あなたとなら食べてもいい (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 2109
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101802268

作品紹介・あらすじ

一緒に食べる時間は贅沢なドラマかもしれない。穏やかな食卓を囲む二人に潜む秘密。盗まれたエクレアが導く驚きの結末。最後の砦のような居酒屋に集う人々の孤独。減量に奮闘する女性が巡り会った恋。美食の上で繰り広げられる女同士の舌戦。幼なじみと再会して作る菓子の味。駄菓子を食べ合う瑞々しい初恋とそれを眺める大人達の切ない祈り……。7人の作家がこしらえた、色とりどりの食べものがたりに舌鼓を打つ絶品アンソロジー。

感想・レビュー・書評

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  • 私には合わない感じでした
    ストレートにhappyで美味しい話よりも、屈折した話しが多かった

  • 「くろい豆」千早茜、「消えもの」遠藤彩見、「居酒屋むじな」田中兆子、「サクラ」神田茜、「アドバンテージ フォー」深沢潮、「ほねのおかし」柚木麻子、「フレッシュガム 夜空に泳ぐチョコレートグラミー番外編」町田そのこ

    それぞれ個性的な7編。
    タイトルと表紙から甘い雰囲気を想像していましたが、全く違いました(笑)

    「くろい豆」は不倫女性の心の機微が丁寧に綴られていて印象的でした。
    「サクラ」はアラフォーの売れないタレントが雑誌企画でダイエット。ダークな感情でいっぱいだったのに、結末は爽やか。
    「アドバンテージ フォー」は大学時代の友人だった女性同士のマウントの取り合い。こういう意地の悪さ、なんかリアルかも。
    番外編の「フレッシュガム」は高校生になったあの子の淡い恋。短くてもう少し読みたかったです。

  • 7人の作家による食にまつわるアンソロジー短編。

    くろい豆
    ダラダラした関係の二人、二人が幸せならいいけど…

    消えもの
    ドラマの中で使われる食べものや飲みものなど「消えて」しまうものの総称。初めて知った。
    俳優さんたちの話だったけど、あまり好きでなかった。

    居酒屋むじな
    なんだか、一番印象的なお話だった。
    多分、発達障害か何かだろーなと思われる人が店主の居酒屋。
    決して接客が良いわけでもないが、なぜか常連の皆集まってくる居酒屋。新客がきても追い出したりする店主。
    ビールと酒しかおかない居酒屋。

    サクラ
    売れないタレントがダイエットのダイエット企画に挑戦するが実は読者代表としての役。
    それでも、お世話になった整体師とウォーキングをして体質も改善され性格も変わり、そして整体師と恋に…
    うまく出来すぎた話だ。

    アドバンテージ フォー
    40代の主婦が学生時代のテニス仲間と会って心の中で何を思っているかの探り合い。
    自慢したり妬んだりとかいろいろあるが。
    最後は一人競り勝つ女性。
    そう、テニスも思えば一番強かった。

    ほねのおかし
    幼なじみと再会する話。
    お互い幸せな家族だったのに、再会してみれば親が離婚。
    なんで、疎遠になったのかとか思い出す。

    フレッシュガム
    夜空に泳ぐ〜の番外編。
    それ自体読んだことないから分からない…

  • 実は他人様が食べているのを眺めるのが好き。。。

    千早茜/著、遠藤彩見/著、田中兆子/著、神田茜/著、深沢潮/著、柚木麻子/著、町田そのこ/著 あなたとなら食べてもいい—食のある7つの風景— | 新刊情報既刊情報来月新刊 | 新潮文庫nex
    https://www.shinchobunko-nex.jp/books/180226.html

