善人長屋

著者 :
  • 新潮社
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感想 : 81
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  • Amazon.co.jp ・本 (258ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103003144

感想・レビュー・書評

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  • 善人長屋の住人たち、実はみんな訳ありで…
    これはドラマも観てみたい。

    お縫と文吉のやりとりも好きなのだけど、騙り夫婦の菊松とお竹さんがいいキャラです。
    こんな楽しそうに悪行をする人たちがいるだろうか。

    みんな裏稼業だけれど、心意気が善人。
    物語だからっていうのもあるけど,とんとん拍子に進んでいくのが楽しい。

  • これはいい。
    ファンタジーと呼べるほどに上手く事が進んでいくけど、そんなものは気にならないくらい設定と登場人物が魅力的。そして裏家業を持つ人たちの心意気というか、矜持というか、そこに心を打たれる。

  • ドラマで見て、原作が西條さんなのか!と思って読んでみましたら、とても良かったです。
    ドラマとちょいと違う部分もあったし。それがまた読んでいて楽しかったし、読んでみるとまた良いドラマ化だったんだなぁとしみじみ思う本でした。

    お縫ちゃん可愛い。文さんとどうにかなって欲しい(←


    この調子でまるまるの毬シリーズも実写化したら楽しいのになぁ…なんてね。

  • 話の流れがするすると繋がっていく。短編が書くのが上手い人の文章で、若い人が書いてるのかな?と思ったけれど、1964年生まれの人で驚いた。読みやすい。

  • 丁度間に合いました。今晩から始まるNHK・BS時代劇。

    前振りでこのドラマ「善人長屋」が始まると知り、時代小説など読んだことはないんですが、図書館で借りて読みだす。なかなか、面白い設定、表向きは善人だが、裏はみな裏家業を持つ悪党ばかり、そんな長屋に加助という男が転がり込んで物語が始まる。

    どの話もドキドキ、ワクワク、人情にあふれた長屋の連中にほっこりと。

    「人の運てはそういうものだよ。悪い運にはどこかに必ず、良い巡り合わせもついてくる。それをすくうことができるか否かは、その人次第だ」

    「決して嘘偽りを見抜けないわけではない。人の嘘や悪意から目をそらせ、善意だけを見ようとしている」

    善意と善人は、ちょいと違う、そんな気にさせてくれる「善人長屋」でおます。

    まずは、NHK・BS時代劇、毎週金曜よる8時、BSプレミアム、視ようと。

  • 裏稼業を持つ長屋の面々。そこに入ってきた善人の加助さん。必殺仕事人の様に格好良くないけれど、頼もしい。人情の厚さが重くならずにさらりと清々しい。

  • 面白かった!裏稼業を行う人々が集う長屋が中心の笑いあり涙ありの人情時代小説。長屋のたった一人の善人である加助の、過剰とも思える人助けぶりには少し思うところがあったのですが、ラストで明かされた事情で腑に落ちました。

  • 好きな西條さんの時代モノとはいえ、短編が好みではないせいか興に乗れないスタートだったが、犀の子守歌ではやられた。この一話だけでもこの本を手にしたことに満足。廓は誰もが知っているけれど、陰間茶屋という存在を知ってる人は多くはないはず…LGBTへの理解を持った人がその時代すでにいたであろうと思わせてくれる場面は感動した。そうだよな、生きやすいか否かについては時代の違いは大きいが、人の心の中の事に時代など関係ないのだろうな。

    怒涛のラストにたまげつつも、さすが西條さんだと納得…のはずが。どーなんだどーなんだ?これで正解か?若いお縫でさえ無理くりにでも落としどころを見つけたのに、それでも同調出来ない自分は短絡過ぎるのか?なんとも気持ちが晴れない読後観ざんした。

  • あなたが思う「善人」って、どんな人でしょう?
    困った時に泣きつくとなんとかしてくれる差配の儀右衛門は、人望厚く、その長屋は人呼んで「善人長屋」。そこに住まう人たちも力を合わせて、お困りごとを解決してしまう。さぞや善い人たちなのだろうと思いきや、みな裏の顔を持っていて…
    その善人長屋の空き部屋に、同じ穴のムジナのはずの加助が越してくるのですが、実はこの加助、どう見ても心底善人で…

    とてもよい人情噺なのですが、私は少し苦手かも。実際に私の身近に加助さんのような人がいたら、かなり辛いな。自分の腹黒いところを自覚させられるみたいで嫌になります。
    でも、加助さんにも心のうちに抱えたものがあるようです。続編も読みたいと思います。

  • 全員が裏稼業を持つ長屋の住人は、それをひた隠しにしながら日々、暮らしている。
    「善人長屋」と呼ばれるその長屋に、思い違いで入居した、錠前師の加助は、度を越すほどの善人で、それゆえに度々人助けをするが、その度に、長屋の人達を巻き込んでいく。

    差配の娘、お縫が、加助のお節介に同調し、それを手伝っていくうちに、だんだんと成長していく。

    続編もあるそうなので、楽しみ。

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著者プロフィール

1964年北海道生まれ。2005年『金春屋ゴメス』で第17回日本ファンタジーノベル大賞を受賞し、デビュー。12年『涅槃の雪』で第18回中山義秀文学賞、15年『まるまるの毬』で第36回吉川英治文学新人賞、21年『心淋し川』で第164回直木賞を受賞。著書に『九十九藤』『ごんたくれ』『猫の傀儡』『銀杏手ならい』『無暁の鈴』『曲亭の家』『秋葉原先留交番ゆうれい付き』『隠居すごろく』など多数。

「2023年 『隠居おてだま』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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