1Q84 BOOK 1

著者 :
  • 新潮社
3.78
  • (1995)
  • (3388)
  • (2646)
  • (418)
  • (124)
本棚登録 : 26321
感想 : 2330
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  • Amazon.co.jp ・本 (554ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103534228

感想・レビュー・書評

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  • 村上春樹さんの長編小説。この物語は三つに分かれている。物語としてはとても面白く、どんな結末になるのかワクワクした。不思議で謎すぎるところや現実離れしたところが結構あるが、私はそれが心地いいと思う。

    500ページ以上あるこの本。ゴールデンウィークにすることが無かったので思い切って読んでみた。はじめはこの本の不思議な世界観に馴染めなかった。難解な言葉が多く、話が難しく、読むのに苦労した。だが、いつのまにか止まらなくなっていた。物語は同時進行で頭を使う必要があるがそれが面白い。

    自然と次の巻で大きく進みそうな気がして、必ず次の巻を読みたくなる。物語の想像力や表現力、次の巻が必ず読みたいと感じることから村上さんのすごさが分かる。不思議な雰囲気で難しい物語だが、とても物語に引き込まれる本。

    • しずくさん
      私も馴染めずにそのままになっていますが、HARUTOさんのレビューを読んで、背中を押されました。機会が廻ってきたら再チャレンジしてみようかな...
      私も馴染めずにそのままになっていますが、HARUTOさんのレビューを読んで、背中を押されました。機会が廻ってきたら再チャレンジしてみようかな。
      2021/05/08
    • HARUTOさん
      ありがとうございます。馴染みにくい本で、ボリュームもありますが、しばらくするといつの間にか違和感がなくなりました。
      2つの話が同時進行で全貌...
      ありがとうございます。馴染みにくい本で、ボリュームもありますが、しばらくするといつの間にか違和感がなくなりました。
      2つの話が同時進行で全貌が分からないまま進んでいきますが、どちらとも興味深い話です。
      どこで二つの話が交わるのか全然、想像がつかないですが。
      再読してみても新鮮に感じられると思います。
      2021/05/08
  • 青豆と天吾の物語が交互に進んでいく。
    村上氏らしく性の話題豊富。
    ふかえりの記憶を探る。
    不思議なのに現実味のある独特な世界観は
    好き嫌い分かれると思いますが、面白い。

  • 発売当初、流行りに乗って買ったはいいけど、すぐに挫折して積んでました。最近になって、もう1度読もうかという気になって手に取ったら、まさかの一気読み。タイミングってあるんだなぁ…。青豆と天吾。時折出てくる2人を繋ぐキーワード。この先どのように絡んでくるのか…、色々想像するのが楽しいです。謎だらけで、とにかく続きが気になります。

  • 買ってあったが読む気がしなくて放っておいたが、今回読了。
    初版、2009年5月30日。もう13年前だ。村上春樹の本で新しく読むものは久しぶり。
    青豆と天吾の章が交互に描かれる。物語が静かに始まる。
    ヤナーチェックの「シンフォニエッタ」というのがどんな曲か気になる。

  • 書評で著名な方が
    「村上春樹の小説は感想を言語化しづらい」というようなことを
    言っていたが、なるほどと思う。
    いろいろ考えながら読んでいるのだけど、
    いざ読み終わって感想を描きつけてみようと思うと
    確かにうまくまとまらない。

    単純に面白いか面白くないかだけ言うのなら、
    面白かった。

  • まだ始まったばかり。徐々に不穏な感じになって終わってしまった。 

    続きが気になる。どう繋がって行くのかしら?

  • ボリュームの割には読み応えはないけど、先が気になる面白さはある。

    感想
    https://ameblo.jp/mindok/entry-12823291678.html

  • ものすごく面白くて、夢中で読んでしまった。

    1Q84という題名がすごい!というのを昔テレビで見てから、なにがすごいんだ?読みたいなぁと思っていた。

    訳の分からないことに名前をつけるのは心の安定に良さそう。

    村上春樹作品苦手と思ってたけど、これは面白く読めた!
    女の人視点があるからか、歳とっていろんな話を許容できるようになってきたからなのか?

    こんな興味深い設定を作ることができたら、一気に情報開示したくなるところだけど、それを小出しにして、どんどん引き込んでいく力がすごい。
    ミステリアスな人に惹き込まれてしまう気持ちがわかった。

    p.236
    急に「王国の到来」っていうワードが出てくる(青豆)のが気になった。

  • 村上春樹さんの作品に、初チャレンジしました。こちらで、どなたかが英文を和訳したような、って表現をされてましたが、なるほどピッタリ!と感じました。独特の言い回し、比喩表現のボリューム、そして性描写もふんだんにちりばめられていて今まで読んでいた作家さんとはまた違った感じがしました。ついていくのが大変でした。
    このことから、読みやすさはあまり売りにしてないのかも、と思いました。話の綿密さ、特に歴史、音楽、においては圧巻で、つづきが気になるので次も読みます。ただ、ちょっと休憩したい気持ちです。笑