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      7人の女流作家が描く7つの物語のキーワードは”食”『あなたとなら食べてもいい』 | GetNavi web ゲットナビ
      https://ge...
      7人の女流作家が描く7つの物語のキーワードは”食”『あなたとなら食べてもいい』 | GetNavi web ゲットナビ
      https://getnavi.jp/book/703439/
      2022/02/16
  • 「町田そのこ」さんの作品をe-honで検索し、見つけたのが本書で、作家7名のアンソロジーとのこと。
    以下、町田さんの収録作品のみに関する感想です。
    収録されている作品名を見ると『フレッシュガム』とありますが、何よりも目を惹いたのは、(すごくすごく)好きな町田さんの作品である『夜空に泳ぐチョコレートグラミー』(以降、『夜空に』)の番外編だということ。
    これは直ぐに読まねばならぬと、近くの書店に行って購入してきました。
    『夜空に』の番外編とあるとおり、さっちゃん・啓太と芙美・沙世の登場に歓喜すると共に、ガムとその匂いに関する『夜空に』の描写場面を再読しました。
    勿論、2作品の状況は異なりますが、「りゅう」と「さっちゃん」、「啓太」と「石田」のガムとその匂いに関する文章・場面が『夜空に』とシンクロし、醸し出される余韻にしばし放心状態でした。
    それを、僅か8ページで表現する町田さん、本当に恐るべし!
    特に、「さっちゃん」が「啓太」にガムのことを「知ってんの?」と訊かれ、

    さっちゃんはとても大切なものに触れるようにガムを取り、「すごくすごく、知ってる」と言った。
    「生産中止になったって知ったとき、すごく哀しかったんだ。もう永遠に食べられないかと思ってた」

    には、完全にやられました。
    「りゅう」が早く「さっちゃん」の元に帰ってくることを祈る気持ちにならざるを得ません。
    (このままの方が幸せかもしれませんが)
    最後に、「啓太」をはじめとする『夜空に』の主要な人物は、これからの作品にも登場してくれる(はず)と勝手に期待していますので、その日が来るまで首を長くして待っております。

  • 町田さんの「夜空に泳ぐチョコレートグラミー」の番外編が読めると聞いて。

    7つの食べ物絡みのアンソロジー♬
    「あなたとなら食べてもいい」ってタイトルだけど、内容がちょっとズレてる話が多かったような、、笑

    田中兆子さんのお話がちょっと不思議な感じもあって、印象的でした。
    千早さんのお話も好き。
    町田さんのお話は予想以上に短すぎたけど、チョコグラに出てきたあの人やこの人が出てきてテンション上がったな〜♡
    でも知らない人にはあんまりよく分からない話かも。。

  • 町田そのこさんの『夜空に泳ぐチョコレートグラミー』の続編を読みたくて購入。面白かった!

    千早茜さんの作品も好き。

  • 7人の小説家が短編で綴る作品
    表紙が美味しそうで購入したけど…美味しい話ではなくいろいろな女性の物語
    あなたとなら食べてもいい
    食べてもいいって感覚がこの本に詰まってる感じかな?
    モヤモヤする作品から素敵な恋の話まで

  • 千早茜さんと町田そのこさん目当てで手に取った。
    食のある7つの風景。
    おいしそうなタイトルと装丁に、てっきり甘くて幸せな話ばかりかと思っていたけど全然そうではなかった。
    むしろ大人で、苦いものばかりだった。

    「あなたとなら食べてもいい」という題にしっかり沿っていたのは千早茜さんだけだった印象。
    個人的にすきだったからそう感じたのかもしれない。

    「お腹がいっぱいなのがさびしいのではなく、食べても食べても埋まらないことがさびしいのかもしれない。」(33ページより)。
    わかるなあ…

  • 小説新潮2014年3月号千早茜: くろい豆、サクラ:神田茜、柚木麻子:ほねのおかし、6月号深沢潮:アドバンテージフォー、2018年5月号田中兆子:居酒屋むじな、2019年3月号遠藤彩見:消えもの、書き下ろし町田そのこ:フレッシュガム、の食欲をテーマにした7つの短編を2021年11月新潮文庫から刊行。新潮の特集【食欲vs.性欲】という14人の競作に味をしめたのか。苦味のある話が多く、読む前のイメージとは違っていた。その中にあって、「サクラ」の前向きなラストが光ります。

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著者プロフィール

1979年北海道生まれ。2008年『魚神』で小説すばる新人賞を受賞し、デビュー。09年に同作で泉鏡花文学賞を、13年『あとかた』で島清恋愛文学賞、21年『透明な夜の香り』で渡辺淳一賞を受賞。他の著書に『からまる』『眠りの庭』『男ともだち』『クローゼット』『正しい女たち』『犬も食わない』(尾崎世界観と共著)『鳥籠の小娘』(絵・宇野亞喜良)、エッセイに『わるい食べもの』などがある。

「2021年 『ひきなみ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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