騎士団長殺し :第2部 遷ろうメタファー編

著者 :
  • 新潮社
3.76
  • (398)
  • (749)
  • (604)
  • (90)
  • (21)
本棚登録 : 6114
感想 : 735
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (544ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103534334

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • カタツムリの置物が印象的だった

  • 分からん。難しい。プロローグの位置が分からない。読み終わって思わず一巻を引っ張り出してきてしまったのが悔しい。

  • 村上作品初の読了。
    独特な世界観と比喩的表現、情景描写に圧倒され、非常に読みやすいと感じた。ただ一部の方が面白かった。
    登場人物が魅力的だと感じた。
    他の作品も読んでみたい。

  • 村上春樹独特の世界。
    読みやすいところと読みにくいところが混在し、なかなか読み終えれなかった。
    免色さんがとても興味深かったが、結局何者かわからず。ユズについても然り。
    よくわからないが、昔村上春樹ばかり読んでいた時期を懐かしく思った。

  • ファンタジーなのに、ずいぶんと現実的に描写されているし、なにより愉しい。村上春樹の中でも素敵な作品。
    最後に主人公が得た、揺るぎない気持ちに素直に共感できた。つっこみどころにはあまり興味がないので、マイナス点はなく星5。今まで読んだほかの春樹も読み直してみようかな。

  • 秋川まりえをモデルにして絵を描き始めた「私」は、彼女が特別な観察眼を持っていることに気づく。絵を見極める力や、免色の隠している思惑(布石)、掘り返してしまった祠のこと。

    「私」の別れた妻は妊娠しているらしい。彼女が受胎した時期は「私」が夢のなかで彼女と性交した時期と一致する。そのとき「私」は青森にいて彼女は東京にいたわけだが、論理を超えて何かに結びついている、と「私」は考える。

    免色と秋川まりえの距離はなかなか縮まらないが、免色と秋川笙子(まりえの叔母)は男女の仲になっていた。

    秋川まりえが家を出て姿を消した。大人たちは彼女を探すが見つからない。
    「私」は騎士団長の言葉に従い、雨田具彦に会うため伊豆の施設へ行く。そこで起こったのは雨田具彦のわずかな覚醒、騎士団長の死(「私」が殺した)、顔ながが出てきた<メタファー通路>への突入。

    <メタファー通路>のなかでは、死んだ妹や、『騎士団長殺し』のなかのドン・アンナが助けてくれた。そして「私」は小田原の家の近くのあの穴のなかにいて、免色に助け出される。秋川まりえも無事に戻ってきたらしい。
    「私」が<メタファー通路>や穴のなかにいる間、秋川まりえは免色の家のなかに隠れていた。そこで数日過ごし、隙を見て脱出したらしい。

    雨田具彦が亡くなり、「私」は肖像画を描く仕事を始め、また妻と暮らし始めた。彼女が生んだのは「私」の潜在的子どもかもしれない。
    数年の月日が経ち、東日本が大きな地震に襲われ、海辺の町が壊滅していった。かつて住んだ小田原の家は火事で焼け落ちた。『騎士団長殺し』も「私」の描いた絵も失われてしまった。
    しかし「私」は、騎士団長たちの姿を目の前に浮かび上がらせることができる。彼らからの贈りものである娘と「私」は生きていく。

    ---------------------------------------------

    結局のところ、「私」の行動に何の意味があったのかはわからない。伊豆から小田原に謎のワープをしただけなのかもしれない。「私」が何もしなくても秋川まりえは帰ってこれたかもしれない。でも、<メタファー通路>と穴のなかで「私」が変われたのは事実だ。
    この話は「私」や、免色の視点ではなく、雨田具彦から見るべきものだったのかな。彼のウィーン留学時のことや、弟の悲しい過去のことがすべての流れを汲んでる、というか、「私」が掘り出した穴や免色の思惑なんかはすべて大きな流れを動かすための取っ掛かりに過ぎなかったんじゃないかな、と思った。うまく説明できないけど、感覚的にそう思った。

    「私」の妻の行動は不可解だったけど、それは免色が突然「私は左利きです」と言ったのと同じで、すべては関連して繋がっている、ということかな。

    遠く離れたところで受胎した妻の子どもを、イデアの、あるいはメタファーとしての父親として捉える「私」の姿勢は、なんだかラッドウィンプスの歌詞みたいだった。遺伝子を超えてるぜ、みたいなところに似たものを感じた。
    https://www.youtube.com/watch?v=wvvItrHEfRA

    ---------------------------------------------
    【追記】
    後日、思うところがあってスコット・フィッツジェラルドの『グレート・ギャツビー』を読んだ。やはり、免色はギャツビーだった。
    ギャツビーは悲しい愛憎劇の果てに殺されてしまったけど、免色は秋川笙子とイチャイチャしたままで話が終わった。免色は死ななくてよかったなあと思わずにはいられない。

  • #関連性膨らむ胸に勇気ある賢い女の子になる諸君

  • なるほど。面白くはない。

  • 早く読みたくて一気読み。一気読みできるくらいの面白さはあった。一部の方が好きだった。

  • まりえのデッサンがはじまったあとからの物語。
    C0093

全735件中 111 - 120件を表示

著者プロフィール

1949年京都府生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。79年『風の歌を聴け』で「群像新人文学賞」を受賞し、デビュー。82年『羊をめぐる冒険』で、「野間文芸新人賞」受賞する。87年に刊行した『ノルウェイの森』が、累計1000万部超えのベストセラーとなる。海外でも高く評価され、06年「フランツ・カフカ賞」、09年「エルサレム賞」、11年「カタルーニャ国際賞」等を受賞する。その他長編作に、『ねじまき鳥クロニクル』『海辺のカフカ』『1Q84』『騎士団長殺し』『街とその不確かな壁』、短編小説集に、『神の子どもたちはみな踊る』『東京奇譚集』『一人称単数』、訳書に、『キャッチャー・イン・ザ・ライ』『フラニーとズーイ』『ティファニーで朝食を』『バット・ビューティフル』等がある。

村上春樹の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×