  • 3.6

  • 今まで村上春樹を馬鹿にしてたんですが、本人とファンの方に謝りたいです。
    ミステリ、宗教、サスペンス、恋愛、文学と色々な要素が複雑に、しかしシンプルな文体で書かれていて面白かったです。
    何故村上春樹が芥川賞も直木賞も受賞できないのかが少しわかったような気がします。

  • 「1984」と「1Q84」が レールのポイントを換えるように
    切り替えられた。
    青豆 は 1Q84 の世界に いつの間にか はいっていた。
    それは 首都高速 を階段から降りたときから
    始まったらしい。
    「1Q84」の世界にいることは 月が二つ見える ことでわかる。

    「もう一つの世界」ということは
    リアルの世界とヴァーチャルの世界との関係で 
    ヴァーチャルが もう一つの世界である ということは
    梅田望夫氏が言ったことだ。
    たしかに 思考の外部化、記憶ベースの外部化。
    そして強力な 検索システム ということが
    もう一つの世界を形成する。

    身体とアタマの中にある妄想との関係も
    身体とこころという 二つの世界があり、
    こころが もう一つの世界であるかもしれない。
    しかし、思考は 身体性を伴う ということがわかりかけてきて、
    ちょっとこの二つの世界は 密接に結びついているのだろう。

    生まれてくる前の世界と
    死んでしまった後の世界は 同じような世界なのだろうか?
    どうも違う気がするが、
    生まれてくる前のことは 記憶にないし、
    死んでもいないので 死んだ後の世界はわからない。

    世界はパラレルではなく 切り替えられるという
    ムラカミハルキの発想は おもしろい。
    どこかで、何かが、切り替わるときがある。
    そこに踏み出したときに 後に戻れないような感覚がある。
    ただ切り替わっても 通常の生活はほとんど変わらない。
    切り替わった世界では 一体何が判断基準となるのだろうか。

    社会における急速な変化のなかで
    価値感 が変わろうとしているときに、
    それは 一体何が 基準になるのだろうか?
    「愛」が基準になるとしたら、
    ちょっと、ものたらない。
    愛で すべての世界を構成しない。
    たしかに 中心的な位置にあると思うが、
    そうではない・・・もっと何かが あるはずだ。
    と考えていたら 朝の5時過ぎだった。

  • 謎めいた導入でついついページをめくってしまいますが、
    この謎がこっちの期待通りに解き明かされないだろうことは、
    『海辺のカフカ』等の経験から分かっております。
    (まだBOOK1しか読んでないので。)

    リトルピープルとか、メタファーなのかなんなのか、
    幻想的な要素が出てくるので、その分感情移入しにくい人もいるんでしょうね。
    僕はそこも結構楽しめちゃうのでBOOK2以降も楽しみです。

    文体は例によってフラット。
    そんな文体で性的な描写を淡々と織り交ぜる。
    性的なものに対する無意識なレベルの高揚が、作品に対する印象として現れる。
    これを村上春樹効果と言います。
    (今考えました)笑。

    今回も村上春樹効果が効いております。

  • 思った以上に面白い。ノルウェーの森と海辺のカフカが感覚的に合わず村上春樹作品とは相性が悪いとずっと思い込んでたけど、この作品は好きになれそうな予感。旅に出るときの適年齢があるように、本を読むときの適年齢がきっと存在する。独特の世界観を理解できる年齢になったのかなあという期待を込めて☆4つ。

  • 2をもうすぐ読み終えるってところでやめて
    1を読んでみた。

    10歳の頃、教室であまり親しくない青豆に手を握られた天吾。
    そしてそのことを抱えてそれぞれが別の人生を歩んで。

    くうきさなぎの世界とふかえりと。
    この世界と1Q84と行くことはできるが戻ることはできない世界と
    どうなってゆくのだろ。

    • keisukekuさん
      どうなってゆくのでしょう?楽しみですね。
      どうなってゆくのでしょう?楽しみですね。
      2012/10/17
  • 私はそれほど村上春樹さんの小説を読んでいませんが、BOOK1を読み始めてどんどん引き込まれていきました。ずっとこの小説を味わっていたい感覚になり、終わりが近づくことが寂しく思えました。久しぶりにわくわくとして読んだ小説です。内容は独創性にあふれたものなのでそれぞれの感じ方で良いのではないかなと思いました。

  • まったく感情移入できる登場人物がいないのに(かろうじて女警察官あゆみさんだけが救いか・・・)、これだけ読ませてしまう著者はすごい。やはり、物語る力というか文章力がすごいのだな。(以前より鼻につく表現もなくなったし)これまでの作品では、読後倦怠感を強く感じることが多かったのですが、今回はなんだか違うぞ。でも、何を言いたいのかは不明。これから出てくるのかなぁ?早速book2にとりかかる。ふかえりはエヴァ○×△ンに出ているキャラクターを思い浮かべてしまった。

  • ノルウェイの森に続いて読んだ本だったが、読んでいくうちに興奮してしまった。久しぶりにこんな興味深い本を読んだという感じだった。BOOK1は、展開がゆったりなので評価は☆4つにしました。

