ブラームスはお好き (新潮文庫)

  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (175ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102118047

感想・レビュー・書評

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  • 結局好きだったって思いたかった。
    ってことなのかな
    寂しかったけど時おり見せる優しさの「優しさ」の部分に惹かれていたであろう思い出が美化されてた、よくいる所謂「沼」にはまった女の人のような気がした。最後40手前になってまで、その時の自分を信じるのは少し自分には共感できなかった。
    けど考えさせられることはたくさんあった。
    登場人物のちょっとした感情の揺れの表現がうまくて、引き込まれた。変な癖がなくて読みやすかった。

    恋愛ってどれだけ相手と通じてるって思いたくてもそれは単なるエゴで大抵はずれてるけど、少なくともお互いに通じ合いたいと思い合う関係性でいたい。

  • 久しぶりに胸がきゅっとなった、甘くほろ苦い物語。ロジェに対するポールのやりきれない気持ちの言語化が好き。訳のおかげもあるだろうけど情景描写も心理描写もおしゃれ。
    欧米では年齢で女性の価値は変わらない!みたいなことをネットで見た気もするが、時代が違うとはいえ今日本人女性も感じるような心の揺れが描かれている。

  • ポールは結局のところ、ロジェを選んだんだな。
    或いは、選ばざるを得なかったんだな。

  • 山田詠美『トラッシュ』的。
    悶々とした移ろいの情念を思い起こさせる作品。
    パリのブルジョアへの理解が乏しいためか感情移入が難しい。

    1日のうちのほんの数時間のために生きてきている。それはあくまで普遍的な事実である。

  • これが元祖壁ドンか...?というシーンあった

  • パリの男女の恋の話。くどくないのに丁寧な描写に引き込まれました。悲しみよこんにちわと同じく、ハッピーエンドじゃなくて、でも悲劇とは違って、ただ、読み終わった後に心に消えない小さい傷を残してくる感じ。
    強くかわいく自立した女でいたい、でも歳を重ねて誰かに頼りたくなる弱る心。主人公と年齢が近く、そんな複雑な気持ちに共感しました。

  • 主人公達の恋愛心情が些細な事で微妙に変化するので、何が幸いし災いするか、フランス人がそうなのか著者の作風がそうなのか分からないが、相手に常に評価されてる様な感じもして、気疲れがした。ただし元来、筋を追うモノではなく、なんとなくパリの風景と男女間の空気が愉しめれば良い作品。何でもない(としか思えない)タイトルの文言は、ヒロインに刺さった台詞として出てくるが、その訳の分からなさを味わえるか否かで、好みが分かれそう。主人公の年齢が高めなのもポイント。

  • 最近読んだ本で1番好き

  • 読んでる間中、すごい、と思っていた。
    なにかとてつもないことはまったく起きないけれど、男女の感情がこんなに揺れ動いている様がずっとずっと味わえるのは本当にすごい。
    だれも死なないのに、心が引き裂かれそうに悲しくなったり、寂しくなったり諦めたり、依存したり、そんな心模様が心理描写だけでなくて行動やちょっとした眼差しにもありありと描かれている。
    男と女の身勝手さや感覚の違いがこんなにもわかりやすく確実に描かれてることって他にあるんだろうか。しかもまったく嫌味たらしくなくてありのままの姿が見えてくる気がするのがすごい。
    とにかくすごいものを読んだ気持ちでいっぱい。

  • 今更サガン。
    そして今更になったら手に入らないことを知る。

    日本近代文学時代を彷彿とさせる、出てくる人の余裕、生活の安泰、の上に成り立つ物語。
    いいじゃないの、いいんです。

    若い女がコレを書いたのが驚き。
    自分もいつか若くなくなるなんて、若い時には想像できないことなはずなのに。
    サガンの勇気に拍手。

    かくなる上は、古本屋をチェックね。
    こういう目標も面白いかも。

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著者プロフィール

1935‐2004。フランス、カジャルク生れ。19歳の夏、デビュー小説『悲しみよこんにちは』が批評家賞を受け、一躍時代の寵児となる。『ブラームスはお好き』『夏に抱かれて』等、話題作を次々に発表した。

「2021年 『打ちのめされた心は』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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