの小説のラストシーンには賛否両論あるわけで、俺も最初読んだ時「う〜ん」と思わずうなってしまった。

    だがそれは、単純に賛否の「否」と言う意味の「うーん」ではなく、「なぜこのラストなのか?」と考えるべきだと脳みそが反応した「うーん」なのだ。

    その謎を解く手がかりは新装版のあとがきにある。

    「彼女(主人公)はまだなにも到達していない。なにも手に入れていない。(中略)つまりは、ある特殊な能力を開花させたとしても、それが人間として役に立つわけでも、生きやすくなるわけでもないという、かなり投げやりなラストのような気がした。」

    と筆者は言い、最後に、

    「朝倉ユキという主人公が認識外の力を備えて「いまここ」に帰ってくる。そんな小説をいつか書いてみたいと思っている。」

    と締めくくる。


    そう、つまり、この物語は決して完結していないのだ。

    筆者の兄が13回忌を迎えた今、長い間停滞していた物語は再び動き出す時が来たのかもしれない。

  • 初めて読んだランディさんの作品。あとがきにも書いてあったけど「遠くに行ったきり戻ってこない」作品。嫌いではないけどラストがなんとも

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著者プロフィール

作家。

「2015年 『講座スピリチュアル学 第4巻 スピリチュアリティと環境』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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