  • 壮大な構想、且つ、人々の想いや心理/心情を緻密に書き込んでいく。これは、相当読み応えあり、である。
    本巻book1を読み終えたが、なおこのあとbook2とbook3合わせて1000頁超が控えている。その分量が苦痛だというのではない。book1で既に想像を超えた展開である。この壮大な構想と深みを、これからさらにどれほど展開させてくれるのか、読者の想像を超えており、楽しみでならないのだ。

    さて、青豆と天吾、ふたりの人物の物語である。二人の章が交互に積み重なってゆく。
    青豆は、スポ-ツジムに勤めるインストラクターだが、殺し屋の裏稼業も。
    天吾は、予備校で数学を教える講師。そして小説家の卵である。

    さてこの小説、物語の流れがしっかり感じられるので、読みやすい。青豆や天吾が直面する危機や謎はどんどん深まっていくのだが、ふたりの生い立ちなどの諸事情なども少しづつ詳らかになってゆくため、謎の核心に向かって、あるいは事態の終息あるいは破滅に向かって物語が進んでいる感じがあって読みやすい。例えば『ねじまき鳥クロニクル』ではそうではなかった。いくつかの要素が並列しつつも、どこに向かっているのか、どのように綜合されるのかわかりづらかった。
    それに比べると、本作『1Q84』は、物語のストリームが太く感じられ、ぐいぐい読ませるミステリーとしての求心力も感じられるのだ。

    青豆は、ある日、自分の暮らす世界が二つの月が浮かぶ世界に転じていることに気付き、戸惑い怖れつつも、その世界を「1Q84」と名付ける。
    天吾は、美少女高校生「ふかえり」の奇妙な小説「空気さなぎ」の改稿を依頼され、この小説は文芸新人賞を獲得、空前のベストセラーに。

    それらの物語では、村上春樹独特の奇想や幻想、2つの月が浮かぶ世界や「リトル・ピープル」が描かれる。これらの謎をどこまで解明、語りあかしてくれるのか…。だがきっと、作者は明快な解明、答えを必ずしも提示しないような予感もしている。それはそれでよろしいとも思っている。作中チェーホフの言葉を引用言及している一節がある。
     小説家は、世界や人生の答えを示すことではない、という。この言葉は、実際に村上文学のポリシーでもある。
    ・「小説家とは問題を解決する人間ではない。問題を提起する人間である」と言ったのはたしかチェーホフだ。
    (p472) 

  •  17歳の時に天吾がコンクールで演奏したヤナーチェックの『シンフォニエッタ』。物語の冒頭で青豆はタクシーのラジオで流れる曲に個人的種類の揺さぶりをかけられそれとわかる。しかしどうしてその曲を知っていたのかはわからない。天吾と青豆はどこかで繋がっていてお互いが知らないはずのかつての記憶が1Q84年で現在になる。
     婚約により法律の勉強をあきらめた環。そしてその夫との結婚生活を苦にして環は命を絶ち、青豆はかつての親友を失う。おそらくその事がきっかけで本栖湖の事件とNHKの集金人の事件を新聞を読んでいたにも関わらず青豆は見落とすことになる。
     青豆は小学校5年生の時に両親と袂を分かつために母方の叔父の家にやっかいになる(同じ小学校5年生である天吾は担任と父親との話し合いでNHKの受信料の集金のルートをまわらなくてすむようになる)。天吾はそれまでの存在しないものとして扱われてきた青豆しか知らない。そして天吾は存在しない作者として『空気さなぎ』を改筆、改稿、リライトする。

    「リトル・ピープルが空気さなぎを作り上げたとき、月が2つになる。少女が空を見上げると、月が2つに浮かんでいる。その部分は覚えているよな?」
    「もちろん覚えています」
    「俺の意見を言わせてもらえれば、その2つの月についての言及が十分ではない。書き足りない。もっと細かく具体的に描写してもらいたい。注文といえばその部分だけだ」(P309)

     1984年で起こった出来事が換骨奪胎されると現在になる。換骨奪胎された出来事は1Q84年でとどまった状態になる。BOOK2では『空気さなぎ』、リトル・ピープルとは何かが小説的に説明されるのだろうし、天吾が幻影の中で見る母親の謎が1Q84年で明らかになるのかもしれない(そうあってほしい)。

著者プロフィール

1949年京都府生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。79年『風の歌を聴け』で「群像新人文学賞」を受賞し、デビュー。82年『羊をめぐる冒険』で、「野間文芸新人賞」受賞する。87年に刊行した『ノルウェイの森』が、累計1000万部超えのベストセラーとなる。海外でも高く評価され、06年「フランツ・カフカ賞」、09年「エルサレム賞」、11年「カタルーニャ国際賞」等を受賞する。その他長編作に、『ねじまき鳥クロニクル』『海辺のカフカ』『1Q84』『騎士団長殺し』『街とその不確かな壁』、短編小説集に、『神の子どもたちはみな踊る』『東京奇譚集』『一人称単数』、訳書に、『キャッチャー・イン・ザ・ライ』『フラニーとズーイ』『ティファニーで朝食を』『バット・ビューティフル』等がある。

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