カンバセイション・ピース (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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感想 : 60
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  • Amazon.co.jp ・本 (498ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101449241

感想・レビュー・書評

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  • この本を好きな人たちを好きだけれど、
    自分はこういう風には人生を過ごしたことはないし、
    自分の毎日もこういう風には流れていかないがゆえに、
    どことなく、すれ違うような感覚。

  • 日常生活っていうのは大抵においてつまらないもので。これといって変化があるわけでもなく。昨日と同じ今日があってその先には今日と同じ明日がある。何かの折にふと30年も前のことを思い出したりして。そんなときに「そうそう、あの時はさ〜」と一緒に昔話に興じてくれる誰かがいることが幸せだったりする。古い大きな家で共同生活をすることになった作家の主人公と妻と後輩たちと姪っ子と猫。そこにたまに戻ってくるいとこたち。わいわいと大騒ぎしながら昔話に浸る、半径20m小説。ここに出てくるアラフィフの兄妹といとこと後輩の大人気ない会話が非常に心地いいのはやっぱり自分もそういう「会話」をそして会話のできる「相手」を求めているからなのかな。

  • この、終始タッチの変わらない筆力がすごい。
    小説はストーリーを追うだけではないということを知らしめた作品。

  • このスタイルは長すぎると間延びしちゃって。。。

    まぁわがままなだけですが

  • 090307(n 090819)

  •  カンバセイション・ピース。英語で書くとこうか?"Conversation Piece"会話の欠片、会話の平穏?ピースは二つの意味を含んでいるのだろうか。
     内容は、ある夫婦が元兄の家へ移り住み、姉も帰ってきて仕事場にもなってしまい、奇妙な人間関係の居つく生活が始まる・・・ってな具合で淡々とした日常生活の中で作者の人生への考察が述べられる。まあ野球観てばっかの印象が無くも無い。
     この人の話では、人と人との会話が作為的でないように感じられる。まあ会話から感じたことの考察が書かれているからかも知れんが。でも他の人の小説を読んでみると そのことがいかに難しいかがわかる。
     前作に比べ考察の鋭さは群を抜いていて、時間への考察が加えられている。森川という青年がいい味を出しているが、登場人物がなんとなく暗く、話自体もどこか固くて助長な感が個人的には否めず、青いながらも自由で自己の世界と外部の世界が交わりあった「プレーンソング・草の上の朝食」を連作として彼の最高傑作に推すとしよう。

  • どこか威圧的な小説。最後の解説もちょっとひどい。
    おもしろかったけどさ。

  • のんきで優しい。

    本当にそんな小説なのだ。この本には猫がいて、妻がいて、姪がいて、友達がいて…そういう当たり前の日常しか書かれていない。
    野球を見たり、お墓参りに行ったり、話したり、ご飯を食べたり…そういう普通の繰り返しなのだが、しっかりとドラマがある。つまり、生き物が生きるということは酷くつまらなくて、その割に下らない面白さに満ちているということなのだと思う。
    みんなそれぞれに、自分にとって“親(ちか)しい”人たちの筈なのにその人を理解できたり、できなかったりする。それを純粋に面白いと感じることが心地よい。

    考えること、追及することを知性と言うのなら、この本の知性は決して硬くて冷たいものではない。
    柔らかくて、温かくて、下らなくて面白い。のんきで優しい知性に溢れていた。

  • 2008/05/10購入。気になってた小説。寝る前に読むととても眠くなる…

  • 未読。

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著者プロフィール

1956年、山梨県に生まれる。小説家。早稲田大学政経学部卒業。1990年『プレーンソング』でデビュー。1993年『草の上の朝食』で野間文芸新人賞、1995年『この人の閾(いき)』で芥川賞、1997年『季節の記憶』で平林たい子文学賞、谷崎潤一郎賞、2018年『ハレルヤ』所収の「こことよそ」で川端康成文学賞を受賞。主な著書に、『生きる歓び』『カンバセイション・ピース』『書きあぐねている人のための小説入門』『小説の自由』『小説の誕生』ほか。

「2022年 『DEATHか裸(ら)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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