マリー・アントワネットの日記 Rose (新潮文庫nex)

著者 :
  • 新潮社
3.69
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本棚登録 : 869
感想 : 78
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101801308

作品紹介・あらすじ

このプリンセス、他人とは思えない! ハーイ、あたし、マリー・アントワネット。もうすぐ政略結婚する予定www 1770年 1 月 1 日、未来のフランス王妃は日記を綴り始めた。オーストリアを離れても嫁ぎ先へ連れてゆける唯一の友として。冷淡な夫、厳格な教育係、衆人環視の初夜……。サービス精神旺盛なアントワネットにもフランスはアウェイすぎた──。時代も国籍も身分も違う彼女に共感が止まらない、衝撃的な日記小説!

感想・レビュー・書評

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  • フォロワーさんの方々のレビューを拝見して知った本です。ありがとうございます。
    フォロワーさんがあんまり次々にレビューされて「面白い」とおっしゃられていたので、いささかこれは読む前の期待値が高すぎたと思います。

    確かに面白いです。この文体、ずーっとギャル語というかタレントのダイゴさんみたいな言葉遣いで、日記が1770年1月1日から(ちょうど250年前ですね!)始まります。最初は確かに新鮮だったのですが、後半になると私は「普通の文章が読みたい…」と思ってしまって…。

    マリー・アントワネットのことは歴史で習ったのと、やっぱりご多聞にもれず『ベルばら』は愛読していたので、その知識はありました。岩波文庫の『マリー・アントワネット』を書店で見ると、読んでみたいといつも思っていたので、その手間が省けたとは思いました(違うか)。
    マリー・アントワネットは王太子のこともちゃんと好きだったのですよね。上巻の最後にフェルゼンは登場してきましたが、トワネットちゃんは悪妻みたく言われていますが、悪妻ではないです。
    14歳で他国の王太子のところに政略結婚でお嫁にいくなんて、日本で14歳といったら中二病やら、高校受験もまだの時期に王太子妃としてきちんとふるまうなんて並大抵ではできません。
    寝室まで覗きに来る下世話な大人たちの中で15歳の王太子に14歳の王太子妃では、とてもお気の毒というか可哀想でした。今の時代と違うからそういうこともあったのかもしれませんが。王太子もとても誠実な人がらです。トワネットちゃんはそしてとても可愛い方ですね。モーツァルトとの逸話もちゃんと出てきます。
    フェルゼンが最後に出てきたので、また話が違う方向に盛り上がるのかなと期待してますが『ベルばら』ファンとしてはオスカルもアンドレも出てこないので(あれは創作ですが)上巻は今のところ「うーん」でした。

    • まことさん
      マリー・アントワネットの博物館があるのですね!
      知らなかったです。非業の最後でしたが(下巻はまだ読んでいませんが)人気があるとは、よかった...
      マリー・アントワネットの博物館があるのですね!
      知らなかったです。非業の最後でしたが(下巻はまだ読んでいませんが)人気があるとは、よかったです。
      2020/01/02
  • けみおとかフワちゃんの流暢なギャル喋りが好きかつ、あやふやなベルばらあたりのフランスの歴史をちゃんと知りたい私にはぴったりなハイブリッド作品。
    ギャル語、オタク寄りネットスラング、たまに文学的表現が入り混じる文体はクセがすごいけど、なんかハマってあっという間に読了した。

    誰それに声をかけるだのかけないだの、誰と誰がヤっただのヤってないだの、政治の緊迫と比べるとあまりにもくだらない小さな事で大袈裟に一喜一憂するヴェルサイユのこの感じ、まるで中学の教室みたいだ。
    いい大人の醜悪な大騒ぎに巻き込まれて、実際のマリー・アントワネットもしんどかったんじゃないかと思う。

  • 現代JK(しかもオタク寄り)な感覚のマリー・アントワネットが14歳で政略結婚でフランス王子に嫁ぐ事が決まった所から綴り始めた日記。パリピでウェーイな性格のトワネットちゃんが絢爛豪華だけどしきたりに縛られまくる王宮での生活や、群がってくる貴族達の魑魅魍魎っぷり、自分に興味を持ってくれない夫とのすれ違いの日々をネットスラングや絵文字満載で愚痴を吐きまくるのが楽しい。2ページ毎にスラングその他が脚注で真面目に解説されるのがまた楽しい。その分14歳なんだからそりゃお子様だよな、なのに色々渡り合わないといけない立場になってしまった彼女の不幸も立ち上がってくる。生活安定してきた?と思った所で「A」が登場し先王崩御で夫はルイ16世に。波乱しかない下巻へ。

  • マリアと名付けた日記帳に語りかけるようにつづられる、日記形式の小説。

    とてもおもしろくて、一気読み。

    ギャル語、スラング、顔文字、絵文字を多用した、テンション高めの文章。
    遠い昔の歴史上の人物ではなく、いきいきとした14歳の女の子。

    アットホームでのびのびとしたオーストリアの宮廷育ちの女の子が、エチケットとルールでがちがちのヴェルサイユ宮殿に押しこめられる、窮屈さ。
    鬱屈、発散、ときめき、駆け引き。
    その心理は、現代にもそのまま通じる。

