はしからはしまで: みとや・お瑛仕入帖

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 133
感想 : 16
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  • Amazon.co.jp ・本 (282ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103368533

感想・レビュー・書評

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  • とても楽しく読んでいたのにこの巻のしょっぱなで楽しさ全部殴られて奪われた感じ。
    主要キャラを死なすことで排除するって……驚愕を狙ったのかもしれないけど、あるいは兄を失うことでお瑛の成長が、という狙いかもしれないけど、両親を亡くしつらい目にあってきたお瑛がさらに兄まで失って成長するとか……そんな痛ましい成長見たくない。成長するしかないというか、それでも生きて行かなくてはならないのなんて、当たり前でつらい。

    追記・ラストまでとにかく読んだけど…最初でガンとやられてもそれはそれで、と読み進めて最後の最後、辰の告白で天を仰いだ。ナニコレ。そんなシーンとかこれまであった??良い意味で裏切られる展開ならともかく……

  • いきなり兄貴がフグで死ぬ。
    お瑛への愛の告白かと思いきや、亡き兄への告白。
    なんじゃそりゃ。
    シリーズも終了かな。

  • 辛いことにも前を向くお瑛はもちろん好きですが、橋が渡れないお瑛もいっそう好きです。渡りたくなったら渡ればいい。でも渡れなくても構わない。お瑛さんはお瑛さん。これが心に響きました。誰にでもできることでも、どうしても自分にはできないことはあって、それから逃げてる自分を責める気持ちをどこかに持っているのはしんどいことですからね。
    寛平さんのキャラが大好きです。寛平さんも自分を責めながらも明るく助けてくれていて…。

  • みとやシリーズ第3弾。
    江戸の100均繁盛記。
    しょっぱなからの展開に呆然。
    そりゃないよ…。

    収録作品:水晶のひかり 引出しの中身 茄子の木 木馬と牡丹 三すくみ 百夜通い

  • 大きく話が動く巻。
    タイトル、表紙はそうだったのか。

    お瑛の今後が気になる。直孝もどうなるのか。

  • <みとや・お瑛仕入帖>シリーズ第三作。
    第一話でいきなり衝撃の展開。ネタバレになってしまうので書かないが、他のレビュアーさんも指摘されているように、私にはどうしてもこの展開の必然性を感じなかった。
    もしかしてお瑛の人生の新しいステージへ上げるための階段としてこの展開があるのかと思っていたら、結局それもなし。
    この重要なキャラクターが欠けることでシリーズの魅力の重要な一つも欠けてしまってかなり残念な気がして一瞬読み進めるのを止めようかと思ってしまうほどだった。
    ただその後も少しずつ盛り返し、偏屈な職人や老いによる盗癖を繰り返す老婆や、お花の兄探し、ドケチなご隠居、そして破綻する夫婦など様々な人間模様・人生模様を描きつつ、お瑛の頑張り、成長を描いていた。
    乙女な若旦那の寛平はもちろん、少し大きくなった直之改め直孝、猪の辰との関係も相変わらず。
    これでシリーズ完結とも思えるし、まだ続くとも思えるし。
    できれば続いて欲しいけれど。

  • 初っ端から嘘でしょという展開でのけぞる。
    苦しくても前にしか進めない舟が好きと言い切るお瑛ちゃんの強さは変わらず、支える皆の優しさが暖かい。

  • L みとや・お瑛仕入帖3

    シリーズものなので最初から読むことをすすめたい。

    直之の父、道之進がはなまきのお話と祝言。ここまでは想定内だったけど、お瑛の兄長太郎がフグ毒で呆気なく死んでびっくり!
    ええっ 今まで物語のキーマンだったじゃないか!なのに、事件性もなくフグ毒だなんてもったいない。ある意味すんごいスパイスでよかったけれども。
    で、直之は元服して直孝に改名。どうやら声変わりの真っ最中らしい。なんか萌える。
    長太郎の親友、呉服屋の若旦那寛平がなにかとお瑛の世話焼き、相変わらず直孝も店番を。
    船頭の辰吉はなにかとお瑛を構って、そういう流れかと思いきや最後の最後にお加津の姪っ子との縁談発生で、おっと!と思ったところで最大のカミングアウトあった。
    「長太郎兄さんが好きだった。初めて会ったときから、おれは、この男しかいねえと思ってきた」発言。すげぇな、もろもろ斬新な一冊。

  • 現代の1000円ショップ?のような店を営むお瑛。兄に大問題が……?最初の話でええー!でした。まさかそんなこと……ありそうだけど。それでもめげないお瑛が頼もしい。

  • 初出 2016〜18年「小説新潮」の6話で、シリーズ3作目

    両親を事故で失って、兄と二人で”何でも三八文”の雑貨屋「みとや」をやっていたお瑛は、兄長太郎がふぐにあたって死んでしまい、周囲に助けられながら、兄に代わって仕入れに歩き始める。
    目を病んで仕事を辞めた偏屈な指物師の心を開かせ、認知症の老女の心配の原因を当て、行方不明の兄を探す新妻を手伝い、船宿の隠居の収集癖に振り回され、赤子を亡くした欠け落ちの女房の心を思いやる。
    こういう暖かい人情話は好きだなあ。

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著者プロフィール

東京生まれ。フリーランスライターの傍ら小説執筆を開始、2005年「い草の花」で九州さが大衆文学賞を受賞。08年には『一朝の夢』で松本清張賞を受賞し、単行本デビューする。以後、時代小説の旗手として多くの読者の支持を得る。15年刊行の『ヨイ豊』で直木賞候補となり注目を集める。近著に『葵の月』『五弁の秋花』『北斎まんだら』など。

「2023年 『三年長屋』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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