- Amazon.co.jp ・本 (331ページ)
- / ISBN・EAN: 9784103319832
作品紹介・あらすじ
ギャツビーって誰? 名前だけは知っていたあの名作、実はこんなお話だったとは! 『ボヴァリー夫人』は前代未聞のダメな女? 『郵便配達は二度ベルを鳴らす』はDQN小説!? 待ってるだけじゃ不幸になるよ『幸福論』。人が人を完全に理解することは不可能だけれど、それでも誰もがゆらぐ心を抱えてゆるし生きていく『灯台へ』。古今東西92作の物語のうまみと面白みを引き出し、読むと元気になれる世界文学案内。
感想・レビュー・書評
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中高生の頃は近代文学と呼ばれるものを読んでいましたが、最近は読みやすい現代の人気作家さんの新刊本ばかり読んでいるので、目次を見て「こんな昔の本ばかり並んでいて面白いかな」と思いましたが、それは杞憂でした。
この本、めちゃくちゃ面白かったです。星6つにしたかったくらいです。
ブクログでレビューを読むのが好きな方は絶対面白いと思うはずです。
未読の本は読みたくなるし、読了済みの本も「へぇ、こんな読み方があったんだ」と話の深さに感心します。さすがプロの作家さんだと思わずにはいられません。
私もこんな風にレビューを書いてみたいものだとも思いました。
本文から、どんな風に書かれているか少しだけ引用してみます。
「あるお屋敷のブラックな仕事」
『ねじの回転』ヘンリー・ジェイムズ(新潮文庫)
(前略)この小説は「あらすじが怖い話」ということ以上に、怖いことを体験した人の心情の揺れが余さず描かれている。『ねじの回転』は臨場感の小説だと思う。(中略)
兄妹が亡霊から解放され普通の子供に戻るのか、そのままなのか、というさじ加減が五分五分で、ひどい時には、一ページごとに状態が変わり、先生は揺れ、読者も揺れる。お化け屋敷のような小説である。(後略)
「オー・ヘンリーに学ぶ技術とは何か」
『オー・ヘンリー傑作選』オー・ヘンリー(岩波文庫)
(前略)オー・ヘンリーは、人のどの部分を描けば、手短に鮮やかにその人間のことを描けているということになるかを知っていた。そしてその人間をどのような話の中で生かせば小説が立つのか判断が的確だった。天性のものなのか、人と関わる中で体得したものなのかはわからないけれども、これこそが技術なのだろうと思う。(後略)
「『ペスト』が洗い出す凡庸な人間の非凡な強さ」
『ペスト』カミュ(新潮文庫)
(前略)ペストとは、人間がかこつ理不尽な運命の寓意であり、本書はそれに対する抵抗の本質を描いている。ペストがなければただの人だったかもしれない普通の人々は、これだけの強さを隠し持っていて、それを特別なことと誇りもせず、疲労して奪い取られながらも目の前のことに立ち向かう。神にも愛にも依らない、この強さは何なのだろう。(後略)
他にも面白い書評が全部で92作載っていますが、興味のある方は本書を是非ご覧ください。 -
笑えてなぜか勇気が湧いてくる読書案内。どんな話にも読みどころがあるという津村さんの思いが伝わり本が好きでよかったと思わせてくれる。読みたい本増え、中島敦や『スローターハウス5』『城』など好きな物語を更に味わいたくなる。
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読みたい本
『華麗なるギャツビー』『アシェンデン 英国秘密情報部員の手記』『ストーカー』『灯台へ』『樽』『ペスト』『宝島』『外套・鼻』『ヘン...読みたい本
『華麗なるギャツビー』『アシェンデン 英国秘密情報部員の手記』『ストーカー』『灯台へ』『樽』『ペスト』『宝島』『外套・鼻』『ヘンリー・ライクロフトの私記』『鼻行類』『カラマーゾフの兄弟』2023/09/20
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作家である津村記久子さんが、10代のときに読んだ文学の紹介である。
その当時の名作が、よみがえるかのようだ。
だが私は、10代の頃はほとんど読まなかった気がする。
この中で92冊紹介されているが、10冊も満たないくらいである。
なので未読が多く、興味深い。
こうなると気になってしまい、また積み読本が増えることになる…。
しかし、津村さんの文章を読んでいるだけで満足しているところもある。
ユーモアもあり、読みやすい。
図書館で借りたが、まだまだ読み足りない。 -
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古典文学の登場人物はDQN? 芥川賞作家による身もふたもない世界文学案内がおもしろい|Real Sound|リアルサウンド ブック
htt...古典文学の登場人物はDQN? 芥川賞作家による身もふたもない世界文学案内がおもしろい|Real Sound|リアルサウンド ブック
https://realsound.jp/book/2022/06/post-1051224.html2022/06/13 -
【本棚を探索】第26回『やりなおし世界文学』津村記久子著/三宅 香帆|書評|労働新聞社
https://www.rodo.co.jp/co...【本棚を探索】第26回『やりなおし世界文学』津村記久子著/三宅 香帆|書評|労働新聞社
https://www.rodo.co.jp/column/134424/2022/07/15
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津村記久子さんの文学案内というだけでおもしろそうなのに、岸本佐知子さんが帯を書かれているなんて強すぎる…!!