    ひとりの女の子の感情が爆発していて、ほほえましかったり、笑ったり。

    「軽薄で無神経なエロジジイ」ルイ15世。
    「チャラい」アルトワ伯。
    「イケイケドンドン」グラモン公妃。

    彼女の目を通してみると、どの人物も「現代にもいるいる」といった感じで、身近に感じられる。

    とにかく楽しい作品。

    1巻は、ルイ15世の崩御まで。
    続きも楽しみ。

  • 『これはなかなか良かったょwwwマジワロタ』
    という感じの文体で、フランスに嫁ぐ直前からその後をマリー・アントワネットが綴る、かなりトビトビの日記(日付けも内容も)。
    おばさんには判読不可能なギャル語?にも見開き同ページ内に脚注があるので、今どきのJC(女子中学生)と日々顔合わせる身には有難い。

    この本面白おかしいだけでなく、きちんと史実に基づいて書かれているところがミソである。マリーの素朴な一面も垣間見る事が出来、「ベルばら」とはまた違う角度からの視点を楽しめる。
    中学校図書館にどうかと思ったが、ちょっと早いかなぁ…。やはり、表紙だけでは読んでみないと分からない。でも下巻も読んでみたい。
    2019.10.13

  • 今ドキな、ネットスラングバリバリなギャルのノリで描かれたマリー・アントワネットの日記。吉川トリコさんなら間違いないだろう!とは思いつつ、発想があまりにも斬新なので、ついていけるだろうかと不安だったが…。あら不思議!かえって内容がするすると頭に入っていくのだから!おちゃらけたギャルのノリで語られるからこそ、等身大のアントワネットの心情がリアルに伝わってくる。一見軽いようだけど、とことん史実に忠実なのが素晴らしい。今ドキ&等身大というところで、ソフィア・コッポラ監督の映画「マリー・アントワネット」を思い出した。
    そして、斉木久美子さんによるカバー装画&登場人物イラストがすごくかわいらしい!最高です。これまで色々なアントワネット絡みの小説・マンガを読んできたので、今後の展開がどうなるかなんてわかりきっているのに…それでも、続きが気になって気になって、Ⅱ巻のBleuを買いに本屋に走りました。そこまでハマるとは自分でも意外。
    本書がアントワネットもの初めてというリアル十代の感想も知りたいところ。そして、文体が苦手と思われるかもしれないけど、ベルばら世代にも是非お勧めしたい。ちゃんと注釈あるし、「積木くずし」とか懐かしいネタも時々ぶっ込まれているので飽きません(笑)
    まだまだ知らないアントワネットの一面があるのだなと今更ながら気付かされ、改めて、魅力的なキャラクターだなと思うのだ。

  • レビューは『Ⅱbleu』にて。

    • やまさん
      おはようございます。
      きょうは、快晴です。
      体に気を付けていい日にしたいと思います。
      やま
      おはようございます。
      きょうは、快晴です。
      体に気を付けていい日にしたいと思います。
      やま
      2019/11/16
    • kazzu008さん
      やまさん。おはようございます。
      コメントありがとうございます!
      やまさん。おはようございます。
      コメントありがとうございます!
      2019/11/18
  • ブク友さんのレビューで知って。

    軽快なJK言葉で語るマリーアントワネット。
    そのマリーアントワネットが日記をつけていたら・・
    という内容。

    他の方のレビューが素晴らしすぎるので、興味のある方はぜひそちらを読んでください。
    私のは完全なる私的な感想です。

    わずか14歳でフランスに嫁ぎ(しかも政略結婚)思春期をあんな状況で迎え、いろいろ苦労したんだね・・と考えさせられました。でも

    〇ちょww。マジかww。

    的な軽快さで本当に気軽に読めてしまう。
    Roseはルイ15世が崩御し、ルイ16世が即位するところで終わったんだけれど、この先は・・

    下り坂だよね。でも、その暗い面をどうやってこのままの文面で進めていくのか気になるので、きっと読むんだろうなあ。

    宮殿の内部闘争も、人間関係大変デスネ・・でも今とあまりかわらないか。

    この本の面白さは私のレビューでは全く伝わらないので、ぜひ本編をお読みください。

  • マリー・アントワネット好きには衝撃的でわかりやすい。
    こういうのっていいかも。
    現代の若者言葉で、日記風に書かれてて、それこそ今の子達に読んでもらって、こっから歴史に触れられる。
    だからアントワネットに限らず、いろんな歴史上の人物であったら面白いかも。

    歴史上1番有名と言っても過言ではない彼女の生涯をとっても可愛らしく、わかりやすく書かれてて本当に面白い。
    表紙も可愛いしね。

  • 友達みたい!の一言につきます
    とにかくトワネットのそこらへんにいそうな女子高生感がすごい。いるもん、私の周りもこういう子。
    トワネットの考え方とかも好きだし(疑問を持たないって言う割には心の中深いよね笑)論理感も好きで、共感の嵐がびゅーびゅーです。
    身近感がヤバい!
    しょーじきベルばら読んだあとに読むのもキャラ崩れてなんかなぁと思っていたのですがホントに最近のJK感やばいので(しつこい)ベルばらのアントワネットとは別人の感覚で読めました(いやそれで良いのかと言われたらなんとも言えませんが(• ▽ •;))

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著者プロフィール

1977年生まれ。2004年「ねむりひめ」で<女による女のためのR-18文学賞>第三回大賞および読者賞を受賞、同作収録の『しゃぼん』でデビュー。著書に『グッモーエビアン!』『戦場のガールズライフ』『ミドリのミ』『ずっと名古屋』『マリー・アントワネットの日記 Rose』『女優の娘』『夢で逢えたら』『あわのまにまに』など多数。2022年『余命一年、男をかう』で第28回島清恋愛文学賞を受賞。エッセイ『おんなのじかん』所収「流産あるあるすごく言いたい」で第1回PEPジャーナリズム大賞2021オピニオン部門受賞。

「2023年 『コンビニエンス・ラブ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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