- Amazon.co.jp ・本 (168ページ)
- / ISBN・EAN: 9784103326229
感想・レビュー・書評
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政治的な思想を持つ「リーダー」がいる、不思議な大学生活。
舞台となっている<日本>は現在の日本とはどこか違っているようで不穏な空気が漂う。何が起こり、これから何が起ころうとしているのか・・・。
大地震をテーマにしたSF風の物語だ。主人公である女性は綿矢りさが描く女性らしいのだけれど、舞台となっている世界が今までの作風からはあまりに違っていて面食らった。
何か、この物語を書かなきゃいけない、という作者の強い気持ちのようなものは伝わってくるのだけど、うまくそれを受け止めて消化できなかった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
震災後の大学キャンバス暮らし。
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いつもの綿矢りさっぽい作品ではないですね。
震災について書かれた話。
被災した大学生の話。
主人公が好きになれなかった。 -
大地震が起き、避難してくる住民と逃げ惑う学生をシャットアウトするために大学の門が閉ざされ、構内に閉じ込められ学生逹。
微妙なバランスで日々生活しているのですが、現実離れしすぎていてなんだかピンときませんでした。
自分の彼を「私の男」と言っているところによく現れていると思うのですが、なんだか力みすぎな作品でした -
帯からの印象とちょっと違いまして、
前半は戸惑いながら読み進めました。
読みにくいわけではないのですが、
着地点が分からず手探り状態。
後半はぐいぐい行けました。
カオスの中ではカリスマを求めるかもしれないが、
実際に生きていく時は自分と自分の身近な人に頼るしかないのかも。 -
最初の地震で自宅が破損したり出入り禁止になり、学生たちが学内に泊まりこむ状態が継続している.崩壊した大学構内では学生たちが思い思いに活動を開始した.学祭をやるために色々な準備が進行している.「私」と私の男、マリ、リーダー、他に数人だかが具体的なキャラクターとして登場する.学祭当日、リーダーの演説中に地震特例警報が鳴り、パニック状態になる.実際に地震が来るが.最終的には、「私」と私の男は生き延びて新しい生活を始める.あらすじは以上だが、この小説自体の意図がまったく理解できなかった.「私」の言動や行動の確かさは確認できたが...
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いつもの、女の子が身近な問題にあたふたする作品てはない。
震災を経験して、彼女なりのやりきれない想いを作品にまとめた様に思う。
近未来の設定にしたのはあくまでフィクションにしたかったのでは。被災されたかたへの思いやりかな。
生き残る事は価値がありそしてそれは勝ち。
私たちは小さな地球の副産物だけど、生まれてきた理由はきっとあるんだと思った。
全体に散漫だったけど主題はハッキリしていました。 -
未来の話。非現実的すぎてのめりこめなかった。結局何がしたかったの?という感じ。
主人公が彼氏のことをいちいち「私の男」と呼んでいるのが嫌だった。 -
大きなテーマを謳っているようだけど、なんだかよく伝わってこない。未来にする意味も、残った人間のしぶとさも中途半端で、彼らと私たちの差がよくわからない。読み切れていないだけなのかもしれないけど、テーマも新しさを感じないし第一よくわからない。
綿矢りさの良さって、もっと生々しい人間の感情だと思うんだけど、その生々しさがこの物語だと、まったく生きてこないんだと思う。だいたい、生々しさがないんだと思う。
多分にがっかり!!