私たちがやったこと (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (257ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102149324

感想・レビュー・書評

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  • 小川洋子氏推薦の短編集。翻訳が柴田元幸ならきっとハズレはないと思って購入。表題作の「わたしたちがやったことは」お互いの為に片方が耳を、片方が目を潰しお互いがお互いを頼りふたりだけの閉じた世界で生活してる話だけど、谷崎の『春琴抄』のような雰囲気を感じる。小川洋子が好きな人にはぴったりの幻想的な愛のおはなしが詰まった短編集。203/225

  • 2011年1月、表題作ともう一篇のみ読了。

  • アメリカ現代特有の、乾いた、印象。柴田訳の妙はいくばくか。表題作が一番よかった。デルヴォーのイメージを想起された。

  • 表題作の短編「私たちがやったこと」

  • 柴田元幸氏訳。短編集。

    たんたんとした語り口だけど、情熱的に相手を愛する主人公に私は共感できた。何度も読みたい本となった。

    私は知らなかったけれど、レベッカ・ブラウンは有名なレズビアン作家。
    口絵の写真では男性に見えるけれど、読めばその女らしさがよく伝わってきます。

    表題作は米国の春琴抄。

  • 『結婚の悦び』『私たちがやったこと』『アニー』『愛の詩』『ナポレオンの死』『よき友』『悲しみ』収録。
    現実的・日常的な場面を描いているはずなのに、すごく幻想的で非日常的な雰囲気です。
    レズビアン作家というだけあって、恋人が男女を意味しないところも、独特の不思議な感覚を作り出しているのかも。

    『私たちがやったこと』で、互いが不可欠になるために、耳を聞こえなくした“私”と、目を見えなくした“あなた”は、
    二人だけの世界を作り上げようとして、二人だけの合図で、二人だけの濃密な関係を築いたはずなのに、
    次第に正常なはずの機能も歪んで、どろりと煮詰まったような感覚になっていくのがすごかったです。

    恋人同士の二人の世界が、外部の地位や名声が入り込むことでバランスを崩していったり、
    逆に外部との関わりを排斥して二人だけの世界を完結しようとするあまり、内側からバランスを失ってしまったり。
    それはリアルだなと思いました。

  • ・誰かの日常の断片がとても抽象的・主情的に描かれている。登場人物に特定の名称をつけないでストーリィを展開させていく手法が多い様。
    ・女の人の作品かな?と思いながら読んでいたけれどやっぱり女性作家だった。ロマンティックでファンタスティック。
    ・内容は大きな括りで『愛』がテーマの短編7作。色々な形があるし、捉え方があるし、表現の仕方があるのだ。

  • 読んでいて、悪夢をみているかのような、それでいてとても甘美な感触の残る不思議な短編たち。
    『体の贈り物』とだいぶ雰囲気が変わっていたのでちょっとびっくりしたけれど、本の中の「よき友」には内容的に通じるものがあるのかな。
    この人のつむぐ物語は小説ならではのものだと思う。例えば映画などで映像化しようと思っても、全く意味のわからないものになるか、はたまた最高に陳腐なものになるかのどちらかだろう。だれかに挑戦して欲しいなぁとは思うけれど。

  • 表題作である「私たちがやったこと」と「結婚の悦び」は良かったかな。これらの不思議でちょっと不安?不気味?な感じがちょっと良いと思った。

  • 有名なレスビアンと分類されている作家らしい。

著者プロフィール

1956年ワシントン州生まれ、シアトル在住。作家。翻訳されている著書に『体の贈り物』『私たちがやったこと』『若かった日々』『家庭の医学』『犬たち』がある。『体の贈り物』でラムダ文学賞、ボストン書評家賞、太平洋岸北西地区書店連合賞受賞。

「2017年 『かつらの合っていない女』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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