パン屋を襲う

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 1381
感想 : 200
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  • Amazon.co.jp ・本 (77ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103534297

感想・レビュー・書評

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  • すき✌️

  • 2021. #5

    図書館で別の本を探していたときに見つけて
    タイトルと装丁にひかれて借りてみた
    30分もかからず読み終える程度の絵本みたいな短編
    それでもしっかり村上春樹を感じて良かった

    ---メモ---

    P11 神もマルクスもジョン・レノンも、みんな死んだ。

  • 不気味な絵、題名に引かれた。
    内容は、むずかしいと感じた。
    「空腹感は、想像力が足りないから」とこの言葉の意味が自分にはわからないが、気になった。
    ピエロみたいな不気味な絵はマックの、、、

    面白かった。。

  •  題名からはどういう物語なのか想像できないでしょう。表紙には不気味なピエロがほほ笑んでいる姿が描かれています。結論から言うと最初から最後まで意味が分からない小説でした。

     物語の冒頭、大学生の主人公とその友人は腹が減って仕方がなかったのでパン屋を襲う計画を立てる。もうここから意味が分からないですよね。ここで、「とにかく我々は腹を減らせていて、その結果、悪に走おそうのですが。空腹感が我々をして悪に走らせるのではなく、悪が空腹感をしてわれわれに走らせたのである。」という文がある。つまり、主人公たちは腹が減ったからパン屋を襲撃するのではなく、犯罪に手を染めたかったからパン屋を襲ったのです。主人公たちは商店街のパン屋を強盗するのですが、ここから主人公の運命は狂い始めます。

     村上春樹の独特の文体が癖になる一冊です。
    本館2階学習室(日本の小説) 913.6||Mu - なかそね。

    • tokudaidokusho2さん
      投稿者:ふろふき大根
      「空腹感が我々をして悪に走らせるのではなく、悪が空腹感をしてわれわれに走らせたのである。」この一説をとても魅力的に感...
      投稿者:ふろふき大根
      「空腹感が我々をして悪に走らせるのではなく、悪が空腹感をしてわれわれに走らせたのである。」この一説をとても魅力的に感じました。パン屋を襲った主人公たちがどうなってしまったのかも気になります。またいつか読んでみようと思います。
      2020/06/22
  • 村上春樹の初期の作品を絵本にした奴。短いけど、満足感のある一冊でした。

  • ワグナーは呪いよりマシらしい。

    「呪いはいつも不確かだ。地下鉄の時刻表とは違う」

    村上春樹さんは比喩の使い方が独特でそこにはいつもハッとさせられてしまう。

  • 空腹をこじらせた僕と相棒はパン屋に押し入る計画を立てるが、共産党員のパン屋の主人が提示した「ワーグナーを聴いてくれたら腹一杯パンを食わせる」という奇妙な交換条件を飲み、押し込み強盗は失敗に終わる。
    ある晩に妻と僕は強烈な空腹に教われたことで十年前の顛末を急に思い出し、そのことを妻に告白する。すると妻は「それは呪いだ。呪いをとくためにもう一度パン屋を襲いましょう」と言い始め、取り憑かれたかのようにパン屋を探し、無事襲撃を成し遂げる。

    「パン屋を襲う」「再びパン屋を襲う」の短編2話が収録された単行本。
    村上春樹特有のファンタジー感というよりも、眠っているときに見る夢を見させられているような不思議な気分でした。が、正直とくに印象に残る話ではありませんでした。
    15分ほどで読み切れます。興味を持たれた方はぜひ。そして感想を聞かせてください!

  • なんなんでしょうね。資本主義の交換じゃなくて、強奪の気分?

  • 『パン屋再襲撃』は村上作品の中で最も好きな短編。この本に収められた『パン屋を襲う』『再びパン屋を襲う』はそれぞれ『パン屋襲撃』『パン屋再襲撃』の改訂版とのこと。『再びパン屋を襲う』の最後のシーンに出て来る広告がソニーブルーレイになっている点だけ気が付いた。『パン屋再襲撃』の前日譚である『パン屋襲撃』を読んだのは今回が初めて。

    『パン屋襲撃』の様子は『パン屋再襲撃』でも描かれているけど、本編を読んでみるとずいぶん簡潔な語り口。『パン屋再襲撃』のほうがこねくり回してる。まるでパン屋が生地をこねくり回すかのように。しかしオバサンがパン選びで迷う描写は春樹節としか言いようがない。好き。

  • 『パン屋を襲う』
    底のないような空腹に襲われた若い男と彼の相棒は包丁を持ってパン屋に行く。パン屋の店主は、お金はいらないからパンを食べるように言う。しかし、相棒は納得がいかない。恵みは受けられないと言う。すると店主は、ワグナーの音楽を聴けと言い、彼らはそれに従い、音楽を聴きながらお腹いっぱいにパンを食べる。

    『再びパン屋を襲う』
    何年も経ち、若い男は結婚し、仕事もしていたが、夫婦で再びパン屋を襲うことにする。深夜、夫婦揃って呪いのような空腹に悩まされ、冷蔵庫の中にろくなものが入っていなかったからだ。ビールを飲み、散弾銃を持ち、彼らはマクドナルドを襲う。呪いを解き、空腹を満たすためにビッグマックを三十個作らせる。

    --------------------------------

    ひたすら読みやすく、ひたすら意味がわからなかった。
    なぜパン屋を襲うのかもわからないし、なぜ妻が銃を持っているのかもわからない。ただ、飲酒運転していることはわかった。理解できないのに引き込まれる文章。これも呪いのひとつなのかもしれない。

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著者プロフィール

1949年京都府生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。79年『風の歌を聴け』で「群像新人文学賞」を受賞し、デビュー。82年『羊をめぐる冒険』で、「野間文芸新人賞」受賞する。87年に刊行した『ノルウェイの森』が、累計1000万部超えのベストセラーとなる。海外でも高く評価され、06年「フランツ・カフカ賞」、09年「エルサレム賞」、11年「カタルーニャ国際賞」等を受賞する。その他長編作に、『ねじまき鳥クロニクル』『海辺のカフカ』『1Q84』『騎士団長殺し』『街とその不確かな壁』、短編小説集に、『神の子どもたちはみな踊る』『東京奇譚集』『一人称単数』、訳書に、『キャッチャー・イン・ザ・ライ』『フラニーとズーイ』『ティファニーで朝食を』『バット・ビューティフル』等がある。

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