燈台へ (新潮文庫)

  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (287ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102107010

感想・レビュー・書評

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  • 灯台の話というと、レイ・ブラッドベリの素敵に孤独な短編、「霧笛」が思い出されます。

    ストーリーは殆どありません。三部構成で、「灯台へ行きたい」午後半日⇒時間経過⇒10年後の午前半日。

    ネチネチと纏綿と絡みつくような描写も、私のような粗忽者にさえ、選び抜かれた語彙の力と文章の鋭さで読み飛ばしを許さない。ヒタヒタと寄せて寄せて寄せる波のように延々と続く第一章を抜けたら一気呵成に物語は勢いを増し。

    第一章で世界の中心だったラムジイ夫人は既になく、彼女を恋うて慟哭するリリーの激しい怒りと苦悶が突然吹き上げ。そして波が引くように静謐が戻り。

    なんなんだ、この不思議な読後感は・・・?

  • 窓・時は逝く収録。
    決してとらえることのできない、とらえたかと思う瞬時に、逃げ去る幻影《ヴィジョン》。『燈台へ』の作中人物は、それを追いつづける。

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著者プロフィール

1882年―1941年、イキリスのロンドンに生まれる。父レズリーは高名な批評家で、子ども時代から文化的な環境のもとで育つ。兄や兄の友人たちを含む「ブルームズベリー・グループ」と呼ばれる文化集団の一員として青春を過ごし、グループのひとり、レナード・ウルフと結婚。30代なかばで作家デビューし、レナードと出版社「ホガース・プレス」を立ち上げ、「意識の流れ」の手法を使った作品を次々と発表していく。代表作に『ダロウェイ夫人』『灯台へ』『波』など、短篇集に『月曜日か火曜日』『憑かれた家』、評論に『自分ひとりの部屋』などがある。

「2022年 『青と緑 ヴァージニア・ウルフ短篇集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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