若草物語 (新潮文庫)

  • 新潮社
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本棚登録 : 794
感想 : 51
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  • Amazon.co.jp ・本 (464ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102029039

作品紹介・あらすじ

虚栄心はあるが温順で信心深い長女メグ、独立心が強く活発な次女ジョー、心優しくはにかみやの三女ベス、無邪気でおしゃれな四女エミイ-ニューイングランドに住むマーチ家の四人姉妹は、南北戦争に従軍した父の留守宅で、母を助け貧しいながらも誠実さと希望をもって、懸命に暮す。著者の少女時代を題材に、人間として成長していく四人姉妹の複雑で微妙な心の動きを捉えた感動作。

感想・レビュー・書評

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  • 世界の名作を読むGW最終日。

    生きることは楽しいことばかりじゃないし、生まれも環境も、色々と子どもには自分で変えられない運命もあって、その中でもがきながら楽しみ、幸せを見つけていくストーリー。生きる勇気とか、幸せの見つけ方を教えてくれる。
    ヨーロッパの作品かと思いきやアメリカの作家さんの作品でした。アメリカは多民族国家だから、この物語の中にも色んな価値観や多様性が出てくる。

    読み終わりはスッキリ、ハッピーエンドが嬉しか感じる清々しいものでした。

  • グレタ・ガーウィグ監督の映画が最高だったので、原作を読んでみた。
    新潮文庫から出ている松本恵子訳。
    かなり古い訳です。登場人物のせりふが「~ですわ!」「~したまえ」という調子。
    グレタ・ガーウィグの現代的な解釈から入った自分は最初ちょっと違和感を覚えました。
    が、その文体に慣れてくると、グレタ・ガーウィグ版が原作にきわめて忠実なことがわかりました。

    内容はいわずとしれた四姉妹の日常と成長を描いたお話。
    育ち盛り・わがままざかりの女の子たち(+男の子)の描写が見てきたようにリアル、というか、オールコット自身とその家族をモデルにしているので本当にリアルです。
    年相応に失敗したり争ったり泣いたりしながらも「善く生きよう」とする様子が、ほほえましくも胸打たれます。じぶんもちゃんと生きねば、と思わされます。
    この本における「善く生きる」はキリスト教的な道徳が色濃く、なじみづらい部分もあるんだけど。若者たちの描写にリアリティがあるので、文化の違いを超えて共感できました。
    <https://indoor-continent.blogspot.com/2020/10/9.html>

  •  児童文学1冊目は、やっぱり本がボロボロになるまで何度も読んだ『若草物語』から。どのエピソードも大好きで、情景が鮮明に頭に浮かんでくる。冒頭のシーンはまるで本当に絵画を眺めているよう。特に好きなのは散々な昼食会や巡礼ごっこ、憧れの塩漬けライムなど。
     教訓がたくさん詰まっているのに決して説教めいておらず、貧しくても日々の生活を姉妹で楽しく勤勉に過ごしているところに憧れを感じる。
     訳が古いのと挿絵がないのが気になるので、やはり児童文学は児童向けで読まねば。昔読んだものは、戦慄のエイミィ川ポチャシーンや鼻洗濯バサミなど素敵な挿絵がたくさんあった。これぞ!と思える『若草物語』に出会いたい。

  • 如何なる才や富よりも、家を温かく楽しくすることこそ最も大切である事。
    そのための勤勉勤労の素晴らしさ。
    誠実であることの尊さ。

    今を生きる人が道を見失ったら、何が大切が思い出せなくなったら、今一度読んでほしい名作です。

  •  四人姉妹の物語に興味を持って読み始めたが、思ったよりも好きになってしまい連続で二周した。慎ましい暮らしなのに鮮やかで楽しく感じてしまうのはなぜなのか。何気ない生活だけど、そこには大切なものが詰まっている。何度でも読み返したい物語だった。他の訳も読みたい!

  • 綺麗な言葉遣いに風景描写。性格は違えど全員愛を与えられながら同じ場所で育ったことが伝わってくる。四姉妹の中で自分を重ねるなら、貴婦人を目指そうと背伸びしつつもどこか抜けているエイミー。

  • 2021.07.31 #026

  • 素直で清らかで健全で、読んでいる時も読み終わった後も、心穏やかになれる作品でした。
    尊敬できる両親と、支えとなる神の教え、そして温かく見守ってくれる隣人の老紳士や召使い。
    金銭的には貧しくても、心豊かに真っ直ぐ育つための環境が最初から整っている状態ですが、だからこそ過度に心乱されることなくするする読めて、個人的にはとても良かったです。
    四姉妹ひとりひとりが、父不在の中で心身を成長させていく一年間、クライマックスの、それぞれがどのように変わったか、その変化がとても気持ち良くて、幸せな気持ちになりました。
    心がとげとげた時には、また読み返したいです。

  • お母さんが素晴らしい。日本訳がすごい昔風で違和感があったけど、読み進めていくうちに気にならなくなりました。三女のベス、私は病死すると思ってたんだけど、勘違いだった…。

  • NDC(8版) 933

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著者プロフィール

ルイザ・メイ・オルコット(Louisa May Alcott 1832‐88)
19世紀を代表するアメリカ女性作家。ペンシルヴァニア州ジャーマンタウンに生まれる。教育者・哲学者の父親エイモス・ブロンソン・オルコットと、奴隷制反対運動に関わっていたメイ家の出身であるアビゲイル・メイの次女として生まれる。マサチューセッツ州コンコードで少女時代を過ごし、ラルフ・ウォルドー・エマソンやヘンリー・デイヴィッド・ソローと交流があった。南北戦争時には北軍の看護師として従軍。南北戦争後に『若草物語』(1868)を出版し人気を博す。『若草物語』執筆前(1866)に、A. M. バーナード名義で大衆向けのスリラー小説を出版していたことが、20世紀にはいって明らかになった。

「2021年 『仮面の陰に あるいは女の力』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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