…と思いながら迷わずレジに運んだ本。
ざっと目次を眺めただけで、各章のタイトルのキレのよさに痺れていたのですが、本文のほうもキレッキレでした。
冒頭から、津村さんが『華麗なるギャツビー』を読まずにいた理由が自分と同じだったことに共感。
曰く「だって華麗とか言われたら、自然と自分に関係ないなって思ってしまうじゃないですか。」
しかし津村さんは続けて、そういう理由で避けている人であればあるほど、本書の切実さがささると書いてくれていて、一気に気になる1冊になったのでした。
津村さんの手にかかると、ジェイン・オースティンの『ノーサンガー・アビー』は、"ひとたび話し始めたら止まらず話がめちゃめちゃ上手い法事でだけ会う親戚の姉ちゃんみたいな小説"になるし、オスカー・ワイルドの『ドリアン・グレイの肖像』は、"頭がからっぽな人の性根が腐ってゆく小説"になってしまうのが最高でした。
世界文学を読んで感じたままをそのまま、なんの遠慮もなく書いている感じがたまりません。
思わず声を出して笑っちゃうことも多々。
読んでみたくなった未読作品がたくさんあるし、読んだことのある作品ももう一度読み返したくなりました。
そして読み終えたら、いそいそと本書を引っ張り出して、津村さんと語らいたい…。 -
ねじの回転を読んだ直後だったので、往年の文学作品に興味出てきて手に取った本。
作者の考察があまり深くなく、本当に思ったことをエッセイ調に書いてるので、文学作品を掘り下げて知りたい人には不向き。
この作者自体知らない人だったので、大阪の女友達の読書歴を教えてもらった感覚。 -
著者の小説は読んだことがありませんが、本人曰く「文学に詳しくない人が書いた」ということです。とはいえ、プロから見た文学作品の感想は、とてもおもしろかったです。
私が読んでもよくわからなかった作品でも、解説を読むと「そういう話だったのか」と納得できました。いくつか読んでみたい本も増えました。 -
一年くらい?かけてちょっとずつ読んでいてやっと読み終わったんだけど、それでもけっこうおなかいっぱいな感じはあったけど、いやこれはもう、津村さんの文章の芸というか技というかを堪能する本ではないかと。なんでこんなにおもしろく書けるのだ? あらすじを説明しているだけでおもしろい。紹介されている本は古典とか名著ばかりで、ちょっととっつきにくそう、難解そうと思う本が多いのに、津村さんのあらすじ読むとぐっと身近に感じられておもしろそうかも、と思えてくる。身近、をとおりこして、え、意外とアホっぽいのか、とか思ったり。
それでいて、文章の最後で、その本のすばらしいところをびしっと決めてくる感じがあって、その本読んでないのに感動することもあったり。
こんなふうに本のレビューが書けたらどんなにいいか、とあこがれる。絶対書けない。 -
タイトルは知っている、キャラクターの名前も知っている、でも肝心のその本自体は読んだことがない有名作というのが私にも多々ありますが、こちら津村記久子さんがそんな世界文学にチャレンジした読書エッセイ。紹介されている本は既読と未読が半々くらいだったかな。
スタートは『華麗なるギャツビー』。確かに私もギャツビー誰それ?って思ってた(笑)そしていまだに読めていない。そろそろチャレンジしてみようかなあ。
たとえば私自身の経験で言えば「高慢と偏見」も「罪と罰」も「モンテクリスト伯」も、読む前は敬遠していたけれどいざ読んでみたらべらぼうに面白くてさすが名作!と目からウロコだったので、やっぱり名作は一読の価値がある、読んで損はしないものなんですよね。先入観を捨てて名作文学また読んでみようと改めて思いました。
津村さんのお仕事系、確かに1作は何か読んでると思うのですが、タイトルは、わからなくなってしまいました。
ブクログも始める前...
津村さんのお仕事系、確かに1作は何か読んでると思うのですが、タイトルは、わからなくなってしまいました。
ブクログも始める前なので、内容も、面白かったとしか、覚えてないのです
「世界の終わり」は二つのなんか幻想的な世界が交互に現れるやつです。「ねじまき鳥」は井戸に入るので、全部読んでるけ...
「世界の終わり」は二つのなんか幻想的な世界が交互に現れるやつです。「ねじまき鳥」は井戸に入るので、全部読んでるけど、全然意味がわからなかった
「国境の」は村上作品では、珍しく泣きました。
では、この辺で!
「国境の」は村上作品では、珍しく泣きました。
では、この辺で!