- Amazon.co.jp ・本 (297ページ)
- / ISBN・EAN: 9784102102039
感想・レビュー・書評
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ノーベル賞作家フォークナーの、短編8作品を収録。「バーベナの匂い」がすごく好きだ、と思っていたら、解説で訳者の龍口氏が同じことを書いていた。ベイアードのような強さが好きだ。勇気がなくて殺さないのではなくて、殺さないことが勇気なの。
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うーん、ノーベル文学賞受賞作家ねぇ……ま、これが文学ってやつなんでしょう。正直言って、読んでいて面白いと思える作品はないし、読後感も取り残されたような、物足りないような、やり切れないような、決してすっきりさせてくれるもんではない。
むしろそういうものなんであって、エンタメ的な面白さを求めてこの作家の作品を読むのは間違いなんだろう。 -
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予想通り「バーベナの匂い」にやられた。有名な「エミリーに薔薇を」もよい。滅びの予感。
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かつては移民奴隷の黒人が、どうして土着人として生きられようか? 絶えざる亡命者のような動きをみせるフォークナーのテクストは、ジェファソン郡ヨクナパトーファという架空の場所を舞台にどこへも行かない。どこにも行けない。行けないと同時に、そこはどこでもありうる。フォークナーの動きはけっして動いていない。矛盾する。だが、とどまりながら動いている。エスカレーターのように、場所そのものが動いている。
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『バーベナの匂い』という短編が一番好き。