著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 413
感想 : 72
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103509561

感想・レビュー・書評

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  • 大正時代の女性を主人公にした7編の短編集。タイトルからするとすべて“占い”が絡んでいるように見えるが、本当の意味での占いは最初と最後の2編だけだ。そして一見無関係に見えるそれぞれの作品が微妙に繋がっているのもおもしろい。バラエティーに富んでいて次はどんな作品だろうとわくわくしながら読んだが、一番好きなのは「頓田町の聞奇館」、行ってみたいのは「宵待祠の食い師」かな。

  • 誰に認められなくても、あなたはあなた。

    自分は人に愛されるような人じゃないと思ってしまうのは、母との関係か。
    若い頃に読みたかった本のような気がする。

  • 今年初めて知った作家さん。文章が洗練されていて、とても読みやすい。女性作家ならではの視点は時にシニカルで、登場人物の哀切を際立たせている。今後ずっと、読み続けていきたい作家さん。

  • 木内さんの作品はいつもその読後感の良さに数日支配されます。今回はイメージイラストを何枚も描いてしまいました。


    内容は大正終わり頃の悩みを持つ女性たちの話の短編集。

    小さなわだかまりを占ってもらってから毎日のように占いに通ってしまう女性や、なりゆきで他人にアドバイスをしたのがきっかけで『視る』ようになる女性など。

    そこここに大正の香りを漂わせつつ女性の生き方、考え方を描いた作品集。

    占いはしょせん自分に都合の良い言葉を聞きたいだけという事を描いているのだが、そこにオカルトを忍ばせている。
    その塩梅がとても見事で、大正という色鮮やかなレトロな感じを醸し出しているように思った。

    この本とても好きです。
    多分ここ数年のナンバーワン。

  • 占いに駆け込む女性たちの話、短編集
    明治大正昭和初期あたりの時代
    とてもうまいなあ、共感もあり、考えさせられたり、面白かった。

  • あぁ、分かる気がする。
    だから頼らない。

  • 人生の分岐点に立ち、決断できずにいる女性たちが
    頼るのは「占い」。
    答えは出ているのに、何度も占師の元へ通うのは
    最後のひと押しがほしいからか。
    悩みながらも自分の道を力強く歩き出す女性たち。

    生きていく上で勝ち負けなど重要なことではないのに
    なぜ人と比べてしまうのだろう。
    「深山町の双六堂」がおもしろかった。

  • 女性ならではの不安や辛さ。
    救いを占いに求める気持ちはとてもよくわかる。
    でも、結局は当るも八卦、当らぬも八卦で自分で人生を選ばなければならない。
    それが望まないものでも。
    それぞれの作品の登場人物が他の作品に出てくるのも魅力的な一冊だった。

  • 木内昇さんの新刊(^^♪飛びつきながらも勿体無いのでちびちび大切に読んだ。7編の短編集。
    大正時代から昭和初期頃の占いに駆け込む女性たちの心模様と事情は今の時代の女性たちと少しも変わらないと思った。『深山町の双六堂』とか描き方によってはドロドロしそうなのに木内さんの筆致はちょうどいい塩梅に距離をとって描かれている。そのいい塩梅の距離感のせいで(おかげで?)『鷺行町の朝生屋』のホラー感に気付くのが遅れ、怖い思いをしてしまった。7編の中で登場人物が交じるのもあり、楽しめた。共感性とか読み易さで木内さん初心者向けの一冊!(どこから目線)

  • 高嶋政伸が朗読劇に使用するというニュースを見て図書館で借りてみた。
    占い 他 を起点にした短編集。

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著者プロフィール

1967年生まれ。出版社勤務を経て、2004年『新選組 幕末の青嵐』で小説家デビュー。08年『茗荷谷の猫』が話題となり、09年回早稲田大学坪内逍遙大賞奨励賞、11年『漂砂のうたう』で直木賞、14年『櫛挽道守』で中央公論文芸賞、柴田錬三郎賞、親鸞賞を受賞。他の小説作品に『浮世女房洒落日記』『笑い三年、泣き三月。』『ある男』『よこまち余話』、エッセイに『みちくさ道中』などがある。

「2019年 『光炎の人 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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