- Amazon.co.jp ・本 (466ページ)
- / ISBN・EAN: 9784102167045
感想・レビュー・書評
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作風が変わったのかな、と読み始め、しかし一気に読了のおもしろさ。おもしろさ?麻薬の中毒ににているかも。毒されながらもやめられないという。
第一章の「ワシントンDC」なじみ(主人公たち)のゆくえが興深く、活劇のスピードを読み終わると、第二章「フィレンツェ」
実際フィレンツェに観光で行ってるものだから、なんとも魅力的な章。ヴェッキオ宮殿!思い出した、思い出したドゥオーモ、ウッフィーツィ美術館、そしてアルノ川。しばし自分の追憶に浸ってしまう。
トマス・ハリスのうまい作家技。それだけでなく描かれているのは、悪業を追う女性捜査官に降りかかる同職たちの出世、野心、エゴの波。正義に立ちはだかる不条理も味わってしまう、共鳴をよぶ。
もちろんストーリーの展開にもあっと驚いた。
だんだん気持ち悪くなってくる描写もあるにはあるが、そこはそれ麻薬的の魅力があるんだね。ちょっと恐い。
続く『ハンニバル・ライジング』は評判よくないようだけれど、『レッド・ドラゴン』『羊たちの沈黙』『ハンニバル』と各独立の一書と思えば興味わく。 -
原題 HANNIBAL
7年の時を経て(作中で)再び回り出す歯車。
レクターとスターリングは、たぶん二つの隣り合うパズルのピース。認識してるかしてないかの違いはあるけども…というのが最後の第六章「長いスプーン」を読んだ(ショックから立ち直った)後の、行き着いた感想。
レクターもスターリングも、なぜそうなった?ではなく、もともとそういう〝存在〟だったと考えれば腑に落ちる…かな。
それにしてもここで長いスプーンとは…天国と地獄、どっちだろ。
なぜハンニバルという名前にしたかも気になって調べてみた。バアル(嵐と慈雨の神)の恵み、という意味があるみたい。悪(嵐)と善(慈雨)の恵み、としてみると、二人を象徴してるようで面白い、かな? -
感想は上巻に
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映画とは少し、いやまったく違う。
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わぁーっ!クラリスぅ〜!!!
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クラリス…、そのラストはないだろう。
こうなったら、もう一度グレアムに出張ってもらうしかないんじゃないの。 -
クラリスとレクター博士の関係性の終着点。メイスンの最期はショッキングなかたちだったけど、これがカルマなのか。決してハッピーエンドではない。
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これは知識人じゃないと世界観が楽しめない。教養がないと細部まで穿つことができない。表層だけ滑ってしまうと、ただの人喰い博士のグロ話。そんなB級作品としてしか読めなかったのは、はい、私です。
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2015.8.24
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終わりは映画の方が好き。
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2015/2/22
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第三部 新世界へ
第四部 恐怖のカレンダーの注目すべき出来事
レクター博士はホーキングの業績を高く評価しており、数学の専門誌に発表される彼の論文を可能な限り綿密に読んできた。この宇宙はいずれ拡大を止めて再び縮小に転じ、エントロピーも逆転するかもしれない―ホーキングがかつてそう信じていた時期があったことをレクターは知っている。しかし、ホーキングはのちに、その説は間違っていた、と公言したのだ。
第五部 肉、一ポンド
「いいか、博士、約二十分後に、われわれは今夜のディナーの最初のコースを豚どもに振る舞う予定だ。それはお前の両足なんだがね。それがすんだら、おまえとおれで、ちょっとしたパジャマ・パーティーをやる。そのときにはおまえの背もかなり低くなってるだろうから、子供用のパジャマで間に合うだろう。コーデルがおまえにちゃんと生かしつづけてくれるはずだから、心配無用だ―」
第六部 長いスプーン
「いいかね、クラリス、お父さんはきみの幸福と安寧のみを願っていたんだよ」
「きみのお父さんはすでに亡くなっているな、クラリス。それは、だれよりもよく、きみが承知しているはずだ」
「ええ」
「さあ、入って、お父さんに会いたまえ」
ツイン・ベッドには、クラリスの父の骨が並べられていた。肋骨に長い骨が組み合わされ、それがシーツで覆われていた。白い布に覆われた遺骨は、雲の上に子供が仰臥してつくった天使の押し型のように、浅い輪郭を描いていた。
感謝の言葉
ニッコロ・カッポーニは、フィレンツェとその芸術に関する深い知識を私に分け与えてくればかりか、彼の私邸であるカッポーニ宮をレクター博士が使用するのを許してくれた。 -
レクターがメイスン一味に捕まり、その危機を脱する巻。
しかし、上巻から出て来ている人を喰う「豚」ってどういう豚なんだろう。
イノシシみたいなものなんでしょうか?
映画は最後の脳みそ食べるシーンしか覚えてないんだけど、終わり方が全然映画と違って驚きました。
確か映画は、飛行機に乗ったレクターが、クレンドラーの内臓を隣の席の子供に食べさせる場面で終わっていたような気がします。
原作を読んで思ったのは、レクターがこんなにクラリスに執着していて、妹のことを反芻していたのだということ。
映画の「ハンニバル」でミーシャについての描写があったのかは覚えていないけど、レクターがこんなにミーシャへの気持ちを持ち続けているのだということにすごく切なくなりました。
やはりレクター大好きです。
クレンドラーが最後に食べられて本当にすっきりした!