舞灯籠: 京都上七軒幕末手控え

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103007722

作品紹介・あらすじ

新撰組隊士、坂本龍馬、和宮降嫁の御用商人、会津藩家老…不倶戴天の佐幕派と尊王攘夷派、双方から贔屓にされた京の花街、上七軒。大義は一夜にして変わり、往来では血で血を洗うなか、舞妓と芸妓、女たちは、惚れてはならぬ男たちに身を尽くす。柔肌の熱き血汐を描く、俊英女流の連作時代小説。

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  • 明治初期の北海道を舞台に描くことが多かった蜂谷涼さんの新作は京都の祇園を舞台にした連作短編集。京都上七軒の屋形に務める芸妓の梅嘉・梅乃、そして舞妓の小梅。仕事故お座敷には壬生浪も来れば薩長の者も来るし、坂本龍馬も梅嘉の客であった。小梅の友人千代。梅嘉の友人ちとせ。この五人が五人、皆想い人を巡って別の道を歩もうとする。激動の時代に生きた男に命がけで惚れた女たちの哀しい物語。連作短編ならば時代はあまり動かないのが普通だけれど、1866年から1869年までをダイナミックに描いたのが特徴。

  • 幕末のなかで男を愛することを知った女たち。
    時に気高く、時に嫉妬深く。
    時代小説としては、読みやすかった。

  • 北野天満宮を東に行くと物語の舞台の上七軒はすぐだ。
    時代は幕末、佐幕だ勤王だと日々緊迫していくなか、行方しれずになったり、命を落としたり、翻弄される男達にまた翻弄される上七軒の芸妓たち。
    潔いというか、あっぱれと言うべきか、実在の人物も登場させて、よりリアリティに進んでいく物語に、いつしか引き込まれていく。
    上七軒は老舗の和菓子屋さんがあったり、昔の建物を利用した飲食店が軒を連ね、今も十分に昔のおもかげを彷彿とさせる情緒あふれる界隈だ。天満宮の梅ももう見頃だろうし、都おどりもはじまる。

  • 内容(「BOOK」データベースより)
    新撰組隊士、坂本龍馬、和宮降嫁の御用商人、会津藩家老…不倶戴天の佐幕派と尊王攘夷派、双方から贔屓にされた京の花街、上七軒。大義は一夜にして変わり、往来では血で血を洗うなか、舞妓と芸妓、女たちは、惚れてはならぬ男たちに身を尽くす。柔肌の熱き血汐を描く、俊英女流の連作時代小説。
    著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
    蜂谷 涼
    1961(昭和36)年、北海道生まれ。地元北海道を中心に、テレビやラジオに出演、また旺盛な執筆活動を行っている。2008年、『てけれっつのぱ』が劇団文化座によって舞台化され、文化庁芸術祭賞(演劇部門)の大賞を受賞した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

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著者プロフィール

1961年小樽市生まれ。北海道を拠点に執筆活動を行なう。
2008年『てけれっつのぱ』(柏艪舎刊)が劇団文化座により舞台化され、同舞台は2008年文化庁芸術祭大賞受賞。
主な著書に『落ちてぞ滾つ』、『いとど遙けし』、『雁にあらねど』(各 柏艪舎)、『雪えくぼ』、『舞灯籠』(各 新潮社)、『夢の浮橋』(文藝春秋)、『蛍火』(講談社)などがある。

「2018年 『曙に咲く』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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