常設展示室: Permanent Collection

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103317548

感想・レビュー・書評

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  • とっても綺麗な言葉たちと
    それぞれの人生にぴったりと寄り添う絵画に
    心を掴まれました

    ある作品に対峙するとき
    受け取る側の器が必要だと改めて感じました

    見る側の経験が伴わないと、
    作者が作品に込めた想いや世界観は感じ取れない
    逆に、だからこそアートって
    いつ見ても誰が見てもおんなじようには見えないから面白いのかもなとも思いました

    決断を後押ししたり、
    行動を肯定できたり、
    過去と現在をつなげてくれたり、

    いろんな人にとっての唯一無二のアートが
    本の中にはありました。

  • 美術館に行きたくなる。原田マハさんの作品を読むと本当に美術館に行きたくなる。
    アートと絡んだ短編集。
    フェルメールの真珠の耳飾りの少女、ゴッホの薔薇など、静かに読んでいるとなんとなく目の前で絵を見ているイメージが込み上げてくる。この本がまるでアート作品のよう。

  • アート、主に絵画をテーマにした短編集。
    介護が絡んだ話がいくつか、避けて通れないテーマになっているという事か。

  • 上白石萌音さんがおすすめされていたので、読みました。
    私は美術に疎いので、絵に魅せられた方の人生を垣間見られて面白かったです。
    知識がないまま読み進めてしまったので、作品を調べながら読めばよかったかも。

  • 私が今まで読んだ、楽園のカンヴァスや暗幕のゲルニカとは少し違って、絵画の内容や作者の背景よりも絵画を見た人にフォーカスを当てたお話。どのお話もさらっと読めるものばかりだった。
    私が1番好きなのは、群青かなあ。ピカソは目の不自由な男を描いたのではなく、この絵に描かれた恵まれない人を励ましたくて描いたという解釈が好きだなあと思った。「水差しに彼の大好きな飲み物が入っていますように」「元気になってほしい」「お腹いっぱい食べてほしい」と願う子どもたちの姿が良かった。優しい世界。そんな風に作品を見たことがなかったから、これからはそういう視点も取り入れていきたい。

  • 母と旅したパリのポンピドゥセンターが蘇った。芸術家の母を持つ私にとって、絵画は生活の一部だった。もう絵を描くのは難しいけれど、人生を前向きに歩んでほしい。様々な人の絶望感や諦め、後悔が絵画を通して浄化される話。心に火を灯す本。

  • 世界各地の「常設展示室」の絵画と主人公が出会う短編集です。それぞれの主人公が抱える背景と著者が表現する絵画の情景が重なり、とても色深く心に染みます。登場する絵画はピカソなど有名なものばかりです。絵画とそれぞれの人間模様。静かな気持ちで読める本です。

    https://opac.shodai.ac.jp/opac/volume/540290?current=1&q=%E5%B8%B8%E8%A8%AD%E5%B1%95%E7%A4%BA%E5%AE%A4&total=1&trans_url=%2Fopac%2Fsearch%3Fcount%3D20%26defaultpage%3D1%26defaulttarget%3Dlocal%26order%3Drecommended_d%26q%3D%25E5%25B8%25B8%25E8%25A8%25AD%25E5%25B1%2595%25E7%25A4%25BA%25E5%25AE%25A4

  • 日常生活の中で記憶に残る絵画がある。
    その人にとってはその絵画は自分の心にある常設展示作品なのかもしれない。
    そんな短編6作品。
    原田さんを読む時はスマホ片手に、絵画を検索する事が多い。
    絵画を観て文章を読んで、フムフムと納得したりする。
    最後の 道 にちょっと涙。

  • 6扁どれも秀作でマハさんの魅力満載。特に最初と最後「群青」と「道」は個人的に好き。この2作品だけ発表が10年近く前なんですね。展開と設定がダイナミックで粗い印象もありますが、ストレートに心にグッとくる力があります。特に「道」の東山魁夷はその作品も大好きなので、特に心に残りました。

  • 原田マハさんの作品は好きですが、絵画に疎いため読むのを敬遠していましたが、読んでよかったです。
    絵画を通じた短編集ですが、絵画の知識は全く不要でした。
    家族愛の話がいくつかあり、特に最後の「道」は泣けました。
    家族の大切さ、家族とは、かけがえのないものであることを強く再認識させられました。

    気になった一文
    「この世でもっとも贅沢なこと。それは豪華なものを見にまとうのではなく、それを脱ぎ捨てることだ。」

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著者プロフィール

1962年東京都生まれ。関西学院大学文学部、早稲田大学第二文学部卒業。森美術館設立準備室勤務、MoMAへの派遣を経て独立。フリーのキュレーター、カルチャーライターとして活躍する。2005年『カフーを待ちわびて』で、「日本ラブストーリー大賞」を受賞し、小説家デビュー。12年『楽園のカンヴァス』で、「山本周五郎賞」を受賞。17年『リーチ先生』で、「新田次郎文学賞」を受賞する。その他著書に、『本日は、お日柄もよく』『キネマの神様』『常設展示室』『リボルバー』『黒い絵』等がある。

原田マハの作品

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