ヘッセ詩集 (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (211ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102001196

感想・レビュー・書評

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  • 小説よりも自由で、ヘッセという人物の文体が限り無く課されていると思う。詩人になりたくてしょうがない、詩を書くより他ないと知った少年の心根が最初から最後までにじみ出ている。
    永遠の旅人。とどまることのできない時の中で、失われていった青春への憧れとのはざまを漂いながら今を過ごしていく。どこまでいっても今を生きていたから、時間の経過で詩人として成長していく様というよりかは、はじめから、ずっと一貫して流れていく様を見つめているといった感じ。何にもなじめず、どこにも安らぎを見いだせず、そんな自分を抱きしめるより他ない、やせっぽちの少年。
    小説では、じっくり考えて構成して、ひとつの表現を獲得していくのに対して、ヘッセにとっての詩は、とめどなく流れていく心の動きそのもの、そんな気がしてならない。
    失われたはずなのに、どうして懐かしさだけがこうして胸を刺すのか。戻れないと知りながら、求めずにはいられない。その微妙な人間のやりきれなさ、機微をとらえる力こそ、ヘッセがヘッセたる所以であると思う。迷いながらも歩き続ける、どこかで耳をふさいでしまいがちな、そんなことば紡ぎ直す、詩人の力が生きている。
    いつか、彼とともに歩んだドイツ語でじかに感じてみたい。

  • あまりにも味わい深かったのでドイツ語を購入。

  • 逞しいまでの生命力に満ちた作品。
    一読の価値があった。

  • あまり体調が良くなかった。テレビやスマホを見るのもつらく、音楽を聴く気にもならず、かと言ってただ寝ているのも暇を持て余す。読書でも、と思ったがビジネス書に有りがちな「ああせよ、こうせよ」という文言を見るのも厭わしく、詩集に手を伸ばした。
    憂鬱、空虚、孤独、諦め、死。日常生活で避けられがちな言葉をふんだんに使いながら、詩には淡々とした優しい響きがあって、粥のように体に沁みた。ありがとう、ヘッセ。一番のお気に入りは「私は、太陽や海や風のように白いもの、定めないものが好きだ」が印象的な「白い雲」。

  • たまには詩集も

  • 「雲」のような自然が流れていく境地を期待したが、厭世的な哀しさを感じた。

  • 「どこかに」の頁を目にしたときは、やっぱり感動した 持っていたい本

  • ブックオフ105円

  • 詩人になれなければ、なにものにもなりたくないと言ったとされるヘッセの詩集。
    穏やかな心持ちで人生というものを見つめる1人の人間の心が見えてくる作品集。

  • 人生の支え。

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